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2010年1月

2010年1月31日 (日)

青春ごっこ ⑮水曜日の作戦(1)

一回目の作戦は思っていたよりも、もっと簡単にいった。作戦の変更も無かった。裏門に佐藤夕子と木村和義、図書館には吉村かおり、実行犯は僕と阿形幸一だった。

図書館には公衆電話があったので、連絡係は自動的に吉村かおり、裏門を出たすぐにもたばこ屋があって、そこに公衆電話はあったが、誰かに見られる恐れがあったので、連絡は図書館でという事になった。

佐藤夕子は集合前に裏門を見て怖くなったのか一人では無理と言い出したので、硝子を割るのを楽しみにしていた木村和義は渋々佐藤夕子と一緒に裏門で見張りをする事にした。

ついでに裏門の鍵をこじ開けていてくれた。

図書館にも誰もいなかったし、裏門も静まり返っていて誰も居なかった。

意外と音は外部には漏れておらず、裏門に走って向かった時には木村和義は

「おおっ!早いな。もう終わったのかよ」

と漏らしたほどだった。合計時間は集合から10分も無かった。

そしてそのまま解散した。

次の日何食わぬ顔で登校したら、意外なほどにその効果は覿面だった。

金曜日まで森崎洋子が校門をくぐるたびにヒソヒソと聞こえていた噂は全く別のものになっていた。

それがおかしなことに、県立高校の3年の不良達の噂が立っていた。

どこからどうなったらそんな噂になるのかは分からないが、とりあえず、そのどっかの誰かさんのおかげで森崎洋子をバッシングするあの一連の動きは全く無くなっていた。

「うまくいったじゃない。これなら2回目は必要ないかもね。」

吉村かおりは昼休み屋上に来ていた。

「いや、これで終わってしまうと、森崎さんがやったと思われかねない。最低でもあと一回はしないといけない。」

「ふーん…ちょっとさ、気が付いたんだけど、真田君、最近変よ?」

「僕の何が?」

「何て言っていいか分からないんだけど、らしくないんだよね。」

「またそれか、みんな言葉に困るとすぐらしくない、らしくないって。そもそも、この作戦はお前が何かしようって言うから考えたんじゃないか。」

「そうだけど、うまくいえないけど、今までの真田君ってこんなに積極的に考えたり行動したりしてた?」

「そりゃお前がいっつもやらせてたからだろ?今回だって同じじゃないか。」

作戦を練るのも中心になって動く事も任命したのは吉村かおりだった。

「でも何か違うっていうか、生き生きしてるっていうか…私が言いたいのはそういう事じゃなくて。」

「じゃあどういう事?」さっぱり意味が分からない。

吉村かおりは何か喋ろうとしたが、躊躇っているようだった。僕はなにも話さないまま待っていたが、やっと彼女が話した言葉は。

「…やっぱあんた馬鹿って事よ。」だった。

吉村かおりに馬鹿にされるのは日常の事なのでもう今では何も感じない。

「水曜日は予定通り作戦するつもりだから。」

「…うん、分かった。」

僕からしてみたら、最近変なのは吉村かおりの方だった。彼女はいつも、何をするにしても、もっと精力的で、良くも悪くも計画の段階から自分の意見を思いついた先から入れてくる。

今回の作戦の発案は僕だったが、それでも本来の吉村かおりだったら、そんな事おかまいなしに中心になっているはずだった。

僕がいつもと違うように見えるのは彼女がいつもと違うからに他ならなかった。さっきの返事も何か歯切れの悪さを感じずにはいられない。

最近の彼女は何かおとなしい、ハッキリ喋らない時も少しあるし。らしくないというのは吉村かおりの方だと僕は思っている。

彼女の中で何かあったのかもしれない。

僕の知る限りでは物理的に何がが起こった訳では無さそうだったが…

水曜日

コンピューター室の硝子は今日には全て直ってしまっていた。噂はやはり県立高校の3年の不良がやった事になっていた。森崎洋子については、誰も何も言わなくなっていた。

それでも、硝子の修理が終わってしまうと、また彼女の噂が復活するのではないかと心配せずにはいられなかった。

それに、噂の主の事も気になる。木村和義に聞いたところ、その3年生は本当に存在するらしく、内藤というらしい。噂がその3年生の耳に入らなければいいが、と思ってしまう。

その3年生の内藤とやらがどんな人物かは分からなかったが、不良の高校生だ、何もしていないのに自分が悪く言われているなんて聞いて笑い飛ばせるほど器が大きいとは思えない。

できれば大事にはなって欲しくない。彼が乗り込んできても止めるすべは僕たちには無いからだ。

「今日はいつも通り職員会議あるみたいだぞ、それとその後の親睦会もあるみたいだ。」

日直で職員室に行った阿形幸一は情報を集めてきていた。

「まさか直接先生に聞いたんじゃないだろうな?」

「俺がそんな馬鹿なことするかよ。吉村じゃあるまいし」

「確かに。」と言って二人で笑った。

ふと、森崎洋子を見てみると、彼女はいつも通り、机に座って勉強をしていた。特に何かを気にする素振りも見られなかった。

できれば、僕達が動いている事を知られたくなかったのでそれでよかったのだが僕としては少し複雑だった。

あれから3日目になるが、彼女の鞄はまだいろいろ詰め込まれた状態のままだった。

昨日の放課後、阿形幸一と二人でロッカーを掃除した。「噂の目安になるから。」と阿形は言っていたが、僕にはそんな事はどうでもよかった。

以前ファミレスで阿形幸一が言っていたように、好きな子のためには何かやってあげたくなるもので、僕が森崎洋子にしてあげた事で、形として見える事はこれが初めてのように思えたからだった。

「じゃあ、今夜は予定通り作戦決行だ。連中にもメッセージ入れとくよ。」

「分かった。」

「返事入れろよ。」

「分かってる。大事な事だ。」

メンバー間で違う情報をやり取りして足並みが揃わなかったり、勝手に作戦変更したりしないためにも、密な連絡が必要だ。

そういう意味ではポケベルはとても役に立つ。電話がないと使えないというのがネックだが、幸い公衆電話はその辺にいっぱいあるし、テレホンカードも世に溢れている。

親父が旅行で買ってきたのも大量にある。通信には苦労はしない。今高校生の間では少しブームになっているのかもしれない。

今日の作戦も一回目と同じようにスムーズに行けばいいが…

一回目があまりにも簡単に成功してしまっただけに、今回は少し浮き足立ってしまっているような気がした。

とはいえ、もう今日には実行するしかないのだが、何かをやり残しているような気がして不安になってきていた。

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2010年1月30日 (土)

青春ごっこ ⑭最後の打ち合わせ

ファミレスに到着したが、まだ誰も来ていなかった。

あれだけメッセージが入ってきたから、僕だけが来ていないのかと思ったが、誰一人として来ていなかった。

「なんだよ、僕が一番か…」

「いらっしゃいませ、何名様ですか?」

「すいません、5人なんですけどまだ僕しか来てなくて…」

「あ、阿形君の弟さんですね?お席はこちらですよ。」

阿形幸一の弟?あいつ、何て説明してるんだ…

「は、はあ。」

と言って僕は禁煙席の一番奥に案内された。またコの字型のテーブルだ。

この席だと外からは意識しないと見えないし、確かに集中して勉強ができそうだった。学校の図書館では飲食できないが、ここでは飲食もできるし、

意外と他の人の会話は気にならない。確かに阿形幸一が気に入るのも分かった気がした。

「あれ?まだみんな来てなかったの?」

と言ってきたのは吉村かおりだった。前回の話し合いから、僕は数日間こいつを説得するのに大変だった。

その甲斐あってか、何とか吉村かおりは作戦に乗り乗りになった。

少し乗せすぎたような気がしないでもないが、彼女はそれぐらいが調度いいのかもしれない。

「でもどうして阿形君はあんなに協力的になったのかな?あやしくない?」

ドリンクバーを頼んだ吉村かおりは汲んできたそれを飲みながら訪ねてきた。

これは、あれを言う絶好のチャンスかもしれなかった。

「阿形お前の事が好きなんじゃないのか?」

「まさか、あんなのが私を相手にする訳ないじゃん。私じゃなくて森崎さんなんじゃない?」

一瞬ドキリとしたが、そんなはずはない、何せ僕は直接阿形幸一に聞いたのだから。

「まさか、話してるのなんて見た事ないだろ?」

森崎洋子の名前がここで出たのにはびっくりしたが、ここは想定の範囲内だったので、焦りを出す事は無かった。

「確かにそうね、阿形君はおとなしい子が苦手みたいな事言ってたから。」

「じゃやっぱお前じゃん。」

と冗談っぽく言ったが

「本気で言ってんの?」と真剣な顔で僕の方を見てきた。

「え、冗談だけど…そんなに怒る事か?」

「怒ってないわよ、ただ…私のこと、何も分かってないのかとちょっと思っただけよ。」

「…?…どういう意味だよ。」かなり知っているつもりだが。

「何でもないわよ、あんたが馬鹿って事よ!」

言っている意味がよく分からないが、阿形幸一に褒められたり、吉村かおりに馬鹿にされたり忙しいなと思った。

「おお、早いな。」時間5分前に阿形幸一が現れた。

阿形幸一は目で僕に「言ったか?」と尋ねてきたので、僕は目で「言っといた。」と答えた。

タイミングといい、ひょっとしたら阿形幸一は外から見ていたのかもしれなかったが。

僕の目を見て安心したのか、彼はさりげなく吉村かおりの横に座った。それによって僕と向かい合っていた吉村かおりはまたお誕生席に移動した。

僕と阿形が向い合う形になった。阿形は目で訴えてきたが気が付かない振りをした。

「…木村くんたちはまだ来てないのか?」

「あいつらは、いや、カズは自由人だからな、時間はあんまり正確じゃないんだよ。」

「そうそう、前回は奇跡だよ。夕子がいるから大分ましにはなったけどね。」

「そんな奴大丈夫か?」

「私も不安なんだけど、真田君が大丈夫っていうから…でもまあ、ある程度は信頼できるんだけどね。」

「ごめーんお待たせ。」

「おう、待たせたな。」

二人がやってきたのはそれから10分後の事だった。

「社長出勤だ、みなのもの苦しゅうない。」

と木村和義は言ったが僕は全員が揃ったので、それにはかまわずに進める事にした。

「それじゃあ、今回の作戦なんだけど…まず、前も言ったけど、警察に通報されるような事はできない、かと言って軽すぎてもいけない。

だから、考えたのは硝子を割る事なんだけど。これも、この前言ったけど。割れる教室は職員室・事務室・校長室・コンピューター室の四つだ。

だけど、一日目はコンピューター室のみを行う。

これは、目的が何なのかハッキリさせないためにも必要な事だと思うんだ。」

「目的をハッキリさせない?」

「他の部屋は教師に関係する部屋ばかりだからな、内部犯に見られる事がある、だからあえてコンピューター室だ。」

「なるほど、その後は並び順番で行くと、目的が分からないって事か。」

「そう、それともう一つ始めに言っとかないといけない事があるんだけど、こういう風に集まるのは今日が最後にしておこうと思うんだ。

割った後には集まると不振に思われるかもしれない。そういう事はなるべく避けたいと思うんだ。」

それには全員がうなずいた。

「何時にするの?」

「時間は夜中3時だ。その時間は恐らく誰もいないはずだからな。何かのテレビで一番集中力が下がる時間だとか言ってたと思うし。」

「夜中だと目立たないからそれぐらいでもいいけど。起きれるか?」

「僕たちはそんなの慣れっこだけどな?」

「へいへい、エリートさんたちはそうでしょうね。それで?」

木村和義がやっかみ半分で聞いてきた。

「一回目の犯行時は組章も落とさない。内部犯だと思われたくないけど、あまり年齢を限定したくもないんだ。そういうのは、できれば2回目にしたい。」

「どうやって私たちは学校に入るの?校門も裏門も日曜日は鍵がかかってるんでしょ?」

「まあそうなんだけど…」

「んなもん飛び越えちまえばいいんじゃねえか?」

「それは半分正解で半分はずれだ。セキュリティはそんなに強くないんだけど、門からだと近くの民家から見られる可能性もある。でも門から入ったと思わせたいんだ。」

「俺たちはどこから入るんだよ。」

「別館だな?」と阿形幸一

「そう、別館には図書館がある。図書館は年中施錠されてなくて、校舎と繋がってる。とはいえ、さすがに校舎との間は行けないようになっている。」

「じゃあどうするんだよ。結局校舎には入れないんだろ?」

「でも、別館には入れるんだよ。別館から図書館には入れないように鍵ががけてあるけど図書館の方からだとこの鍵で入れるんだ。」

「え?そんなのどうしたの?職員室から持ってきたの?」と吉村かおり

「そんなリスクの高いことはしない。」

「どうしてその鍵で開くんだ?」

「吉村と阿形がそういうように、このことは実は特進クラスの人間でも知らない。」

「先生も知らないんじゃない?」

「気づいていないハズだ。」

なぜなら僕がドアノブをホームセンターで買ったものと、昨日付け替えたばかりだからだ。両側から鍵がかかるようになっているもので、結構高かった。

今までは一度も使われていないはず。先生達もほとんど図書館には来ていないから付け替えるのは難しくなかった。

鍵もかかったままだったが、図書館側からネジを二つ外すだけで簡単に付け替えれた。

「別館に入れたら後は適当な窓から外に出れば運動場に出られる。そしたらそこからは窓を叩き割るだけって事だ。」

「なるほど、帰るときもその道を使うわけか。」

「ところが、帰る道は裏門からにしたい。なぜなら運動場に出たら土が付くだろ?そういう痕跡は残したくない。まだ2回目、3回目もあるんだから。

一回目は出るときは裏門からにしたいんだ。だから裏門にはずっと見張りが必要。内側から鍵も開けていく。」

「それが一回目の犯行って事か。じゃあ2回目は?」

「2回目は、水曜日に行う。ターゲットは職員室と校長室だ。」

「おいおい、大丈夫か?そんな近い日で」

「それも大丈夫。本当は次の日にやりたいんだけど、さすがに平日は毎日当直の先生がいるし、用務員もいる。だけど、水曜日は定例職員会議だから本来なら用務員だけになる。」

「用務員がいるんだったら駄目じゃね?」

「でも今週はラッキーで職員会議の後に親睦会とかいうのがあるらしいんだ。

恐らくはコンピューター室の硝子が割られたぐらいじゃ無くならないはずだ。

それぐらいならギリギリ、イタズラで済むぐらいの問題だからな。」

だから一時的に校舎からは誰もいなくなる。

「そんな事まで調べたのか…」阿形幸一は感心した感じでこっちを見ている。

「じゃあ時間は結構早くなるね。」

「そうだな、それまでは僕たちは図書館で待つことになる。恐らくは20時前後になると思う。」

「俺らも図書館に入れるのか?」

「基本的には図書館は無人なんだよ。」吉村かおり。

「カメラとかも無いしな。それに夜開放されてるのは自習室あたりまでだし、その辺には貴重な本は無いからな。わざわざ見に来る事は無い。そもそも見に来る人間がいないんだろうけど。」と阿形幸一

「他の生徒がいるんじゃないの?」と佐藤夕子

「まだ受験シーズンじゃないから、いるのはほとんど僕たち特進クラスの人間ぐらいだ。

3年はほとんど使ってないみたいだし、2年なら全員味方だ。1年はまだ誰も使うくらい難しい問題は出てないはずだ。」

「校舎に残ってるかも…」

「いや、それは無いな。一時的にも校舎を空にするんだ、生徒が残ってたらそんな事はできない。それだけ高校生ってのは扱いにくいもんなんだよ。」

「それは俺も同感だ。」阿形幸一。「そりゃそうだな」木村和義

「イレギュラーは無いの?」吉村かおり

「1回目は万全なはずだ、2回目は用務員や教員の一人か二人は残る可能性がある、その時は僕たちも残るだけだ。

幸い用務員室は職員室から離れてるし。用務員が寝るまで待つのみだ。その他はその時に考えるしかないな。」

「3回目は?」

「やれるかどうかは分からない、2回目で警察が入る可能性もあるし、2回目は内部犯だと思われる可能性も無いとは言えない。だから2回目に組章を残しておくんだけど。

それに、僕たちの目的は学校を襲撃する事じゃない、森崎さんの噂をこっちに向ける事が目的だ。だから噂がこっちに向いたら3回目は必要ないんだ。」

「そうね、うまくいけば2回だけで噂をこっちに向けられるかも。」

「お前調子に乗って誰かに喋んなよ?」

「それはあんたでしょうが!」

「俺は他校の生徒だもん、何だっていいんだよ。」

「あと、この事に関する変更の連絡はポケベルでするから。必ずメッセージは確認する事それと、確認したら絶対に僕に返信してくれ、これにも意味があるから全員絶対にして欲しいんだ。」

「噂はどうするの?硝子を割ったのは誰かとかの噂は?」

「それは僕に秘策があるんだ。」

そう、今日取って置きの秘策が手に入った。まだ不確実だし、恐らくは公にはできないが噂を広めるにはもってこいの秘策だった。

「じゃあ、今日はこれで解散だ。恐らく滞りなく進むと思うけど、当日は全員3時集合な。」

と言って立ち上がると、みんなも立ち上がった。

「こんな事はガラじゃないんだけど…」

と言って木村和義が握った拳を前に出してきた。そういうことか。

全員の拳が向い合った。

「よし、じゃあ作戦成功させるぞ!」『おう!!』

と5人でグータッチをして思い思いに店を出た。

作戦に向けて自分が少し高揚感を感じている事が分かった。

あとは実行あるのみだ。

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2010年1月29日 (金)

青春ごっこ ⑬ラジオ番組

金曜日

今日はこれから、19時に作戦会議をする予定になっている。が、その前に今日は毎週楽しみにしているラジオの公開録音が駅前ブースで行われる日だった。

先週の放送でDJはかなりテンションがあがっている様子だったので聴いているこっちも何かテンションが上がっていた。

駅前ブースは自宅からそう離れていないので、ファミレスにも離れていない。公開録音を少し見てからファミレスに行ったとしても充分に間に合う。むしろ一番に着くだろう。

そう、「よっしーリクエスト」だ。

僕はまだ、「よっしー」を見たことが無い。かわいらしい女の子だという噂、今までも何度かテレビに出ているらしい。

声を聞いた感じでは確かにかわいらしい。かなり天然がきついが、勉強はできそうな気がした。

漢字の読み違いも全く無いし、英語もかなり勉強しているようだった、発音もきれいだし。売り出し中のアイドルという位置づけらしいが、もっと知的なものを感じる。

16歳で芸能活動をしながら進学校に通っているらしい。計算が得意だと言っていた。

賢そうだが、日常生活についてはシャンプーを2回やってしまったり、カップ焼きそばをカップ麺と同じようにお湯を捨てずに食べていたり、確かに天然ボケだ。

僕たちの地元近くの出身らしく、近くのラジオ局で異例のDJ大抜擢だそうな。

学校も一切休まず、勉強にもしっかり付いていっているらしい。

どこまで本当か分からないが、それが本当なら大したものだ。

目指しているのは「知的なアイドル」「知的な女優」らしい。それにはいい大学に行きたいと言っている。

同年代なのに、具体的な夢があってそれに向かって真っ直ぐ走っている「よっしー」に僕は賞賛の念を毎週感じている。

彼女も、恐らくは芸能界に入ることに両親や友人達に馬鹿にされていたり、あるいは言い出せないで居るのかもしれない。

同じ年代としてそう感じないではいられなかった。

駅前に到着した。深夜のローカルラジオ番組なんかどれだけの人間が見ているのかと思ったが30人からの人間が駅前のブースに人だかりを作っていた。

今やっている番組のDJはどう思っているのだろう。胸にバラを挿したオヤジの目線を受けて…

中には父親の年齢ほどの人間もいる。ラジオを聴いて見に来てくれた人は胸に赤いバラを挿してきて欲しいとの事だったので、そこにいる全員が上着に赤いバラを挿していた。

見ようによってはかなり異様だ。

この後の事もあったし、なにより恥ずかしかったので買う事すらしなかったが、これでよかったのかもしれない。

放送までまだ30分ぐらい時間はあったが、僕はそのブースの道を挟んだ向い側にある、大手ファーストフード店のブース正面の席に陣取った。

1階は人だかりで見えないので2階にした。その分余計にブースは小さく感じる。

僕は時計を見ながら頼んだテリヤキセットのポテトが揃うのを待っていた。

「――もしかして、真田くん?!」

その声に振り返るとそこには吉川麻耶がいた。

「あれ?もしかして?吉川さん?だよね?」

吉村かおりの前と森崎洋子の後ろに座る引っ込み思案の吉川麻耶だ。

彼女は薄く化粧をしていて、服も私服でふわっとしたピンクの上にひらひらした可愛らしい白のミニスカートに濃い水色のニーソックスをはいていた。

髪型もいつものおさげとは違うし、学校とはずいぶん違い、明るいイメージがする。

最大の違和感は淵の太いメガネをかけていたので誰か判別しづらかった。

「あ、あの…何でここに?」

相変わらずモジモジとしている。声も小さい。

「ああ、今日僕が毎週聴いているラジオ番組の公開録音があるんだよ。それがもうすぐだからここで見ようと思ってさ。」

「え…そう…私…どうし…」

小さな声だったので何を言っているのか聞き取れなかった。

「吉川こそこんなところで何やってるんだ?」と言ったところで彼女の胸に赤いバラが挿してあるのが目に留まった。

そうか、彼女もあのラジオを聴いているのか。僕はちょっとした仲間意識を感じた。

「もしかして、そのバラ。吉川もラジオ聞いてるんだろ?今日来る人は胸につけて来いって言ってたもんな。」

「違…」

声が小さかったので聞き取れたのはそこだけだった。

「違う?隠さなくてもいいよ別に、あの番組のよっしーっていいよね、だって前向きだし、夢に向かって真っ直ぐだし。僕は応援したいなって思ってるんだよ。いい子だしね。

でもまだ顔は見たことないんだけどね、だから今日は見に来たんだ。何だったら一緒に見る?」

といったところでポテトが揃った。すると吉川麻耶は軽く会釈だけして走って去って行ってしまった。

「何なんだ?あ、もうすぐ始まるのか。」

きっと吉川麻耶も自分のポジションを陣取っているに違いない。

ポテトを一本一本食べながらDJが入れ替わるのを待った。

路上の拍手と共にDJが入れ代わり「よっしー」がいよいよ登場する。

とそこには照れながら登場する吉川麻耶の姿があった。

「な、何!?」と思わず声を出してしまい、一瞬周りの目を集めてしまった。

驚いた。「よっしー」とは吉川麻耶だったのか…

吉川麻耶ははじめにこちらを見たので僕と目線がぶつかった。

とたんに視線をそらして一瞬下を向いてしまったが、すぐに彼女はいつも通りに話をし始めた。

クラスでの吉川の印象とは全く違う。

人前でも全く臆することなく堂々とDJをしている。笑顔で観客の人たちに手を振る余裕もある。

当たり前の事だけどブースの中にいるのは吉川麻耶ではなく「よっしー」そのものだった。

すごい…

彼女もまた夢に向かって途絶える事無く走っている。どこからとも無く湧いてくるあの吉村かおりのような力によって頑張ってるんだろうか。

今度クラスで話しかけてみようと考えていた。

ただ、恐らくこのことはクラスにも、もちろん学校にも内緒になっているはずだから、気をつけなくてはいけないはずだ。

そんな事を考えているとポケベルがメッセージを受信した。

『いまどこ? かおり』

吉村かおりからのメッセージだったが、僕はもうすぐ終わる公開録音を見終わってからメッセージを返す事に決めていた。

「よっしー」を見ていると、自分の心の中に、ほんの少しだけ焦りのような感情が湧いてくるのが分かった。

このままでは、僕は置いていかれるかもしれない…

でもそれはほんの一瞬で、これから自分達がする事の話し合いについて考え始めたら、そんな事は頭の中からは完全に消えてしまった。

今の僕には将来の事よりも目の前の事の方が大切だったからだ。

木村和義から『いまどこ? カズ』と入ってきた。同じ内容が阿形からも入ってきた。

時間はまだまだ余裕があるのにどうしてこいつらはみんなして僕にメッセージを入れてくるのか…おかげでこの後3人に同じ内容のメッセージを送る事になった。

『えきまえ。ファミレスいく さなだ』

「よっしー」を見送った後、僕は鞄を持ってファミレスに向かった。

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2010年1月28日 (木)

青春ごっこ ⑫五つ目の選択肢

「僕も今閃いたばっかりだから、練りきれてないんだけど、

まず、あまり犯罪性の高いのは駄目なんだ、警察とかが調べにくるようなのは駄目って事。あくまでも泣き寝入りができるぐらいでないと。

そして、外部の人間だと思わせる事が必要。内部の人間だと真っ先に森崎が疑われるから。もちろん僕たちがやったってバレるのは論外だけどね。

それでいて軽すぎても駄目、相手にされないとやる意味ないしね。

あと特定の個人も駄目、第二、第三の森崎を出しかねない。

これらを総合して考えると、選択肢はいくつかしかなくなるんだ。

で、僕が考えたのはずばり『職員室・校長室・事務室・コンピューター室の襲撃』なんだけど。」

阿形幸一は顎を親指と人差し指でつまむように擦りながら僕の話すのを聞いていた。

こういうところが、イケメンなのにオヤジくさい。

「ほぅ、面白いな、うちの学校はその四つの教室が毎日使われてるけど道路に面していないな。」

「そうなんだ、だから犯行現場を押さえられる事は無い。」

「でも襲撃なんて、危ないよ。もし見つかったらどうするの?」

「いや、うちの学校は実は土曜日の夕方からは無人になるんだ。誰だって土日は休みたいもんだからな。一回ぐらいは楽勝だろ。」

「でもよぉ、外部の人間に見せかけるにはどうすんだよ?あんまりピンポイントですると内部犯って分かっちまうぞ?」

「そこでカズと佐藤に、高校の購買部で組章か生徒手帳を買ってきてもらいたいんだ。」

「そうか、俺ら違う学校だもんな、その辺に校章でも転がしときゃいいわけか。」

「いや、ここは校章じゃなくあえて組章の方がいい。それに、後ろの留め金の部分も折れてる方がいい、買うのは、そうだな、カズよりも佐藤の方がいい。女の子の方が印象に残りにくいからな。」

「組章って、何組がいい?」

「自分のクラス意外ならどこでもいいんじゃね?3年でも1年でも」

「真田、具体的に襲撃ってどこまでするんだ?お前は2回か3回考えてるんだろ?

正直3回目はやばいぜ?」

「それは後々考えるよ。とにかく一番初めはコンピューター室で決まり。決行するのは次の日曜日だ。土曜日は他の先生がいるかもしれないしな。」

ここで、ずっと黙っていた吉村かおりが話し始めた。

「これっていい事なんだよね?」

「普通にいいことだろ?」と木村和義

「難しいね。」と佐藤夕子

「そんな事どうでもいいんだよ。」と阿形幸一

僕は

「森崎さんを守るためだ、ある程度は仕方ないさ、森崎さんがあれだけされてるのに、学校は彼女に何かしてくれたか?」

「ううん、何も…」

「だろ、だからって考えたらいいんじゃないか?学校も何か対策ぐらいはできただろうに、何もしないから今の森崎さんになってるんじゃないか?」

「確かに、でも何かパワーが出ないっていうか…」

吉村かおりは正義の人だった。合っているかどうかは別として、彼女には彼女の価値観があって、それを曲げられるのがとても気に入らない。恐らく、自分からそれを曲げるのも嫌なんだろう。

まだ決行まで一週間ある、それまでに何とかあいつを説得しなくてはならないと思った。

大まかな事が決まって僕たちは解散する事になった、煮詰めるのは僕の仕事になった。

木村・佐藤ペアはこの後にデートをするらしいのでどこかに消えていった。相変わらず仲がいい。

少し、いや、かなりうらやましく思う、僕も森崎洋子とああやって町を歩く事ができるようになるのだろうか?

なかなかイメージができないけど、いつかそうなるようにしたい。そう考えると少し力が湧いてきた。

吉村かおりは一人で考えたいと言って家に帰って行った。

残ったのはファミレスで勉強をしていた阿形幸一と僕だけだった。

僕も帰って勉強をしようと思ったが、

「少し時間いいか?」と言われたので残る事にした。

「珍しいな、お前が僕に何か用があるのか?」

「いや、用って程の事じゃないんだけど…お前に2・3質問があってさ。いいか?」

「僕に?いいけど?」

「率直で悪いんだけど、お前って吉村かおりとつきあってるの?」

「はあ?んな訳ないだろ?何でそんな事…お前、もしかして…」

「…そういう事だ。」

「マジで?あんなガサツな女何がいいんだ?」

「…そういう所だ。」

「かわった奴だなお前も。もしかして、今日ここにいるのも、あいつを付けてきたんじゃないだろうな?」

「いや、そこまではさすがに…ここで勉強してるのは本当だ。」

と言いながらまだ顎を親指と人差し指でつまむしぐさをしている。

「…どうでもいいけどお前、そのおしぼり顔拭いてないよな?」

「拭いたけど?」イケメンなのに何たるオヤジだ。

「そういうのは吉村の格好の餌食だから止めた方がいいぞ。」

「そ、そうか。」と言いながらメモを取っている。

「今日協力的なのは吉村の為か?」

「聞いたのは偶然だけどな。男としては、好きな女の為には一肌脱ぎたくなるだろ?」

「確かに…」なぜか苦い気分になった。

「今度僕から吉村に言っといてやろうか?阿形がお前の事好きみたいだって。」

「馬鹿、直接言うな。それは自分で言うから。それとなく思わせてくれたらいいんだよ。俺は、何かチャラついたイメージがあるみたいだけど、実際は彼女なんて居ないしよ。そこんとこ結構奥手なんだよ。」

「じゃあそれとなく言っとくよ。」

阿形幸一が恋愛に奥手?俄かには信じられない事だった。

彼は成績優秀、スポーツもできる。それに父親は大病院の院長ときて金持ち、どうもこの学校のスポンサーの一人とかいう噂もある。

そんな存在が僕のような一般市民に話があるというのだから、同級生というのはおかしなものだと思ってしまう。

当然、校内でもモテモテの存在で、別館のうちのクラスまで下級生を中心に見に来る女子生徒がいる程だ。

同じ中学の奴に聞いたらすれ違うだけで妊娠するとか言われていたらしい。そんな馬鹿な。

「あと一つ質問があるんだけど。」

「何だ?」そういえば最初に2・3と言っていた。

「お前、1年の始めの方クラスで1番になったことないか?」

本当の始めの方、中学の復習をしている頃の話だ。

「ああ何だ、そんな事か。そんなの昔の事だろ。どうでもいいよ。」

「話を聞け、俺は今までずっと成績はトップだ、少なからずプライドがあるんでね、絶対この位置はキープしてやると思ってるんだけど。

それよりも、俺が気になってるのは、今までテストの総合点で俺が負けたのはその一回だけなんだよ。」

「僕のはまぐれだ。」

「そんな事はない、3位が誰だったか知ってるか?」

「知らん。興味も無い。」

成績の事となると本当に興味が湧かない、どうでもいいと思っているからだ。逆に阿形幸一のように興味を持ち続けられる人間は本当にすごいと思う。

「3位は斉藤だ。でも斉藤の点は俺と大分差があったんだ。つまり、俺とお前は拮抗してたんだよ。」

そんな事まで調べたのか…

「まぐれだ。」

「お前、今の順位は?」

「だいたい20位とか22位とかだな。悪い時は26位なんてのもあるぞ。」

「…お前、勉強してないだろ?」

「してるさ、じゃないとあのクラスではやってけないだろ?」

「そんな事を言ってるんじゃない、上位に来る為の勉強をしてないだろって言ってるんだ。」

「はぁ?そんなもん生まれてから一度もした事ないぞ?」

「じゃあ意識してないだけだ、じゃなきゃ俺は絶対に負けない。それだけの自信がある。」

自信とか言われても…中学校から特に勉強方法を変えた訳ではなかった。多少集中力が散漫になってしまったが。

「何でそんなに言ってくるんだ?別にいいじゃないか、その後はお前がずっと一番なんだから。」

「良くない。その次のテストからお前はガクっと成績を落としてる。さりげなく聞いたらその時は18位とか言っていた。」

「じゃあそれが実力じゃないのか?」

「違う!その頃からお前は勝負してないんだよ。俺と!」

「もともとしてないっつーの。だから何でそんなに僕の事を言ってくるんだよ。」

阿形幸一はハッとしたようだった。

「…いや、これはお前のことじゃなくて俺の事なんだ。俺が負けたのはお前だけだ。科目で見たら論文は結構負けてるが、総合じゃお前意外に負けた事がないんだ。

だからお前はもっとできるはずなんだ。認めてるんだよ、俺はお前を、現在2位の斉藤なんかより。

さっきの話合いの時もなかなかにキレてたと思うし。勝手なことだとは思うけどもっと頑張って欲しいんだよ。」

本当に勝手なことだ。特進クラスでトップ近くまで成績上げろだなんて。

「そんな事言ったってなぁ…変わった事と言ったら、中々集中できなくなった事ぐらいだからな…」

「何かあったのか?」

「それは僕も知りたいな。」本当のことだった。

数分の沈黙の後僕は「じゃあ、僕はもう帰るから…」と言ってファミレスを後にした。

帰り際に阿形幸一が「あの事頼むぞ!」と言ってきたが、振り返らずに手だけ挙げて、そのままレジに向かった。

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2010年1月27日 (水)

青春ごっこ ⑪話し合い

『ドリンクバー5じ しゅうごう かおり』

次の日、ポケベルにこんなメッセージが入っていた。

恐らくは自宅近くにある全国チェーンのファミレスの事だと思う。

『なんで? さなだ』

『いいからこい! かおり』

大体がこんな感じのやり取りだ。お前が家に来たらいいじゃないか、と思うが時々こういう面倒くさいやり方をする。

恐らく森崎洋子の事で何か思いついたか、考えたが答えが出なかったからお前も考えろのどちらかだろう。

今まではほとんどが後者だったので今回もそうだろうと思う。

僕はすぐに着替えてファミレスに向かった。

「遅い!5時過ぎてる!」

連絡もらったのが45分だ無理言うな。と言いたかったが黙っていた。

「もうみんな来てるから、入るよ!」

みんな?複数人いるのか?

「おう、久しぶりお前今度ベル番教えろよ。」

「久しぶり。」

木村和義と佐藤夕子のカップルだ。

彼らはコの字型の席の大きめのテーブルに二人で並んで座っていた。

「おお、久しぶりだな、二人とも、木村ちょっと痩せた?」

「ははは、秋からまたサッカーやってんだ俺。」

木村和義は中学の時はサッカー部のエースだった。とはいえ弱小だったから全く有名でも何でもなかった。

腕前は素人の僕が見るからか、彼のボール裁きは本当にボールが友達のように見えた。

「お前上手かったもんな。」

「バーカ、褒めても何も出ねーぞ!」

「そんな事より、森崎さんの事だけど…またいじめられてるって本当?」

「そうよ、今日はその事で集まってもらったの!サッカーがどうとかじゃなくて!」

「別にサッカーの話はしてねーだろ。」

「いーや、あの流れはしようとしてたね!」

「ちょっとちょっと、二人とも、こんなところで騒いだら他の人が見てるよ。」

この二人は仲がいいのか悪いのか良く分からない。出会えばこうして言い合いをする。

「で、考えてみたんだろ?吉村。」

「そうよ、この問題の解決方法よ!」

「見つかったのかよ?」

「見つかったらここに夕子を呼ぶと思う?」

「確かに、僕らじゃ見えないところも外の人間なら分かるかもしれないな。」

「木村君は呼んでないけどね。意味無いから。」

「ぶわぁか、夕子を呼んだ時点で俺は付いて来るんだよ。それに俺の勘はなかなか鋭えぜ!」

「そんなの女の勘の方が鋭いわよ!」

話が前に進まない。

あまりにも進まないので僕から今回騒ぎがあった事をかいつまんで木村和義と佐藤夕子に話をした。

大人数をまとめるのはあんなに鮮やかなのに、どうしてこんな単純な男一人治められないのか謎だ。

「で、かおりちゃんが考えた方法は何?」佐藤夕子が切り出した。

「大きく分けて、方法は4つね。」

と言いながら片手で指を4本立てて、もう片手で書いてきた紙を鞄から取り出してテーブルに置いた。要約すると次の通りだ。

一つ目は根本的な解決。つまりは事件の解決。

二つ目は時間の経過。噂は噂でしかないから、時間の経過と共に風化する。

三つ目は制圧する。片っ端から制圧する。

四つ目は彼女のいい噂を流す。つまり噂には噂で対抗する。

「これ、結局は全部しねーと効果無くねーか?」木村和義は顔を小指で掻きながら言う。

「…そりゃそうだけど、こんなの全部は無理よ。」

「一番効果があるのは一つ目だな。でもこんなの、警察や検察でも間違ってる事を僕たちで解決できるのかな?事件ももう7年ぐらい前の話だろ…」

「俺は三つ目が好きだな。」

「あんたには聞いてないわよ。」「んだとこるぁ!」

「でもこれだと逆効果になりそうね。この中だと四つ目ぐらいしかできそうに無いわ。」

「でも犯罪者の娘って事だからよっぽどの事じゃなきゃ無理だろうな。時間もかかるし」

「それに肝心の森崎もああひねくれてちゃ駄目だな、せめてもう少し素直じゃないと」

「カズ君言い過ぎ。」

「実質二つ目も何もしないって事だしな。」

「じゃ何もできねーって事か?」

「ううん、かおりが言ってるのはその他の選択肢を探して欲しいって事だと思うよ。」

「あ、そうか、だから呼ばれたんだっけか」

「だからあんたは呼んでないっての」「いいじゃねーかごるぁ!」

「そんな事言ってないで五つ目の選択肢を考えないと…」

『佐藤ほっとけよ』と言おうとして思いついた。

「一つ閃いたんだけど、五つ目の選択肢は平和を乱すってのはどうかな?」

「どういう意味?」

「つまり、僕たち特進クラスはハッキリ言って他人をかまってる暇なんて無いんだよ。課題が無い分授業内容はかなり厳しい。予習復習にすごくウェイトを取られるんだ。」

そうそう、という感じで吉村かおりはうなずいている。

「おまけに、この前までは宿題の山だった。だから、みんな森崎さんがどんな人間だったかなんて考えもしなかった。」

「会話も無かったし、みんなピリピリしてたよね。」

「という事は、森崎洋子に興味を無くせば誰もちょっかい出さないって事か。」

「そんな事できるの?」

「面白そうじゃないか、俺も混ぜてくれよ。」

意外な人物が現れた。

「あの件での話し合いだろ?」と言って気軽な感じで話しかけてきたのは阿形幸一だった。

彼は僕たちのテーブルの後ろで一人で座っていた。

いつからいたんだ…

「あんた、何?何ちゃっかり聞いてんのよ。もしかして…ストーカー?」

「まいったな、ファミレスで勉強するのは俺のやり方だ。お前につべこべ言われたくないんだけど?」

そりゃそうだ、出会い頭にストーカーはさすがに酷い。

「それより真田、お前面白そうなこと言ってなかったか?」

まだ言ってない。

「でもまあ、阿形なら大丈夫か。」

「おい真田、紹介しろよ、そのイケメンは誰だ?」木村和義が尋ねる。

恐らくお前が聞いたらムカつくぞ。と思ったが普通に紹介する事にした。

まず阿形に木村、佐藤ペアを紹介してそれから彼らに阿形を紹介した。阿形は僕の横に座った。

そのおかげでコの字形のテーブル席で吉村かおりが『お誕生日席』に来てしまった。が、それはどうでもいい事だった。

「医者の息子?しかも成績はあの学校でトップ?しかもイケメン?かー!とんだムカつく野郎がいたもんだ。逆に俺は清清しくおもうぜ。」

「すいぶん変わってるな、お前の友達…」

「ああ…根はすげーいい奴なんだ、言葉遣いは悪いけどさ…」

「で、続きを教えてよ。」意外に佐藤夕子が乗り乗りだ。

「ああ、僕たちで何か学校で事件を起こせないかと思ったんだよ。つまりは森崎さんに向いている注意を事件に向けさせるって事なんだけど。どうかな?」

「いいなそれ、面白そーじゃねーか。」

「ああ、俺もそう思う。」

「で、具体的に何か考えがあるの?」

今閃いたかばかりで、かなり雑な案だが頭でまとめるより先に言う事にした。

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2010年1月26日 (火)

青春ごっこ ⑩屋上

放課後、僕と森崎洋子はまた屋上にいた。

帰ろうとしていたときに彼女からポケベルに連絡が入ったからだ。

『ベンチにきて ようこ』

と入っていた。僕は屋上だとすぐに分かったが、場所が場所だけに急いで行った。

今度は前とは逆に僕がフェンス側、彼女がベンチ側にいた。パンパンの鞄は足元においてあった。

森崎洋子の鞄は最近いつもいっぱいになっている。教室の机、ロッカー、下駄箱。

彼女の目の届かないところには必ず心無い嫌がらせがされていたからだ。

はじめのうちはロッカーや下駄箱を掃除したり、クレヨンでかかれた文字を消したりしていたが、切りが無いので最近はそのままになっている。

「どう?私慣れてるでしょ?」

その言い方は皮肉にも聞こえなかったし、悲しげでもなかったが、その淡々とした喋り口に逆に僕の心が縛られるように痛かった。

「どうして、こんな事になったんだよ。」

「知らないわ、でも時間の問題だったのよ。覚悟はしてたわ。」

「誰が…どうして、あんな事するんだろう?僕には考えられない。」

「そんなの私もよ。でも…みんな不安なんだと思う。」

「不安?」

「そうよ、だって私たちにはみんな未来があるけど、それって保障なんてされてないでしょ?」

「明日死ぬかもしれないって事?」

「そういうことね、でも死なないかもしれない。」

「そういう見方をしたらいつも確立は1/2じゃないか。」

「でも、身近に殺人者の身内がいたら?」

「君は殺人者の娘じゃない!」

「一般論よ。だって、真田君やクラスのみんなみたいに事情を知ってる人なんて居ないのよ。犯罪者の娘なんて、危なっかしくて傍に居て欲しくないに決まってるわ…」

僕には返す言葉が無かった。黙っていると彼女は話し始めた。

「この前ね。お父さんの拘置所の遺品が送られてきたの。その中に私とお母さんに宛てた手紙が何通も入ってたの。ずっと読んでなかったんだけど…昨日読んだの。

最後の手紙、お父さんいつ自分が殺されるか分からないけど、『苦しめる事しかできなかった自分を許して欲しい』とか『私の血の繋がった家族の顔を見たい』とか『死んで、お前達を苦しめた罪を償うよ』って書いてあって…」

僕はハンカチを差し出したが、

「いい、持ってる」

と断られた。あのハンカチだった。

「私ね、ずっと手紙を書いてたの。でもね、前の小学校の時は手紙からバレたみたいで、それからお母さんがもう手紙は出しちゃ駄目って…」

引越しを余儀なくされたと聞いている。

拘置所からの手紙は検閲の印が付いているらしい。実際に見たことはないが、それを知っている郵便局のアルバイトとかから漏れたのかもしれない。

「でもね、私は秘密で出してたの。返信はさすがに駄目だから、住所は書けなかったけど…

高校生になったよ、今度の学校は制服がブレザーなんだよ。友達ができたよ、宿題が多いんだよ、学校毎日楽しいよ。

本当はお父さんに会いたかったんだ…でも一方的に出すだけだから、届いてるかどうかも分からなくて…だからもし、私の手紙を読んでくれてなかったらと思ったら怖くて読めなかったの。」

「お父さんは読んでくれてたの?」

「うん、手紙には書いてあった…でも、その手紙には切手が貼って無かったの。住所が分からないから当たり前なんだけど。それを見たら悔しくて…」

この親子は、当たり前のコミュニケーションが許されなかった。

自分の家族と特に娘からくる手紙に返信さえできないというのは、どれほどの無念だっただろうか。

それでも手紙を書き綴ったのは、刑が執行されたら読んでくれると思ったからに違いなかった。

僕は森崎洋子の隣に座った。

いつの間にか僕は彼女よりも背が高くなっていた。ほんの少しだが。

さっきまでは向かい合っていたけど、今は隣り合ってお互い前を向いている。

「こんなの、辛いよな」

「…本当はね、慣れてなんていないの…」

クラスで説明する時も『慣れてるから』と言っていたがそんなものは慣れるものではないと思う。

「いつも怖くて怖くて、酷い事言われるんじゃないかとか、されるんじゃないかとか、明日はもっと酷くなってるんじゃないかとか…知らない人でも私を知ってて…毎日本当に怖い。」

「堂々としてて、とてもそんな風には見えない。」

「そう見えた?演技なのよ。本当はいつバレるか毎日ビクビクしてたし、泣きたくて泣きたくて…でもね、耐えられないからって泣いても何も変わらないんだよね…」

確かに泣いたからといって他人の見る目が変わったりはしないだろうが、

「そんなに割り切って考えられるものなのか?」

「言ってみたけど無理」と言って困ったように笑った。

いつの間にか夕方に近くなっていた。

「何かあの時みたいだ。」

「あ、修学旅行の時の事思い出した?」

「うん、一緒に苦い思い出もね。」

「ふふふ、あの時のこと、よく憶えてるよ。」

「僕は忘れたくても忘れられないよ、本当、今のところ人生最大の出来事だよ。あれは。」

「真田君…」

と言った森崎洋子の顔は切なそうな笑顔だった。

「私もだよ…あの時よりももっと真田君の事が好き…2年間ずっと知らない振りをしてきたから、もう信じてもらえないかな…

本当は迷惑になると思ったから、もう二度と言わないでおこうと思ったの。

でも、あなたを前にしたら…最近は『学校での森崎洋子』を演じ切れないの。真田君の前では本当の自分でいたい…」

「僕も、僕も森崎さんの事、あれからもずっと…」

「でも、駄目なの。やっぱりあの子は裏切れない…」

どうして、どうしてなんだ。訳が分からない。

「僕はそいつに勝てないのか。もう2年も経つのに。」

「そういうんじゃないの、私は真田君が好き。でも同じくらいあなたが好きな人がいるの。その子も私にとっては大切な人で、絶対に裏切れない…」

「僕の事が好きな子がいる…女の子?」

そんなの聞いたこと無い。こんなチビ男、そうそうモテるものでは無い、成績も特進クラスでは中の下だ。運動もそれほどできるわけではない。

「そう、だから私はその子に譲るの。犯罪者の子供だもの、我慢するわ。」

「そんな言い方しないでくれ、じゃあ僕の気持ちはどうなるんだよ。僕は…」

「それでもお願い、お願い…」

と言ってハンカチを握りしめている。

悔しいけど、今ここで言えないらしい事は良く分かった。

「わかったよ、でもこれだけは言わせて欲しい、誰が来ても僕の気持ちは変わらないと思うよ。」

「そんなの、分からないわ、その気持ちに気が付いていないだけかもしれないじゃない。」

気が付いてない?そんな事あるはずない。

だけどそれ以上は言えなかった。

今日は森崎洋子一人を残して帰るのが嫌だったので、二人で屋上を出た。

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2010年1月25日 (月)

青春ごっこ ⑨発覚

次の日から3日間森崎洋子は学校には来なかった。

彼女のポケベルにメッセージを入れたら、

『おそうしきをしてくれるおてらがみつからない』

という事だった。

死刑囚の葬儀となると、断るお寺が多く、なかなかつかまらないのだという。

最終的には、父親の友達だった遠方の住職に供養してもらう事になった。葬儀はかなり質素なものになったという。

彼女の父親は冤罪だったが、世間ではただの死刑囚、罪を犯した人間だった。

住職はとてもいい人だったらしく、遠方だったにもかかわらず、事情を話すと快く受け入れてくれたらしい。仲のいい友達だったらしく、住職も無念だと言っていたと後に彼女は言っていた。

そして、それから数週間後、恐れていた事が起こった。

森崎洋子の父が犯罪者だという噂が広まったのだ。

はじめのうちは、些細なものだったが、どんどん尾ひれがついて完全なデマが流れ始めるまで時間はかからなかった。

とは言え、特進クラスはそんな噂に対して冷ややかなものだった。第一に宿題がないとは言え、勉強が忙しくそんな事にかまっていられない事が挙げられるが、

2年クラスについては1年3年と比べて内容が違った。

そう、吉村かおりの存在だ。

正確に言えば吉村かおりのきっかけで、2年クラスについては彼女の擁護に回ることになった。

「どうして、こんな根も葉もない噂が流れるのよ!」

バンと机を叩いて吉村かおりがまた立ち上がった。

「でも、根も葉もないって何で言えるんだ?それこそ根拠を示せよ」

阿形幸一だ。

吉村かおりは阿形を睨んでから言った。

「ああ?阿形君、いい、森崎さんはね、こんなにそっけなくてプライド高そうで、言う事もきつい感じだけど、人様に顔向けできないような事をするような人じゃないのよ!」

「だからその根拠は何だつってんだろ?!」

「それは…それは私よ!私は中学校の時から彼女と一緒だったのよ、同じクラスになったこともあるし、今も仲良くしてる。私には持ってないものを持ってる。

人はね、コミュニケーションによってお互いを知る事ができるのよ、それぐらい論文の苦手なあなたでも知ってるでしょ?」

「話にならないな、言ってて分かってんだろ?感情論の域を出てない事ぐらい。論文の苦手な俺でも充分それぐらいは分かるぜ。

いくらお前のいう事でも、これだけ噂になっちまってんだ、何か根拠があってもおかしくないと思うのが普通だろ?クラスの全員がそう思ってると思うけど?

どうなんだよ、森崎?」

「どうって?私はその質問にどう答えたらいいの?」

「この噂に根拠はあるのかって事を答えたらいいんだよ。」

「噂はあくまで噂よ。信じるのも信じないのもその人次第だと思うけど?」

また。森崎洋子はいつもこういう感じで話をする。

「じゃあ、俺たちはお前が何もやってないって信じていいんだな?」

「当たり前じゃない!何言ってるの?私たち17歳よ?お酒もタバコも車の免許も駄目なのよ?一体何ができるってのよ!」

吉村かおりが興奮して答える。

「お前に聞いてねえよ。」

「ちょ、ちょっと、待ってくれたまえ…一体噂って?き、君たちどのこと言ってるんだ?」

斉藤敬一が三人の間を割って質問する。

「俺が言ってるのは、麻薬の売人やってるとか、売春したり、制服売ったりしてるって事だ。」

「セクハラ…」

吉川麻耶、吉村かおりの前と森崎洋子の後ろに座る人物がボソボソと言った。彼女は引っ込み思案だ。森崎洋子とは別の意味で人と接するのが苦手。森崎洋子とはそういう意味で仲が良い。

「何だって?ハッキリ言えよ!」阿形幸一は珍しく苛立っている。

「まあまあ、で、吉村が聞いている噂って?」僕が抑えに入る。

「私が言ってるのはもっと始めの方に出回った方よ。お父さんが殺人犯で服役してて自殺したとか、森崎さんも犯罪を手伝ってたとか、だから本名じゃない、とかよ」

「どっちもどっちだな…」どこかから声がしたが誰のものかは分からなかった。

とは言え、出回っている噂は二人の言っているのが大筋だった。

吉村かおりは少し冷静になったのか

「ねえ、森崎さん、私たちは何でこんなに言い争ってるか分かる?」

と言って吉村かおりと森崎洋子はしばらく目を見合って黙っていたが

「…分かったわ。」

と森崎洋子が自分達家族のこれまでの生い立ちを話した。僕に話してくれた時は感情を表に出していたが、みんなに話すときは、2度目とあってか、淡々といつものように話していた。

実に淡々としていた。

が、僕にはそれが逆に痛々しく感じられた。

クラスは静まり返り、一人の女の子の話す声をただ聞いていた。

「なにそれ、日本の警察って…法律って何なの…」

吉村かおりは言葉が無いようだった。

「葬式の時に聞きまわった時が怪しいな、そこから情報が漏れたか。」

「冤罪なんてテレビの話だと思ってた…」

「噂は噂か、信じないほうがいいんだな。」

「おい、誰か、東大法学目指してるやついたよな、こういうのを許さないようにしねーといけねーぞ」

「それを言ったら官僚もそうだろ!、法律作るんだから。」

「国会議員じゃねーの?」

とガヤガヤしてきた。

「とにかく!みんな、根拠が分かったんだから、あとはこのクラスで森崎さんを守るのよ!」

「お前に言われなくても俺たちはそのつもりだ」阿形幸一が言った。

「みんなありがとう…」

その声に全員が安心しはじめた。

森崎洋子は下を向きかけていたがまた前を向きなおした。

「でも、私はできればみんなには何もして欲しくないわ。」

「何でだよ」

「強いて、して欲しい事といえば、さっき私が喋った内容を他の人に漏らさない事ね。」

「俺たちが信用できないって事か?」

「信用できないなら内容も話さないわ。こうやって話してくれるだけでいいって言ってるのよ。他にできる事なんて無いわ。」

全員が静まり返った。

確かにそうかもしれなかった…

「これだけ噂が広がったら、俺たちでできる事なんて限られてくるよな。」

「何もできないに近いか…」

「保留よ!」バンとまた吉村かおりが立ち上がった。

「今日はとりあえず、みんなが森崎さんの見方になるって事が決まったんだし、具体的に何ができるかなんて知らないけど、とりあえず私たちは森崎さんに何もしないって事でいいんじゃない?」

「そのうち、俺たちにもできる事が見つかるかもしれない…か。確かに、誰が中心になって噂を広げてるかも分からないし、もう既に一人歩きしてるしな。」

「じゃ、今後の課題ってことで、今日は解散。いいよね?」

「え…うん。私は…別に。」

森崎洋子は関与しないで欲しいと思っているはずだったが、ここを押し通してしまうのが吉村かおりだった。

そして、特進クラス2年については森崎洋子を守る。という事になった。

実際には何もできないが、彼女にはいくらか支えになったはずだった。

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2010年1月24日 (日)

青春ごっこ ⑧真実の判明

驚いた事に、この結束は、新設校という事もあるかもしれないが、宿題の撤廃まで走り続けた。

学校側は課題の縮減に、能力の低下と家庭での勉強習慣の断絶を挙げたが、

そんな事は無いというのが全員の意見だった。彼らには目標があったからだ。

多少卑怯だとは思われるが、特進クラスの生徒たちは、宿題の撤廃をしない以上、授業に出席しないという強引な条件のやり取りで、最終的には宿題の撤廃をモノにした。

もちろん中心になっていたのは吉村かおりだった。

宿題の撤廃後、クラスの成績は下がるどころか全体的には上がった。自主学習に時間が回せるようになったからだった。

今までは、課題の多さで苦手なものをカバーしているような感じだったが、今は自由。

参考書もできるし、得意をもっと伸ばすこともできる。時間のかかる苦手にはそんなに触れなくてもいいようになった。

そんな中、彼女はクラスの中心的な存在となっていた。

次第にクラス仲も良くなっていった。

2年生になったが、クラスを辞める人間もいなかった。

「何かすごいよな…あいつは。自分の思う状態にクラスを持って行っちまう。何だろうな、あのパワーは。」

僕と森崎洋子は屋上にいた。

二人でここにやってきた訳ではなかった。

最近暖かくなってきたので、食堂でお昼を食べた後は、僕はいつも屋上に来る。この日はたまたま森崎洋子が来たのだ。

僕はベンチ、彼女はその先にある10メートルぐらいあるフェンスに、こっちを向いてもたれていた。

屋上に吹く風が彼女の長い髪を軽く揺らしていた。

「そうね、私には無理ね。あんなにたくさんの人と対峙するなんて、あの子にしかできない事よね。」

「おかげで僕は辞めなくてすんだよ。」

「私もよ。あの子が私たちよりもほんの少しだけ気が短くて、すごく前向きだったから、辞めなくて済んだのよ。」

「でもあいつは、自分の為にやったと思ってるんだろうな。」

「それでいいんじゃない?実際そうなんだろうし、みんな自分の為になるから動くんだよ。すごいのは、そんなみんなのやる気を起こす事。それが、あの子の一番素敵なところだと思わない?」

「そうだよな、今じゃあいつはクラスの中心だ。」

「中心がいい子だから、クラスも良くなるのよ。」

「ところでさ、前から聞きたかったんだけど、何で女子アナも大変だなって言ったら怒ったんだよ。なりたいんじゃなかったのか?」

さっきまで機嫌が良さそうだったが、急に普通のテンションに戻った。

「分からないの?」

「秘密だって言ってたから?」

「…そんなんじゃないわ。自分で考えればいいじゃない。」

と言って悪戯そうな目を僕に向けてきた。僕はこの目に弱い。

森崎洋子に見られると考えがまとまらない。

「わ、わかったよ、自分で考えてみるよ…」と、ドギマギ答えるのがやっとだった。

いつものように森崎洋子はどこかに行ってしまうのかと思ったが今日は違った。

「――最近ね、知りたくなかった真実が一つ分かったの。」

と彼女はフェンスの方を向いた。

「知りたくなかった真実?」刑務所の父親関連かも知れなかった。

「そう、私ね、ずっと父は刑務所にいて、服役してると思ってたの。母からそう聞いてたから。」

「違うのか?」

僕はギクリとした。知りたくない真実とはそ、れよりも悪い事のはずだからだ。

「この前ね、お父さんに会いたいって、お母さんにお父さんの刑務所はどこかって聞いたの。そしたら、刑務所じゃなくて拘置所なんだって。」

「刑務所と拘置所とどう違うんだ?」

その質問に森崎洋子はこちらに向き直った。

「…刑務所はね、犯罪を犯した人の刑を執行する場所よ。」

「拘置所は?」

「…罪が確定してない人、確定したけど刑務所が決まってない人、裁判中の人…」

「え?じゃあ?お父さんは罪が確定してなかったの?」

「違うの、まだ続きがあるの。拘置所には…死刑が確定した人もいるのよ…」

「え?…てことは、森崎さんのお父さんは…」

「…昨日ね、遺体を引き取りに来て欲しいって…」

「そんな…家族には何も知らされないのかよ?」

「そういうもんなんだって…この前、総理大臣が変わって、法務大臣が変わったじゃない?変わる前に死刑執行の書類をつくるのが慣例なんだって…」

僕には継ぐ言葉が無かった。

「でもね、悲しくないのよ。お父さんが死んだのに、私、死んだのに、悲しく無いのよ。

お母さんは泣いてたのに、私は、涙も出なかったの…今日もこうして普通に生活してるのよ…私、こんなだから、少し変だから悲しくないのかな?」

と言いながらも森崎洋子は大きな目から涙を流していた。

僕は言葉が出なかったが、代わりにハンカチを差し出した。

「いい、持ってる…」

と取り出したのは修学旅行の時に僕が彼女に渡したやつだった。が僕は黙っていた。

「こうやって、涙が出てるのは、父親が死んでも涙も出ない自分に対してなの。私ってそんな人間なのよ。」

「そんな事ない…そんな事ないんだよ!」

やっとそう捻り出した僕は森崎洋子の両肩を掴んでいた。

何でだ、何でそんな事言うんだ。どうして自分を責めようとするんだ、どうしていつも自分が悪者になろうとするんだ…

「僕は知ってる。君は、誰よりも繊細で、不器用で、やさしい子なんだよ。僕は知ってる!」

掴んだ手に思わず力が入ってしまった。

「痛!」

「ごめん…」僕はその一言で冷静さを取り戻した。

掴んでいた手も離した。修学旅行の時の記憶が甦ってきていた。

「私は優しくなんかないわ。本当にやさしいのは真田君や吉村さんよ…そうやって、人の為に泣いてくれる子なんて、現代にはほとんど居ないわ。」

今気がついた。水滴が僕の頬を伝っていた。僕は急いで袖口でそれをぬぐった。

「そんな事ない。君は、まだ頭で受け入れきれてないだけなんだよ。いきなり事実を突きつけられたって。誰でもすぐにはそんな事、受け入れられないよ…」

物事が突然で、衝撃的であればあるほどそれは無理だ。

僕はそれについては既に経験済みだった。最も、物事の重さは全く違うけど。

「…そう、なのかな?…」森崎洋子は少し落ち着いたように見える。

「そうだよ。受け入れるには唐突過ぎたんだよ。」

実際、僕は第三者でしかなかったが、それでも死刑囚は死に際に家族に会えないという事を知ってかなり動揺していた。

森崎洋子の父親は冤罪だと聞いていたから尚更だった。

こんな事ってあるのだろうか。

何の罪もない人間が捕まって、裁判で死刑宣告。あれから6年半という月日が経っていたが、それまで死の恐怖に怯えながら、最後は家族とも会えずにその人生を終える…ひっそりと。

何もしていないのに。

自分の娘と公園で遊んでいただけなのに…こんな事があっていいのか。

テレビをあまり見る方ではないが、それでも森崎の父親の死刑が執行された事なんて昨日のニュースでは全く出ていなかった。

それどころか、死刑執行がこの日本で普通に行われている事を今日始めて知った。

そんな事を考えていると、昼休み終了前のチャイムが鳴った。

「あ、戻らないと…」

うつむき加減の森崎洋子の目はまだ泣き腫れていたが、それには気がつかない振りをして僕は歩き始めようとした。

と、上着の裾をくっと引いて来たのは森崎洋子だった。

「待って…もう少しだけ一緒にいて…」

押し殺したような声だった。

下を向いていたので顔も見えない。

「…うん。」

それで正解かもしれなかった、顔を見たら僕は、森崎洋子を、あの時のように抱きしめてしまうかもしれなかった。

胸が張り裂けそうな思いだった。

僕たちは二人、ベンチに座ってただフェンスの方を見ていた。

その先には眺めのいい景色があったし、空は青く風も気持ちよかったが、そんなものも見えなかった。

ただ二人で前を見ていた。

次のチャイムが鳴るまで…

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2010年1月23日 (土)

青春ごっこ ⑦やる気編

冬休みが終わった。

高校生活こんなに勉強ばかりでいいのかと思ってしまう。

なまじ中学校の時に勉強を頑張ったばっかりに大変な高校に来てしまったと思ったのは、大型休みとそれに反比例した課題の山を見たときだった。

これは、真面目にやってられない。

特進クラスには毎週末にテストが義務付けられていた。

僕は毎日授業の復習と予習をしているが、それでも全く追いつける気がしなかった。

本当はここで夢の存在が後押ししてくれたりするのかもしれないが…

夏休み、木村和義たちと海に行ったときに言われた一言だった。

「お前、先生になるんだろ?そんなのどこの大学だってなれんじゃね?偉い大学行ったら官僚とか国会議員とかになんないともったいないぜ?」と言われた。

盲点だった。

先生の先生になる事はまだ森崎洋子にしか言ってなかったが、先生になりたいということは周知の事実だった。

しかし、それにはいい大学を卒業しないといけないと思い込んでいたが、良く考えたらまず先生になって、誰もが認める教育ができるようにならないといけないと気がついた。

肩書きも多少は大切だが、それ以上に経験と実績の方がよっぽど大切なのではと考えるようになってきた。

『東大を目指すという事自体は意味無い事なのかもしれない、それよりも、みっちり教育について学ぶことのほうが大切なのかもしれない』

そう考えると、有名どころは他にも新宿にある大学とか、京都にある大学とかもある。

有名どころじゃなくてもいいかもしれない、教育についてとても造詣の深い先生の下で学べるならどんな三流大学でもいいのではないか。

それからというもの、僕は東大を目指すのは辞めてしまった。

確かに東大ブランドはいい。その誉れ高き名声はどんな人間も一目置いてしまう。

でも教育者としてはそれでいいのか?

教える人間が東大出、それで本当に多くの生徒達が自分の教育を受け入れてくれるのだろうか。

結局は親たちを引き寄せるだけではないだろうか。

子供達は高学歴の人間のする事は理解できないと蓋をしめてしまわないだろうか。

あくまで、僕の頭の中で考えた事だったが、それはどうにも歯止めがかからなかった。

そして、僕は「誰よりも…」という考えから「何とかクリアできれば」と思うようになった。

成績も面白いもので、そう思った瞬間から見る見る落ちていった。

始めこそトップに近かったが、今ではクラスでも真ん中かそれより少し下だった。

それでも、何とかこの位置をキープできれば、としか考えられなかった。

そう考えるようになってからは無味乾燥な毎日から、少しだけ開放されたように思われた。

吉村かおりは相変わらず学級委員をしている。

この特進クラスで立候補した彼女をみる視線はとても冷たいものだった。

学校内では特進クラスは校舎が分かれていて、普通科、商業科、工業科については本館、特進クラスは別館で勉強していた。

新設2年目の今年、別館を使用しているのは80人にも満たない特進クラスだけだった。

開設当初は1年生も2年生ももっといたのだが、半年も経たないうちに半減した。勉強についていけなくなって辞めていったのだ。

図書館もかなりの蔵書があったが、別館にある為、使用しているのは特進クラスの人間だけだった。

たまに本館に行くと「エリートクラス」とか「坊ちゃんクラス」とかひどい時は「お飾りクラス」や「引きこもり大臣クラス」と言われたりもした。言っている人間が元特進クラスだったりすのが切なかった。

それは、まだ大学合格者がいないからだったが、新設高校が避けては通れない道なのだから、それは言わないで欲しかった。

吉村かおりは

「なによ、仕方ないじゃない!あと2年待ってなさいよ!いいとこ受かってやるからさ!」

とか言い返していた。

それは火に油を注ぐようなものなので毎回僕は彼女を連れて逃げていた。

何度説明しても

「そんなの、侮辱していい理由にはならないわ!私たちだってちゃんとやってるんだもん!ムカつくじゃない!」

と毎回似たニュアンスの事を言う。

私立で学費が高いのは特進クラスのせいだと言う奴らが多い。図書館の事や講師陣の事を言っているのかもしれなかったが、僕たちに言うのはお門違いだと思う。

まだ受験の資格すらないのだから。

まだ不満はあった。

席替えと言う概念が全く無いのか、入学してきた日のまま机の順番は変わっていなかった。吉村は一番出入り口に近い最後尾だったし、その前の前は森崎洋子だった。

僕の前には斉藤敬一という神経質そうなメガネ君がいたが、そいつがとにかくテスト中もうるさい。

喋っている訳ではないが「チッ…」「チッ…」と舌打ちを繰り返すし、筆圧が強いのか、すぐにシャーペンの芯を折ってはカチカチやったりガリガリと書いたりする。

嫌だったが、席替えをしない以上耐える以外どうすることもできなかった。

特に、思い出せそうで思い出せない問題の時はそれが聞こえると殺意が芽生えた。

上のクラスもそのようだが、うちのクラスはとにかくクラス仲が劇的に悪かった。

楽しくスクールライフを送ったらいいのに毎日毎日、馴れ合う事も無くピリピリした雰囲気の中、高校生活を送っている。誰も声を出せない。そういう雰囲気ができあがってしまっていた。

おもしろくねえ…いっそ辞めちまうか。と思っていたら。

「もー我慢できない、もうすぐ一年が経とうとしているのに何よ、このクラスは!」

と吉村かおりがバンと机を叩いて切り出した。

斉藤敬一が言う

「き、君な、何だよいきなり、し、静かにしたまえよ。」

お前が静かにしろよ!と言いたかったが黙っていた。

「何よあんた、名前は何ていうのよ!」

もしかして学級委員なのに知らないのか?

「さ、斉藤敬一だけど?」

「あんたたちも休み時間なのに何?私たち花の15・16歳の高校生よ?私は女子高生よ!こんなしみったれた毎日でいいの?私たちの青春はどこ?何よこの拷問みたいな量の宿題!」

え?宿題?て言うか斉藤敬一の名前は聞いておいて触れないのか。

「おかしいわよ、こんなにあったら遊べないじゃない!それに本当に宿題=受験勉強なの?こんなやらされてる感丸出しの勉強なんて頭に入るわけないじゃない!

私たちが他の科の子らになんて言われてるか知ってる?『引きこもり大臣』よ!みんな悔しく無いわけ?

特進クラス?エリート?何よ!こんなのただ居残りさせられてるのと変わらないじゃない!私たちみんな週末のテストに向かってただ勉強だけするだけなんて、こんなの高校生のすることなの?

私は嫌だよ!もっと友達と遊びたいし、好きな人と一緒にいたいし、おいしいものも食べたいし、他の子みたいにカラオケ行きたいし、夜になったら眠りたいし、休み時間は友達とおしゃべりしたい!何よここ、刑務所?」

と言ったところで森崎洋子がビクっとなった。

「つまりよ、お前が言いたいのはここは…特進クラスは嫌だって事か?」

クラスの誰かが言った。

「違うわよ!さっきも言ったけど、特別進学クラス?エリート?笑っちゃうわ、こんなにみんな缶詰みたいになって何がエリートよ。

本当のエリートだったら遊びに行ったり、恋人とデートしたりしててもエリートなのよ!

知ってる?こうやって勉強してる事なんて会社に入ったら何っの役にも立たないのよ。

それに、何でこんなに宿題が多いか考えた事ある?そこの君!」

斉藤敬一だ。可哀想に、さっき名乗ってたのに…

「さ、斉藤だ…し、進学の役にた、立つからだろ、それが、どうかしたのかよ」

お前もすっと喋れ!

「進学?何それ?どこの大学に行くかも何を目指すかも決まってないのに進学の何の役に立つのよ!この宿題親に見せたら何て言ったと思う?

『まあ、特進クラスはやっぱり違うわね。』よ。

この宿題はね、親に対する学校の見栄よ!私たちはね、曲がりなりにもここに受験して入ってきたのよ。授業を聞いたり、ノートを取ったり予習、復習何でもできることはやってきた。今もそう。

充分できてるじゃない、なのになんでこんなに宿題が多いの?問題ができるようになっただけじゃ何で駄目なのよ。復習もちゃんとやって頭に叩き込んでるんだよ。

なのに本当に意味あるの?こんなのただの時間の拘束じゃない!」

吉村かおりの咆哮にクラスは静まり返った。斉藤敬一は口をパクパクさせていたがやがては下を向いた。

「確かにそうだと思う」

特進クラストップの阿形幸一だ。

「確かに、俺もそう思うぜ、東大?そんなの誰が決めたんだよ。俺は親父が医者だから、医学部目指してるだけだ、先公が東大東大言うからそうかなと思ってたけどさ。実際焦ってんじゃねーのあいつら?」

「そうだよ、俺たち今年受験するんじゃねーんだぜ。」

「そーだそーだ!」

「おい委員長!俺たちはお前に乗るぜ!」

「俺も乗るぜ!」

あちこちから声が上がる。

瞬く間にクラスのほぼ全員が吉村かおりの意見に賛同した。

これが、彼女の能力だ。この一見めちゃくちゃな発言が最後にはみんなあいつに賛成していく。吉村かおりこそ国会議員になればいいのにと思うことがある。

冷静にこの展開を見ていたのは森崎洋子と僕だけのようだった。

1年クラスの騒ぎを聞きつけて、いつの間にか2年も見に来ていた。

見に来ていた2年たちも同じように吉村かおりに賛同していた。

2年は1年クラスほどピリピリしてなかったが鬱憤は僕たちの倍以上あった。

誰が呼びに行ったのかこのクラスには特進クラス全員、80名近くが集合して吉村かおりに賛同していた。

さすがに僕もこれ程とは思っていなかったので、この時の堂々とした彼女の佇まいに鳥肌が立った。

仮にも東大を目指す人間達のする事かとも思ったが、今は彼女が正しいのかもしれない。これ程の人間をまとめるのは並大抵の事ではないはずだからだ。

ふと森崎洋子と僕は目があったが、いつものようにきつく振舞ったり、そっけない感じでは無く、

苦笑いとも微笑みとも取れない笑顔でいてくれた。

僕はまたどうしたらいいのか分からずにどぎまぎして彼女を見つめていた。

少しして、森崎洋子は自分から視線を外して、後ろの吉村かおりをまた見ていた。

僕はそんな彼女とその先に映る吉村かおりを見ていた。

斉藤敬一はいつの間にか吉村かおりに賛同する側に回っていた。

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2010年1月22日 (金)

青春ごっこ ⑥修学旅行編(4)

「何か俺たちに言わなきゃならない事があるんじゃないか?」

「えと…まず始めに…待たせたな諸君?」

「ぶぁかか?義足の事だよ!」

「冗談よ、ゴメンなさい、本当にゴメンね。」

「カズ、こいつは人に知られたくなかったんだよ、自分が義足だって事を。不自由だって思われるのが嫌なんだよ。実際不自由じゃないしな。」

「だから、必要以上に言いたくなかったの。これまでもそれで何とかなってたし。」

「そうだよね、走るのもかおりって陸上部並みに早いもんね。何で水泳しないのかと思ったけど。」

「先生には言ってあったからね。」

「俺たちにも言って欲しかったな。まあ、気持ちはわかるけどさ。」

「いいじゃん、もう別に、それにカズ君に言ったら拡声器のように広がるじゃない。」

「確かに、僕もそう思う。」

「ちぇ、何だよ、みんなして。いいけどさ」

「じゃ、私たちはちょっと今から売店でお土産買いに行くから。」

「え?何だよ、俺そんなの聞いてないけど?」

「いいから、行こうよ、ほら!」

と言って木村佐藤ペアは1階の売店へ行ってしまった。

「何なんだあいつら…まあいいけど。」

僕は分かっていたけどそう答えた。

佐藤夕子は気を利かせたというところか、吉村が僕に謝りやすいように。

僕は一応そういうデリカシーは持ち合わせているつもりだ。

「気を使ってくれたんだよ夕子は。」

「そうだろうな。で、地図だけど…僕の分だけ違う地図みたいだけど?」

「あ、やっぱ気づいた?」舌を出してちょっとだけ苦そうな顔になった。

「ほんっっっとうに迷ったぞ!マジで!」

「ゴメンね。ちょっと忙しくて見落としてたみたい。」

「こっからこことこっからここが抜けてんだけど。」と木村和義がやったように指差した。

「うん、終わったことだしさ、もういいじゃない。」

それは僕が言う台詞だ。

「で、怪我の具合は?軽症だって聞いたんだけど?」

「心配してくれるの?」

「バカ、そんなんじゃねーよ。でも一応聞いとかないとな。」

「ふーん…でも死ぬかと思ったよ。マジで!意外と動けないもんだなって。」

「足が取れてたんだろ。」

「いやいや、そんなもんじゃないよ、足がついててもあれは無理だね、かけてもいいよ」

「かけるって何を?」

「知らないよ、とにかく無理って事。」

「前から聞きたかったんだけどさ、お前って何でそんなに頑張るんだよ。」

「何を?」

「今回だってそうだろ?委員長なんかやって、クラスの中心で動いてるし、5班でだって班長してるし、足だって、みんなに知られないぐらい普通に過ごしてるし。どこからそんな力がくるんだよ。」

「答えて欲しい?」吉村かおりは急にまじめな顔になった。

「何で頑張るんだよ。」

「真田くんが先生になりたいのと同じ事だよ。私も普通にしてたいし、普通の女の子として生活したいの、いいえ、普通の女の子以上になりたいのよ。悪い?」

「悪いなんて言ってないだろ?どこからその力が来るのか聞いてるんじゃないか。」

「そんなの!…今の真田くんには分からないよ。」

「分からないから聞いてるんじゃないか。」

「何も考えない事よ!」

「何も…」

「ほら、分かんないじゃない、ただ自分の思うことだけに向かって走っていくの、その時はほかの事なんてどうでもいいの。

それぐらいどうでも良くなるぐらい大切なものがあるのよ、今の私には。」

「どうでもいい割には何でも手に入れようとしているように僕には思うけど?」

「そうよ、大切なものは大きいの。だから、自分の精一杯じゃないと追いつかないのよ。それに、こっちを向いてないんだよ。だから力ずくでこっちに向かせるの。」

吉村かおりの言うとおりだった。やっぱり彼女の言おうとしていることは僕には分からなかった。

「何泣いてんだ?」

「泣いてないわよ、バーカ!」

僕はハンカチを取り出そうとしたが既にハンカチを森崎洋子に渡してしまっていた事を思い出した。

「何ゴソゴソしてんのよ。」

「いや…」

「ハンカチぐらいいつも入れときなさいよね!」

「ゴメン…」

お前も持ってないじゃないかと言いたかったが黙っていた。

吉村かおりは袖で涙を拭いていた。

森崎洋子が睫毛を気にして、人差し指で少しずつ取っていたのと比べるとずいぶんと男っぽい…

「話はかわるけどさ、さっきカズに聞いた話だと、今日はなんとか公園には行かなかったんだろ?明日、変更しないって言っちゃったけど行くか?」

「別にいいよ、私のせいで駄目だったんだし。」

「そんな事誰も思ってないと思うぞ。特に佐藤は自分のせいかもしれないと思ってるかもしれないぞ。」

「夕子はそうかもしれないね。でもいいよ、夕子には部屋で話しとく。」

「その公園には何があるんだよ。歴史的な建物みたいなもんがあるのか?」

「建物じゃないよ、そこには桜の木があるんだよ。樹齢600年とも一世紀とも言われてる桜の木が。

大地にしっかりと根を張って春にはすっごい綺麗な花を咲かせるの。テレビで見ただけだったんだけど、木だけでも見たかったの。」

「ふーん…桜の木があるのか、その公園」

「図太い女には図太い木が良く似合うでしょ?」

「言ってない!」

「その顔は思ってた顔だ!」

「何だそれ?」

「へっへっへ!公園にはそのうち予定立てて行くから今回はいいの!それよりも明日はちゃんと集合しなよ?」

「はは、そりゃお前のせいだろうが。僕はもう部屋に帰るからな!」

「あ!…そう…おやすみ」

一瞬吉村かおりはまだ何か言いたそうな顔をしたが、すぐにいつもの顔になった。

「何だよ、あ!って。」

「何でもないよ、帰れ帰れ!」

「…何だよ分かったよ。」

と言って僕は4階の自分の部屋に帰った。

精神的に疲れてしまっていた僕は、考えるよりも早くそのまま眠ってしまった。

二日目は滞りなく進んだ。

自由行動も予定通りだった。当日の朝、部屋で木村和義と公園まで回る相談をしていたが、次の日からは僕たち5班には長谷川先生がずっとついて来ていたので、予定のコースから外れる事はできなかったのだ。

その次の日も、些細な事から木村和義と佐藤夕子が痴話げんかをした以外は何事も無く僕たちの修学旅行は終了した。

森崎洋子とも、あの後修学旅行中に会うことは無かった。

気まずいので会わないほうが良かったのだけど。同じ班の連中とはうまくいったのか心配ではあった。

旅行中は全く心の余裕が無かった。家に帰ってからゆっくりと修学旅行の出来事の整理をしたが、その時には既に森崎洋子の唇の感触はうっすらとしか思い出せなかった。

それよりも抱きついたときの心臓の鼓動の方が後から印象に残ってきていた。あの時僕たちの心臓は一つに溶け合うような錯覚があった。

森崎洋子。あの後僕は振られたんだ。

その時に言われた事は何だったか、正確な言葉はもう思い出せなかった。嫌な事は忘れるようにできてる人間の特性だろうか。

確か自分には大切な人がいるとか、そんなニュアンスの事を言っていたはずだ。

どんな人間か気にはなったが、その事を考えると力が湧かなかった。

知りたい自分と知りたくない自分で、知りたくない自分の方が完全に勝っていた。

吉村かおりが言っていた力が出るものが、この事ではない事だけは良く分かった。

そして一月。

私立高校受験。僕は余裕で合格した…と思う。森崎洋子は推薦はもらえなかったが、もともと10位以内にいたから合格は難しくなかっただろう。

木村和義と佐藤夕子は3月の受験で公立高校に進んだ。

吉村かおりについては本当に謎だが合格していた。僕と一緒に勉強していたとは言え、ご飯を作ったり、飽きてテレビを見たりしていたのにどうやって合格できたのだろう。

例の大切なものの為に火事場の馬鹿力を発揮したのかもしれない。

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2010年1月21日 (木)

青春ごっこ ⑤修学旅行編(3)

班会議、という名目の自由時間が夕食後に取られていた。明日の自由行動で行くところの変更を話し合う時間のようだが、誰も変更をする気はない。他の班は概ね予定通り回ったようだった。

僕たち5班には班長はいなかった。吉村かおりに何があったのか。

5班のメンバーは僕と吉村かおりと後二人いた。

木村和義と佐藤夕子だ。

僕たちは三人で3階の廊下の角にあるロビーのようになっているところに集まった。

「何があったんだよ、僕には状況が全く見えないんだけど…」

「そりゃそうだろ、かおりちゃんと一緒にいた俺たちでさえ良く分からないんだからよ。」

「どういう事?」

佐藤夕子はずっと下を向いている。

「先生は軽い打撲で済んだって言ってたぞ?」

「知ってるよ、その時には帰ってきてたから。」

「…お前今地図、まだ持ってるか?」

「え?ああ、吉村がくれたやつだろ?」

僕は胸ポケットに入れてある、三回折ってある紙を広げた。そこへもう一枚木村和義が重ねた。

「やっぱりな…」

「ちゃんと説明しろよ。」僕は苛立っていた。

「お前がなかなか来ないから俺たちはお前が来るまで待ってたんだけどよ。その時かおりちゃんは何かそわそわしてたんだ。だから俺が便所か?って聞いたら夕子に叩かれてさ。」

「だって、あんまりデリカシーがないから…」と佐藤夕子は同意を求めるように僕の方をみた。

「知るかよそんなの、ただ聞いただけだろーが。」

「それがいけないのよ。」

「まーまー、それで、吉村は何て答えたんだ?」

「はじめのうちはさ、黙ってたんだよ、だから何からしくねーっつーか、うまく言えねえけど、はっきり言えっつったら急にオロオロし始めてよ。顔色も悪そうだし。

だから、財布でも落としたのかと思ったんだよ、それかホテルに忘れたか。

でもよ、よく考えたら集合場所の三条の辺のバス停までは、本当の自由行動にしてただろ?

だからそこまでは絶対持ってるはずだったんだよな。」

財布じゃないって気づけるのにどうしてトイレかどうかの気遣いができないんだこいつは。

「それで、やっぱりおかしいってなって、夕子がかおりちゃんに聞いたんだよ」

「かおりが言わないときは何か重要な失敗した時だけだからさ、私何かひっかかったの。それで、ひょっとして真田くんが来ないのと関係あるのかも?って思って本人に聞いたらそうかもしれないって言ってたの。」

「それで、俺が、あいつはほっといてもうまくやるから先に行こうぜって言ったんだよ。」

「うまくって何をだよ。」

「とにかくうまくだよ。そしたら、かおりちゃんは自分だけ残るから俺たちに行けって言うんだよ。だから、馬鹿かお前、こんな知りもしない土地で女一人にできるかよって言ったら」

「かおりはしぶしぶ三人で行くのに賛成したの。私も待ちたかったんだけど、何か言うタイミング逃しちゃって…」

チビ男は一人でもいいのか?と思ったが僕は黙っておいた。

「ひょっとしたら回ってるうちに出会えるかもしれない、って言う俺の言葉が心に響いたんだろうな。

そのときには俺はかおりちゃんがお前に違う地図を渡したんじゃないかと思ってたんだよ。見てみなよ、お前に渡したやつ、こっからここ、それとこっからここが抜けてるだろ?

だからお前は予定よりも早く降りちゃってるんだよ終点が違うから。」

得意げに木村和義は言うが誰も反応はしなかった。

「まあまあ、それで、お前を置いて八坂さん清水さん神宮、銀閣と予定のコースを回ったところで大きな道があったんだ…」

「その時にはもう結構かおりのテンションもいつも通りになってたんだけど、私…」

「何か知んねーけど大通りの脇の歩道を歩いてたらさ、かおりちゃん、急に歩くスピードが落ちたんだよ。

それで、夕子も俺と話してたからそれに気がつかなくてさ、前にいたかおりちゃんの足を踏んだらしいんだ。」

「そしたらかおりの足が取れて、かおり、バランス崩して…歩道から出ちゃったの…」

そしてタクシーにぶつかった。

最後の方は震えながら、消え入りそうな声で佐藤夕子は話した。

「…そういうことか…」

恐らく吉村かおりのスピードが落ちた理由は義足がゆるくなったからだろう。足が悪いのを知られたくなかった吉村はいつものように咄嗟にスピードを落としたのだろう…

「それで、俺たちも聞きたいことがあるんだよ。」

「ああ…」

「まず、あれは何だったんだ?義足?だったのか?かおりちゃんは。」

「そうなんだ…あいつは小学生の時に事故で右足の脛から下を切断したんだ…」

この期に及んで隠しきれない。

しばしの沈黙の後、木村和義は答えた。

「…そうだったのか。全然知らなかった…」

木村和義が言った後は、また沈黙が続いた。佐藤夕子も木村の言葉に強くうなずいただけだった。

沈黙を破って木村和義は話し始める。

「まあ、軽い打撲だけで済んだから良かったと考えた方が良かったんじゃねー?」

「…そうだよな、あいつ運動してたからそれが幸いしたのかもしれないな。」

「夕子なんて本当、さっき長谷川に聞くまではずっと泣いてて大変だったんだからな。」

佐藤夕子は苦笑いをしている。

「…それでお前、何で森崎と一緒だったの?」

僕はドキリとした。それと同時にさっきまでの記憶が甦ってきた。

あの甘い感触とショックな出来事が、ごっちゃになっていて、吉村かおりの事も加わって僕の中ではまだ整理など全くできていなかった。

僕は頭の中で二人のやりとり以外のことを何とか取り出す事に成功した。

「森崎さん、実は今のクラスでいじめられててさ、それで一人にされてたんだよ…」

「…そりゃ女だな、男どもは見て見ぬ振りか?」

僕と同じ事を考えているようだ。

「知りたくないから見てないってさ。」

「かおりが聞いたら悲しむね…」

「ああ、俺たち2年4組は3年になってほとんど2組と5組に分かれたけど、3組に行った女子は森崎だけだもんな…あいつ誤解されやすいからな。」

「知ってるの?」

「ああ?んなの見たら分かるじゃねーか、傷つきたくないから来ないで、って感じだよ。」

「へぇ、そうなんだ…私、正直怖くてあんまり話せなかったんだ…今度話しかけてみようかな…」

「それで?森崎は道に迷ってたのか?」

「僕が出合ったところでは大分歩いてきてたと思う、偶然人気のなさそうな寺で出会ったんだよ。まあ、通り過ぎようとしてたのを僕が見つけて声をかけたんだけど…」

「それで?」

「それでって?何だよ。」

「お前森崎の事1年の時から好きだって言ってたじゃんか。告白でもしたんじゃないのか?

なかなか無いぞ?そんなシチュエーション、何せ修学旅行だからな、みんなテンション上がりきってるだろ?森崎だって例外じゃないだろ?」

「ええー?そうなの?真田君…」

「…あのな、いじめられてて修学旅行なんて楽しみにできるのか?それに、木村、お前口が軽くなってるぞ?」

と言って佐藤夕子を見てからまた木村和義を見た。彼は「しまった」みたいな顔をしたが、すぐに元に戻った。

「何もなかったのかよ?」

「うるせー、僕たちはそんなんじゃないんだよ。あいつには他に大事にしたい人がいるんだよ。僕の出る幕なんかなかったんだよ。」

「振られたの?」

どう答えたらいいのか分からなかった。嘘や余裕の振りでで覆い隠せるほどこの話題について整理なんてできていなかった。

そうしているうちに沈黙が答えになってしまった。

「ま、その、あれだ、気にするな。あいつは背がお前より高いし、他に同じくらいの女子はいっぱいいるし…たぶん、森崎とは運命じゃなかったんだよ」

「ちょっと、カズ君、慰めになってないよ」

「…いいよ、別に、まだショックとかそれ以前の感じだし…」

本当のことだったが、二人には強がりに聞こえたかもしれなかった。

また沈黙が訪れた。

その沈黙を破ったのは意外な人物だった。

「パラララッパパーン!パッパッカパーン!!忍者、吉村かおり、只今参上!ははは、暗いね君たち!ははは。」

廊下の向こう側から果てしなく空気の読めない声が聞こえてきた。

担任に連れられて吉村かおりが帰ってきていた。

「誰が忍者だ」木村和義がすかさず突っ込んだ。

「へへへ、ゴメン…」吉村かおりは僕たちに向けてペロっと舌をだした。

「奇跡的に軽い打撲だったんだ。今回は義足が取れたから起こった事だとは思うが、自分は障害を持っていることを忘れないようにしてくれ。次はこうはいかないかもしれなからな。」

「はい」と僕たち4人は短く返事をした。

「とりあえず、今回ははめを外したわけでは無さそうだから、長谷川先生には先生から不問にしてもらうように言っといたから、明日は予定通りしたらいいからな。」

「はい、ありがとうございます。」

本当に僕と森崎の件は不問のようだ。吉村かおりの件は確かにインパクトが大きい。大事の中の小事と言ったところのようだ。

ついでに先生に明日は予定通り行動する事を伝えた。

担任は分かったと言って下に下りて行った。

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2010年1月20日 (水)

青春ごっこ ④修学旅行編(2)

そう思ったときには僕は森崎洋子を抱きしめていた。

体が勝手に動いていた。自分でも驚きだ。

彼女は細身で、僕の短い手足でも充分包み込めた。

この子はこれまで3年もの間、こんな細い体で一人でいることを選択していたのか。

人を遠ざけて、誰にも頼らずに…

顔を上げると森崎洋子の息がかかるほど顔がすぐ近くにあった。

気がつくと彼女の手も僕の体を抱いていた。

僕はそのまま顔を近づけていった。

やわらかい感触、唇が触れ合っている。

人生で初めての口付けだった。

僕の頭は真っ白になりかかっていた。僕が森崎洋子の支えになってあげたい。

僕を抱いている森崎洋子の力はさっきよりも緩くなっていた。

そして、どちらからともなくどちらも手を離した。

彼女の目からは一筋の涙が音も無く落ちた。

と同時にまたうつむいてしまった。

「どうしたの?」

「ううん、ごめん。」

僕のハンカチで顔を拭いた森崎洋子はさっきよりは幾分元気な様子だった。それをみて僕は安心した。

「戻ろうか?」

「うん、帰る場所分かるの?」

「当たり前!じゃなきゃこんなに余裕ないって。」

「そう、私はてっきり真田君も迷子なのかと思った。」

「失敬な、はぐれはしたけど断じて迷子じゃない。いいかい…」

と言って、今から帰る道順を説明した。

「な、こうすれば帰れるだろ?」

「そうね、ギリギリ迷子じゃないって認めてあげる。」

「…いいけど、まだ自由時間内だけど、吉村同じ班なんだ、あいつらが心配してるかもしれないから、一応、先生ん所に連絡しとくか?」

「そう…そうね。真田くんと吉村さんは同じ組だったよね、そういえば。」

「ホント、腐れ縁だよ。…あのさ、僕」

と言ったところで遮るように森崎洋子は話し始めた。

「この前は、ごめん…」

「え?」

「傲慢だとか言って、ずっと謝りたかったの、あれから。本当、どうやって受験しようと勝手だよね…真田くんの。」

「まあそうだけど、気にしてないよ、森崎さんのいう事もそうかもしれないけど、立場や見方によってそういうのって変わると思うんだよね。だから別にいいよ。」

「ありがとう…」

そして僕たちは先生に連絡して寺を出た。

先生には、自分達の居場所と帰るまでのルートを説明した。先生達は僕たちが行方不明になっている事を知らなかった。

ということは吉村かおりたちは僕を探し回っているか、自分達だけで楽しんでいるか、あるいはその両方かだ。

僕の方はまだいい、吉村かおりは応用の利く奴だ、楽しみながら探す事だって本当にやっているかもしれない。

気になるのは森崎洋子のグループだ。

「吉村たちはさ、ほっといてもいいけど、森崎さんのグループは?」

「私のグループもたぶん大丈夫だと思う。だって私、暫定であのグループに入ったの。仲のいい子なんて私にはいないから…だから置いてったのかも。」

なんて切ないことをこの子は淡々と言ってるんだろう。自分と同じように多感な時期なはずなのに。

しかし本当に置いていったとなると、女ってのはホントに怖いな。こんな土地勘のないところに14・5歳の自分達と同じ歳の子を一人置いていくなんて、自分達がそうなったらって事は1ミリも考えてないのかもしれない。

「ほっといてもいいのかな?」

「多分気にもしてないと思う。」

「そう…」

二人で京都の道を無言で歩いていく。途中には風情のある建物やお寺、お店や町並みを見ながら歩いた。

ただ歩くだけだったけど、僕は彼女を離したくなくなっていた。

「はぐれたらさ、いけないから手、繋がない?」

「…いいよ。」

会話はあまり無かった。でも二人で一緒に歩く事が僕には嬉しかった。恐らくは森崎洋子もそうだったはずだ。

この時間が長く続けばいいのに…と強く思ったが、それが叶わないのはよく分かっていた。

しばらく歩くと大分にぎやかな所に帰ってきた。もう自由行動の時間は過ぎているので誰にも出会わないはずだが、既に自由行動の範囲内に入っている。

森崎洋子がそわそわしているのが握った手から分かった。

「誰かに見られたらどうしよう…」

「どうするって?何か気になる事でもあるの?」

「真田くんが悪く思われるよ…」

「いいよそんなの、思わせておけば。」

「真田くんがいじめられるわ、私のお父さんの事だってどこから知られるか…」

「いいよ、別にもうすぐ卒業だし。すぐ冬休みだし。」

「でも…」

と言って手を離そうとする。僕はもっと力を込めて一方的に彼女の手を握った。

「いいんだよ、このままで、もう何も無くならない、誰もいなくならない。僕も…」

僕は今までずっと言えなかった事を言おうと決心していた。

「僕は君が好きなんだ。本当はずっと前から、入学式の時にすれ違った時から…2年の時、同じクラスになった時は本当に嬉しかったんだ。」

森崎洋子もきっと受け入れてくれるはず。僕には確信があった。

「私も、真田くんの事好きだよ。いつからかは分からないけど、その真直ぐな目に何度も飲み込まれそうになった。」

「僕と付き合ってくれないかな?」

目を褒められたからという訳ではないが、僕は彼女の目を見ながら交際を申し込んだ。精一杯真剣な顔で言ったつもりだ。

僕の足は細かく震えていた。人生で初の告白だった。いつの間にか両方とも握っていた手も震えていたかもしれない。

それでも、森崎洋子はきっとOKしてくれる。

「私、本当に真田くんの事好きよ。誰よりも好きな自信があるわ。本当よ。でもね、私にはたった一人だけ裏切っちゃいけない人がいるの。」

ショックだった。そんな馬鹿な。

「そんな…どんな奴なんだ」

「きっとその人から見ても私は変わってると思うの、こんなだからね、でも、その人はこんな私も一つの人格としてしっかり見てくれたの。

こうして真田くんと一緒にいられるのも、その人のおかげなのよ。だからその人だけは裏切れない…」

といいながら僕の目を強く見ていた。その目からは音も無く涙がこぼれ落ちた。

僕は握っていた手をゆっくりと下におろした。

「ゴメンなさい…」

そしてまた彼女はうつむいた。

僕は両手で森崎洋子の肩を起こした。

「いいよ、仕方が無い、僕は君の事が好きだ。君が、一方的でも好きな子がいたってそれは同じだと思う。でも、君が忘れて欲しいなら、僕はそうする。」

「…うん、ゴメンね、いろいろよくしてくれたのに。でも、これでいいんだよ。きっと…」

僕はその後を受ける言葉が出てこなかった。

忘れる事が本当にできるのだろうか。

それ以前に、告白をして断られたという事を受け入れ切れてないのに、その先の事について決断なんてできなかった。

まだ、僕の唇には森崎洋子の唇の感触が残っていた…

そのまま立っていると、タイミングよく先生がタクシーで迎えに来た。

ホテル

学年主任の先生がホテルの入り口付近でうろうろと待っていた。

怒られると思っていたが、連絡をしていた事もあってか何も言われなかった。

森崎洋子についても同じだ。

その後すぐに全体集会が行われたが、そこでも何事も問われる事は無かった。

どこかから

「さすが推薦辞退さんは先生も対応が違うよな」

だとか

「女としけ込んでるじゃねーぞ」

とか聞こえてきてたが、どちらも少なからず当たっている事なので黙っていた。

学年主任の先生はホールの舞台上で僕たち生徒に話をしている。

「…最後に、今日事故にあった吉村さんですが、奇跡的に軽い打撲で済んだそうです。いろいろ先生たちで話し合いましたが、残り一日の修学旅行は予定通り行いますので安心してください。」

3年生全体に安堵のため息や、当然だという空気が混ざっているのが分かった。

それよりも気になるのは吉村が事故に遭ったという事だった。

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2010年1月19日 (火)

青春ごっこ ③修学旅行編(1)

集合場所に到達できない僕は地図が間違っているとは全く考えなかった。

何せ、僕だけ違う地図を持っているとは考えもつかなかったからだった。

集合場所では自分の地図と作った地図の違いに気がついた吉村かおりが青い顔をしながらその事を言い出せずに3人で待っていたが、そんな事も全く知らなかった。

僕はどう来たのか考えたが、地図を見ながら帰ったので今度は全く違うところに出てしまった。

余計に訳が分からなくなり、とりあえず歩くことにした。

そのうちに誰かクラスメイトに出会うと思ったからだった。

しかし、歩けどもクラスメイトには出会わなかった。

もう2時間は歩き回っただろうか、疲れた僕は近くのお寺のベンチに腰掛けていた。

ここには大きな地図が貼ってあったので、自分の今の大体の位置が把握できた。

「かなり歩いてきちゃったな。」

そんな独り言を地図を見ながら言ってしまった。恐らくは自由行動の時間以内には帰れそうに無かった。

しかもこのお寺、聞いたこともない名前だ。

すると見た事のあるセーラー服が通りかかった。一人だった。

良く見るとそれは森崎洋子だった。

「森崎さん!」

僕が呼んだ段階では既に寺の門は通り過ぎていたので森崎洋子は目を大きく見開いてきょろきょろしていた。

「ここここ!…」

と言うが早いか僕を発見した森崎洋子は駆け寄ってきた。

「どこ…ここ…」

「○○寺って書いてあるけど?」僕は自分の知りうる限りの情報を出した。

「私…どこから来たのか分からないの…」

顔を上げた森崎洋子の目には大粒の涙が溜まっていたが、僕は気がつかない振りをした。

「…友達たちは?4人で行動してたんじゃないのかよ?」

「分からない、気がついたら私一人になってて…地図を見たけど良く分からなくて…だけど、真田くんが見つけてくれて…」

この状況で自分も迷子だとは言いたくなかった。事実はそうだったが、僕のほうが幾分か落ち着いていたし、何より二人とも迷子だと分かったら、もっと森崎洋子が不安に思いそうだった。

「取りあえず、落ち着こう。」と言いながらも僕の声は上ずっていた。

さっきまで目に溜めてた涙は、何度か人差し指で落ちないように減らしていたがそれでも彼女の気がつかないうちに頬を伝ってこぼれて来ていたからだった。

僕は半分どうしていいか分からなかったが、取りあえず、ベンチに森崎洋子を座らせてハンカチを渡してあげた。

何も言わずにそれを受け取ると

「あっち向いててよ…」

と言いながらこっちを見たけど、その目から更に涙がこぼれたので僕ははっとして向こうを向いた。

しばらくは鼻をすする音が聞こえていたが、5分くらいしてやっと落ち着いてきていた。

知らない土地で女の子一人、よっぽど心細かったのだろう。

「もういいよ…ありがとう。」

「うん…」どう返事をしていいのか分からなかったけどとりあえずそう答えた。

「もう、落ち着いた?」

「うん。」

さっきと逆になった。

「どうして一人で歩いていたの?」

「分からない…」

それから沈黙が続いた。

「私ね…」

突然沈黙を破って森崎洋子が話し始めた。

「私、3年生になってから、クラスのみんなとうまくいってないんだ…」

想像はつく、恐らく男子ではなく女子達とうまくいってないんだろう。

「君はあまり話さないからかな?」

「それは…今までもそうよ。うまくやろうとは思ってなかったし、人を寄せ付けないのはこれまでもそうだった。これまで、誰も私にかまわないようにしてきたの。

でも、些細なきっかけからだと思う、少しずつ嫌がらせが増えていったの。」

「2年までは無かったのに?」

「だって、2年の時はほら、吉村さんがいたじゃない、あの子本当にいい子。そういうの本当に許せないみたいで、明るいし、何だって吹き飛ばすぐらい力強くて…私には無いものを持ってる。」

「そんな大それたものかな?おせっかいなだけだろ?」

「真田くんには近すぎて分からないのよ。」

そんなもんだろうか…

「うまくいってないって具体的にどんな事?」

「そうね、体操服や靴が無くなってたり、ノートが破られてたり、机や椅子に落書きがあったり、プリントや宿題がなくなってる事もあったわ。」

「お前、それいじめじゃんか。悔しくないのかよ!」

森崎洋子はびっくりしたように目を見開いたがすぐに元に戻った。

「ありがとう、君って本当にやさしいね…」

「いや、そんな事…他の奴は?ただ黙ってクラスの男達は見てるのかよ!」

「知らないわ、見てない振りかどうかなんて。こっちも誰が何をやったかなんて考えたくないもの。」

「…平気なのか?そんな事ないだろ?」

「落書きや宿題なんてどうでもいいの、忘れても成績には関係ないし、体育だって、体調が良くないって言ったら休ませてもらえる…」

「でも…」

「それにね、私こういうの慣れてるの…」

「…どういう事?」

「私、中学校に上がる時にこっちに引っ越してきたでしょ?家庭の事情だったんだけど、前の学校でもうまくいってなかったの。」

「家庭の事情?」

森崎洋子は下を向いて少し悩んでから、また視線を僕に戻した。

「私のお父さんの話、した事ないと思うけど…私のお父さんね、今どこにいると思う?」

「知らない、聞いてないし。単身赴任?」

「ううん、私のお父さんは刑務所の中よ…」

ギョッとなった。

「そう、その反応が正しいの。みんなそうなの、だから私は遠ざけられる運命なの。」

「そんな、お父さんは…何をしたの?」

「何もしてないわ…何も。」

僕は自分の額に汗が浮いてきているのを抑える事ができなかった。

「じゃあどうして刑務所なんかに?だって、刑務所って事は罪が確定してるんでしょ?」

「私も知らないのよ。お父さんは私とその時公園で遊んでただけだったの。でも、その時は偶然だれも公園にいなくて、家族の、子供の証言なんて受け入れてもらえなくて…」

気がついたらまた森崎洋子の瞳は赤くなってきていた。

「冤罪ってこと?」

「うん、だって、お父さんは、私と遊んでただけなのに、人を殺したり、女の子に酷い事をしたりなんかしてないのに…」

「それって、5年前の隣の県であった事件の事?」

隣の県とは言え遠いとは言い切れず、僕たちの小学校もしばらくは親が送り迎えをする事になっていた。

犯人が捕まってからしばらくして、その状態は解除されたが、それが冤罪だったなんて…

「そうよ、だから、私たち親子は逃げるように町を追われたの。」

「でも、じゃあ何でアナウンサーなんかになろうって決めたの?」

「だからこそよ。毎日毎日、何の証拠もない、ただのサラリーマンだった父を誹謗中傷する記事や報道が溢れたわ。私の家にも毎日毎日記者たちやテレビが来て、おもしろおかしく騒ぎ立てたの。

週刊キンジツなんか父とは何の面識も無い女の人を愛人にしたてて、真実を捻じ曲げて報道してたのよ。

おかげで近所の人には出て行くように言われるし、張り紙や、悪戯電話や、窓ガラスを石で壊されることなんて良くある事だった。

母は無罪を訴えたけど、身内の証言は受け入れてもらえなかった。

そのうちに父は自供したらしいの、やってもいない供述を…警察に言われるままにそうです、そうですとだけ言い続けたそうよ。

母は私を育てるために朝も夜も無く働いたわ。そして、やっとお金がたまって引越ししたの。

だから私はアナウンサーになって真実の報道をするの。たとえ会社に反対されようとも。冤罪は許されない。絶対に。」

そんな事があったのか…

「それで、ワザと人を遠ざけるような感じの受け答えをしてたのか」

「そうよ、もう私の周りから誰もいなくなって欲しくないの。だから誰も寄せ付けない。プライドの高い女だと思わせておけば周りは相手にしなくなるでしょ?」

「そうだけど…でも2年の後半は結構楽しそうだったから…」

「それは…あの子が、こんな私を個性だと認めてくれたから、クラスのみんなが私を遠ざけなくなったのよ。だから私はみんなの近くにいるように感じたんだと思う。

でも、私はずっと変わってないわ。今じゃこの性格も板についちゃったし。もう、傷つきたくないの。」

僕は自分の考えの甘さに正直、脱力してしまったが、そのすぐ後に森崎洋子を見た。

既に泣きはらしていたその目をじっと見た。

「何よ、見ないでよ…」

と森崎洋子はそう言ってうつむいた。このプライドが高いような言動はすべて自分が傷つかないために必死に抵抗している姿なのか。

そう思うと僕は何とも言えない気持ちに取り付かれた。

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2010年1月18日 (月)

青春ごっこ ②憧れの人編

僕が中学3年生になった時に新設校が開校になった、偏差値はこの近隣ではダントツの№1という触れ込みだった。

いい大学を目指す奴は目の色を変えた。

魅力的な授業プログラムや、最新鋭の設備はよい大学を目指す人間にはこれ以上ない環境に思えた。

僕達の中学校からは上位何名かが推薦入学できるようで、その年も十数名入学していた。

僕は推薦が欲しくない訳ではなかったが、実力をもっとつけたいと思ったので、推薦枠は要らないと考えていた。

それでも二年目の今年は推薦枠は学年上位5名と大分減らされていた、受験勉強をしたくない上位陣は目を血走らせていた。

その時は僕も上位陣にはいたが、「実力で入学します」と推薦は辞退した。

森崎洋子は上位陣ではなかったが、上位陣と同じように大きな目を血走らせていた。

推薦を辞退した僕を変体を見る目で見ているようだったが、その時僕は森崎洋子が受かりやすくなればいいという思いがあったのも確かだった。

「あなたって変な子なのね、大学に行く勉強なんて高校から始まるようなもんじゃない。なのに進学校の推薦受けないなんて、余裕って事?」

「いや、そういう訳じゃ…実力で受けてみようと思ったから。特進クラスなんて入ってしまえば同じようなもんだと思うし…」

「そう、あなたなら実力でも充分特進クラスに入学できるでしょうね、だから推薦を受けないなんて傲慢だわ。」

じゃあどうしろというのだ。

森崎洋子はそう言って、ひとしきり大きな黒目勝ちな目で僕をにらみつけて、僕が立ちすくんでいるうちにどこかへ走っていってしまった。

森崎洋子は中学の時に知り合った。正直一目ぼれだった。

2年生の時に同じクラスになった。それだけで僕はドキドキしていたが、しばらくしたら席が斜め前になった。

授業中は気になって仕方がなかった。

森崎洋子は髪の毛を背中まで伸ばしていて、つやつやした黒髪は彼女の白い肌を一層浮き上がらせていた。

細身で少し病弱そうに見える彼女は、僕の目から見たら守ってあげたい存在だった。

クラスでは近づき難い存在だったが、意外と男子には人気があった。

吉村かおりとは対照的だった。

あんなにガサツでデリカシーのない女と比べるのも何だけど、森崎洋子は清楚で、あまり自分から話したりしなかった。

「あの女、暗くて何考えてるのか分からないのよね。」

と吉村かおりは一蹴していたが、僕からしたら吉村かおりも何を考えているのかさっぱり分からなかった。

ある雨の日、森崎洋子は傘を持ってきていなかったのか、下駄箱の前で待っていた。

僕はというと、吉村かおりの女の勘という根拠のないもので傘を持たされていた。

吉村かおりは部活に勤しんでいた。

話しかけるチャンスとは思いながらも話題が浮かばなかった。

そうこうしている間に森崎洋子の方が僕の視線に気がついた。

「何?」

「傘…持ってきてないの?」

僕は緊張しながら声をかけた。そんな雰囲気が彼女にはあった。

「朝、あんなに晴れてたんだから、持ってきてる人の方がどうかしてるわ。」

確かに。

「僕、のこと知ってる?」

「真田くんでしょ?君テストの時いつも3位以内じゃない。知らない子はこの学年にいないと思うけど?それに、クラスメイトじゃない。話したのは今日が初めてだけど。」

男子と話したのも僕が始めてじゃないのかと思ってしまう。

「そう、だよね…森崎さんはさ、女の勘って信じてる?」

「何それ?そんな非科学的なもの、あなたは信じてるの?」

「いや、吉村かおり知ってる?あいつが朝雨が降るかもしれないから持ってけって…」

「ふうん…あの子明るくて良い子ね。私とは大違い。」

「そうかな、ガサツでデリカシーのない奴なんだよ、ホントおせっかいだし。」

「仲いいんだ」

「ううん全然、最悪。」

僕はベロを出しながら手で×を形どった。

「――真田くんってさ、なりたいものとかあるの?」

「ええ?いきなりだな…森崎さんはあるの?」

「私?そうね、質問するんだもの、私から言わなくちゃね。私はね、アナウンサーになりたいの。」

「アナウンサー?」

「そう、報道のアナウンサー」

「へえ、でも似合ってるかも、森崎さん真面目だし、その、知的な感じで、イメージに合うって言うか…」

「ふふふ、ありがとう、で、次は君の番だけど?」

「ああ、僕?僕は…笑わない?」

以前両親に言ったら笑われてしまったのでそれから人には言っていない。もちろん、吉村かおりにも言っていない。

「笑わないわ。私のなりたいものもよく親に馬鹿にされるもの。だから人のは絶対に笑わないわ」

「教師…僕は教師になりたいんだ。そして、教師の教師になるんだ。」

「…なんだ、意外と普通じゃない」

「普通?」

「だって、出し惜しみするんだもん、官僚とか、国会議員とかになるのかと思ったじゃない。」

「あとタレントとか?」

「ふふふ、 無い無い。こんな堅物そうなタレントなんていないよ」

「ああ!笑ったじゃないか!」

「ええ!?今のは無しだよ!だって…」

これまで見た事無い程、彼女は笑顔で話していた。大きな目が、僕に向いて三日月に細くなるのを見ると森崎洋子に僕の気持ちを握られているような錯覚に陥った。

僕たちは雨の上がるのを待ちながらそのまましばらく話をした。

僕はますます彼女が好きになった。

「私の夢はまだ誰にも話してないの。話す気もないわ。だから誰にも言わないでよ。」

「うん、僕も自分の夢は両親以外誰にも言ってないんだ。だからお互い黙ってよう。」

話しているうちに雨は小雨になっていた。

「そろそろ帰る。」

「あ、傘、かすよ…小雨だし、そんなに濡れないから…」

「小雨だったら私もあんまり濡れないわ。ありがとう、それじゃあね」

と言って小走りに走って行ってしまった。僕は出遅れてしまいただ、彼女が校門を出て行くのを見送っているだけだった。

その夜からは僕の頭の中で森崎洋子がただ大きくなるだけだった。

だが、そんな僕の気持ちとは裏腹に、それから森崎洋子とはじっくり話すことは無かった。

3年生になったら僕たちはちがうクラスになっていたのだ。

それでも僕は森崎洋子が好きだった。

そして9月、推薦辞退。

森崎洋子は僕の事を嫌いになってしまっただろうか。もともと、何とも思っていなかっただろうけど、少なからず、傲慢だと言われればそうかもしれないと思った。

そして修学旅行。

受験前の大事な時期ではあったが、うちの学校では息抜きも兼ねて3年生の11月に行く。

吉村かおりは生徒会を引退して今度はクラス委員長をしていた。予定の段階からいろいろと忙しく動き回っていた。

彼女のあのエネルギーはどこから来ているのだろうか。

そして、綿密に予定を組んでの自由行動。

僕はあろう事か迷子になってしまった。

自由行動時には4人一班で行動する。その時は吉村かおりの行きたい場所に行く事になっていた。公園と言っていたが名前は忘れてしまった。

吉村かおりが他の二人に渡した地図と僕にくれた地図は違い、僕の方は実は彼女のお手製だった。

とは言え、急いで書いたのか、1ブロックどころか2ブロックも抜けていたので僕は集合場所に到達する事ができなかった。

続きはまた明日です。

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2010年1月17日 (日)

青春ごっこ ①紹介編

という題名の文章を作っていた。

これは、大学生のときに書いたやつだと思う。暇?にまかせて書いたんだと思う、未完成です。だから作品としてはカウントされてない。

高校の時作った素案をそのまま使ったやつです。長い…

文章で曖昧な表現や、微妙な名詞などはいじってます。でも概ねそのままの流れで書きます。

ちょっと面白い?というか何かいいのでちょっと紹介します。

主人公は高校生の男の子新設二年目の高校に入学していた。名前は真田

(小学生の頃から真田幸村が好きで生まれ変わったら真田の姓を名乗りたいなとか考えていた)

彼には夢があり、その夢とはまず先生になること、夢いっぱいの子供達のいいところを見つけて伸ばしてあげる事。

そして次に、学校の経営者になること、

最後に、理想の教員達を育てて、真田教員養成塾を作ること。だった。

でも等身大の自分は単なる高校生、

運動も取り立ててできる訳ではなく、勉強はもっと苦手、中の下か下の上ぐらい。

もっと勉強しなきゃな。中学の時はもっと良かったのに…

とはいえ、勉強し始めると急に眠くなったり、部屋の汚れが気になる。

何となく勉強に集中できない。

だからそんな時はラジオを聞くことにしていた。

毎週水曜日夜11時BCG放送でやってる「よっしーリクエスト」が一番楽しみ

よっしーとは天然が売りの女の子DJ、実物は何度もテレビに出ているらしいが、まだ見たことが無い。

その日は水曜日ではなかった。気分転換で何となくラジオをつけてみるがやっぱり違う番組がやっている。

落語家の師匠と弟子が一時間話している番組、手紙を紹介されたらお好み焼きが送られてくるという変わった番組だった。

その日はそのまま寝てしまったようだった。

学校

今日も遅刻ギリギリで学校に着く。

始めのうちは余裕をもって出て、誰よりも早く来る事に燃えていたが、もう一人同じ事を考えている奴がいて、そいつは電車の都合上早く来ているらしく、一度もそいつよりも早く来る事ができなかった。だから諦めた。

それでも少し遅くなったぐらいだったが、ずるずるずるずる登校時間は後退していった。

真田は体が小さかったので運動部には興味が無かった。

体格の差でどうせ頑張ってもレギュラーにはなれない。

スポーツとはそういうものだ。

無駄な事ははじめからしない。

1限目が始まる前に家から持ってきた弁当を食べてしまう。

昼は小遣いでサンドイッチかカツ丼を食べる。

高校生の小遣いでも学食なら充分毎日贅沢ができる。

カツ丼大盛りが270円は今日日大手牛丼チェーンでもない。しかもうまい。

でも、これだけ食べても身長は伸びなかった。

牛乳も一日1㍑は飲んでるのに…

休み時間は移動がない時はずっと座っている。

夢のために中学時代にちょっと頑張って「お高い私立の高校」に入った。

自宅からは徒歩10分。(だから毎日一番を取ろうと思ってた)

この学校に選んだ一番の理由。

近隣では一番の進学校。という触れ込み、偏差値はダントツに高い。

そこで僕は特進クラス。

とは言え、新設なので先輩は一学年しかいないし、特進クラスと言っても実績がある訳でもなかった。

特別に難しい授業をしているとも思えなかったが、それはまだ僕が一年生だからだと思う。

特進クラスには憧れの森崎洋子がいた。真田は森崎が好きだった。

この学校に決めた第二の理由だ。

森崎の夢は報道のアナウンサーになる事だった。その為には東京のお嬢様大学か東大しか選択肢は無かった。

少し前、彼女に

「女子アナの夢も楽じゃないな…」

共感するつもりで言ったが森崎洋子はきっとにらんできた。

僕は意味も分からずただその目線から逃れられずに見返す事しかできず、どぎまぎしている間に森崎洋子はどこかに行ってしまった。

もう一人、特進クラスには気になる?存在がいた。

どうやってあの入試をクリアしたのか分からないが、幼稚園からの幼馴染の女の子がいた。

「吉村かおり」だ。

彼女は何かにつけて僕の身の回りの世話をしたがる。半ストーカーだ。

ポケベルも吉村が持つからという理由で僕にも持たされた。

「このシンプルな見た目がいいよね?」

と言ってくるが意味が分からない。

ひらがなで表示されて機能もいっぱいある。最新のモデルだそうだけど僕には正直片仮名でもひらがなでも同じだった。

電話がないとメッセージが送れないなんて、端末として致命的なように感じられた。

月々2200円も何か高い気がする。払うのは親だけど。基本エリアでも充分エリア内だったが、広域エリアにした方が安心できそうな気がしたので、その分だけ高くなったのだった。

僕は親に頼み込んで了承を得た

というのは冗談で、吉村の名前を出すといつも両親は一つ返事でOKを出した。

あいつめ、何か両親の弱みでも握っているんじゃないのか?

吉村は小学校の時のボウイスカウトの帰りに、交通事故で右足の脛から下を切断していた。

でも今では義足を使っていて、普通の人と全く変わらない。

いや、驚いた事に体育も普通にやっている、いや、普通の人よりも早い。

本当に義足かどうかも怪しい。

松葉杖をついていた頃は学校には来なかった。

ずっと病院と家を往復していたようだ。

しばらくして、学校に来た時にはもう右足はあった。その時には杖だけになっていた。

ただ、その右足は今のように動かなかったし、走る事ができないのは小学生でも見たら分かった。

右足も肌色というよりはピンクに近く、くるぶしの部分は代わりに鉄のプレートとボルトが通してあって、それがわざとらしく黒色に塗られていて、足の違和感をいっそう強い物にしていた。

どんな時でも長ズボンを履いてきていたので、基本的には見えなかったが、席に座った時は裾が上がって靴下がずれていたら嫌でも何度も目に付いた。

そんな事は知ってか知らずか、僕は何度となく彼女に

「ちょっと!肩かしなさいよ!」とか

「カバンもってよ!」とか

「じろじろ見ないでよ!」とか、いわれの無いお叱りを受ける事になった。

おかげで僕は彼女のお着きの人みたいに思われていた。身長も僕の方が小さいので、周りの人間は僕の事を「弟君」と言って来る。

ただ、それも中学校になった時にはあまり言われなくなった。身長が伸びたんじゃない。

義足にいいのが出てきたらしい。

中学校の入学当時、杖もついてない、歩き方も不自然じゃない吉村を見てびっくりした。

僕だけじゃない、僕以外の人間も全員びっくりしていた。

何よりもびっくりしたのはハイソックスを履いていたけどぱっと見義足かどうか分からない事だった。

つなぎ目はどこ?

と言った感じだったのだ。

前日、入学式の前なのに、セーラー服でスカートで僕の家にやってきた吉村は

「どうだ!」

と言って手を大きくななめ下に伸ばして一回くるっと回った。右足で。

セーラー服よりもくるっと回った事にびっくりした。

僕があぜんとしていると吉村は満足げに大きな目を三日月のようにさせて母親の運転してきた車に乗って帰っていった。

吉村は運動部に入った。それもバスケ部

もともと吉村かおりはバスケットボールが得意だった。活発でいつも強気だった。

ボウイスカウトにも入り直していた。

彼女はこれまでの数年間を取り戻すかのように、ありとあらゆる事にチャレンジしていた。

学校では委員長や生徒会を率先してやっていた。

正直、勉強する時間なんてどこにあったのか…

おまけに高校までは毎朝僕の家に迎えに来ていた。

休みの日は一人で勉強したいのに、わざわざ僕の家に来て一緒にやっていた。

苦手な数学と理科は僕が教える事になっていた。

国語社会は吉村かおりが教えてくれてはいたが…

僕の母が旅行とかに行っていない時はご飯まで作ってくれた。

正直、休みの日まで吉村かおりに会いたくなかったが、ご飯にありつけるだけありがたいと思っていたので黙っていた。

長いので今日はこれぐらいで、続きは明日。

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2010年1月16日 (土)

あたたたた…

今日は親知らずを抜きました。

歯科クリニックについて、診察券を入れたらすぐに

「○○さーん!2番へどうぞ~!」

といわれて早速か…と入った。

まあ、中6週間ですからね。

そこからは全く面白いところはなかった。

いつものお姉さんもいなかった。

そして、麻酔をした。二本してるのかな?最初はやっぱりいきなりブスリときたのでびっくりした。

二本目は何か刺さってる?って感じだった。

だから油断してたのだが、いきなりまた痛くなった。ずいぶんと歯茎の奥の方だ。そしてすぅーっと痛みは引いていった。

それからニ、三質問してから

びゅうぃーーーーん!!!ちゅうぃーん!!

とか言いながら僕の奥歯を削りに入った。がっつりい削っている感じがする。

びゅうぃーーーーん!!!ちゅうぃーん!!

コトリ…

「はい、そしたら上の部分は取れましたから…」

「ふぁあ…」(はい)

意外と簡単に取れてんな、そしたらこの先も早いかも…

そして今度は…根の除去に入る。

ぐぐぐぐ

何か引っ張ってる…もしや、親知らずって引っ張ってとるの?

ぐぐぐぐ…

ぬぉ!

顔が引っ張りでずれる…麻酔で全く痛くない。何をしてるのかも分からない。ただ分かるのは先生に引っ張られてる物が、口の奥の取り難いであろう場所にありそうだと言う事でした。

やっぱり先生もかなり取りにくそう。

もともと親知らずなんてとりにくいもんだし、僕は口が大きくないし

もしや、

「めっちゃと取れにくい人がたまにいます」

と言ってたが、まさかそのたまにしかいない人が僕なん!?

いやいやまさか。と思うや否や

「なかなか抜けないですね…」

やっぱりか…

ぬぐぐぐぐ

ぬぐぐぐぐ

何回も何回も何回も

本当に(嘘だとは思ってないですが)なかなか抜けないようで、大きな脱脂綿を口の中に放り込んで、舌を押さえつけながら、下あごをぐぐーっと押さえながら引っ張り出していた。

何回も何回もそうしてからレントゲン…

それから少ししてパキンって音がした

恐らく歯の折れた音だと思う。

グピピピ…

やっと取れた。…半分。血にまみれて歯かどうか分からなかった。多分僕の口の中はもっと血まみれだろう。

そしてもう半分も

グズズズズ…

「これが、親知らずです。」

と見せてくれた僕の歯はきれいに半分に割れていたが、魚の釣り針のように返しができていた。

「こういうふうに釣り針みたいになってたので取れなかったんです…」

時計を見たら既に一時間半経っていた。

Oh!何てこった!

普通に「取れにくい人はこれぐらいかかる」と言われていた時間を上まわってた。

抗生剤と痛み止めをもらって会計をしてすぐに家に向かった。

もうすぐに会社に行かなくてはいけない時間だ。

着替えてさっさと部屋を出ようとして、目に付いたのは…

さっきの抗生剤と痛み止め。

痛み止めはこれまで何回ももらっているけど一回も使った事がなかった。少しぐらい痛くっても仕事してたら関係ないわ…

そう考えたのです。

だから今回もいらんだろと判断した。抗生剤は食後だったが、何となく一回ぐらいいいわと思って持っていくのを止めた。

これがいけなかった。

仕事を始めて一時間も経たないうちに麻酔は切れた。

痛てえ!!めっちゃ痛てえ!!

麻酔が効いているときは腫れてきてるぐらいだったが、腫れはそれほどではなかったが、とにかく痛い!

めっちゃ痛い!

いい年して泣きそうなほどに痛い。仕事してたらまぎれるなんてもんじゃなかった。

痛み止めを置いてきた事を本気で後悔しました。

『あほやなーちゃんともらっといてからにー。ちゃんと持っていきんかー…』

と斜に構えた僕が心の中で清まして言っている。

『アホかこない痛あなるなんて知らんやないか…』

こんな簡単なやり取りを自分の中でやってみるぐらい混乱していた。痛くて。

アルバイトさんに痛いと訴えたら。

「(半分がやさしさでできている)錠剤を飲めば痛みは柔らぐよ」

と教えてくれたので早速そうした。

半時間程そのまま頑張ったら痛みは和らいだ。

「おお!恐るべし、あなどれんな、この錠剤!」

効くのは頭痛だけかと思ってた。

やわらいでいるうちにご飯を食べたが。ご飯を食べている途中でまた激痛になった。

残念、時間切れのようだ…

でもあとは我慢して食べた。

あかんな、固形のものは痛い。と言う当たり前の結論に至った。

ホント当たり前だけども。

だから家帰ってからは固形物は食べてない。お酒もあかんらしいので飲んでない。

おお!健全な人みたい。

帰るときにやっと少しましになってきていた。でも血は相変わらず今も出っ放しです。

痛みも無いわけではない。

家帰ってから鏡で口腔内を見てみた。

「うお!まじで!」

親知らずがあったであろうところには赤黒い穴が空いていて、そこから血が出ている。

その血で周辺の歯は何かオレンジみたいになってる。よく見ると唇も血ばんでるのが渇いてる。

ああ、今更ながらに親知らずを抜くのって結構大変な事やってんな…と思いました。

他にもアルバイトさんたちにいろいろ教えてもらいましたよ。↓

「抜けない人は一時間ぐらいかかるらしいで」

「昔は親知らず抜いてショックで死ぬ人もいたんやで」

「一つ抜いたらみんな抜かないと歯並びがおかしくなるんやで」

「レントゲンとるのは歯の位置の確認やねん」

「取れない歯は中で砕くこともあるねん」

「血止まらない人は一週間以上止まらないらしいですよ」

みなさんありがとうございました。ご迷惑おかけしました。今日は余裕の全く無い日でした。

僕何も考えずに親知らず抜いたんやな…そんないろいろあるなんか知らなかった。

単に親知らずの手前にある奥歯の虫歯を治すために抜いただけやったのに。

抜かなかったらそのうち親知らずも虫歯になると思うとは言われたけど

とりあえず、奥歯に飯粒が入るのがうざかったので早く治したかっただけでした。

覚悟が必要な事だったとは…

↑誠先輩に教えてもらいました。

僕親知らずなめてました。

いまも痛いし。痛み止めはのんどかなあかんかった。抗生剤も恐らくいる。

今日はいろいろいい勉強になった一日でした。

そして自分が馬鹿だと改めて気づかされた一日でした。

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2010年1月15日 (金)

最近寒いので

猫が僕の部屋にやってくる。

今家には5匹の猫がいる。

クロ、ジュリー、カンナ、ミクロ、チビ

絶対チビってその時感じたままつけたやろ、って突っ込みたくなる。年とってきたらどうすんねんって思います。

そんなのは多分考えない事にしてるんでしょうけどね。

ジュリーって言うのが僕の部屋によく来る猫なんです、あ、アバウトミーのところに写真出てますね。この猫です。カワイイでしょ?

(←のサイドバーのところに出てる。)

ジュリーはカンナの息子です。僕以外の家族はジュンと呼んでいますが、ジュンって、あの一昔前に終了した、某「田舎の心温まるお話」に出てくる息子の名前と同じなのでちょっと嫌なんですよね。

別にその息子が嫌いって言う訳ではないですが。イメージ抜けないので。

カンナは半野良です。でもカンナの教育が良かったのか、もう一年ぐらい僕の部屋を出入りしていますが、全く粗相をしたことがありません。

すばらしいね。

そんな猫いないと思ってましたから。

他の猫はこの部屋には来ないのですが、両親の部屋はもう猫の粗相の臭いが…

僕達兄弟は「猫の巣」と呼んでいます。

妹も母も全く片付けのできない人なので、本当に無残な状態です。もう手がつけられない。

親父も諦めてしまっています。すごい事になっています…

そこに猫が四匹いてはるんですよ…

かわいそうに…

ジュリーは本当に他の猫とは違って、オスなのにねずみをとってきます。それは、猫にとってすごく賢い事なんです。

狩の仕方はどうやら、カンナに教わったみたいです。カンナはメス猫なので狩をします。

今は僕の家にはいないようですね、少し前までゴトゴトカリカリうるさかったのに最近は全く何も音がしません。

喰っちゃった?全部喰っちゃった?

ちなみにカンナを含め他の猫は僕が近づいたら一目散に逃げます。

危害を加えた事なんか無いのに。猫は臆病だから仕方がないけどね。

あ、違った、ミクロだけは近寄ってきてうざい。

彼は妹に部屋飼いされてたんですが、ほとんど部屋から出してもらえずにずっと鳴いていました。かわいそうに…

勝手に脱走したりしてましたが、その時は妹に叩かれていました。

虐待だと言ったら教育だと言い張っていました、可哀想。

あいつの子供になる子が可哀想。

それで、猫飼うのに飽きたらポイですよ。

今はミクロは離し飼いです。

でも2年ぐらい部屋で飼われてたので外にでても今ひとつ遊び方が分からないみたいで庭からほとんどでないで庭を走り回っています。

歩いていると足にまとわりついてきたり、座ってると膝の上に乗ってきます。ご飯食べてても「ナンカクレー」と膝の上から鼻をヒクヒクさせておかずに目線を寄せています。

でも猫フードを食べなくなるので、それをあげるわけにはいかないので我慢します。

毎日毎日僕らに近寄ってきます。ていうか庭にずっといるので移動してたらずっとくるんですよね。

部屋の中でずっとご主人を待つあまり、さびしがり屋さんになってしまったみたいです。

帰ってきても可哀想に粗相をしている事が多い(猫の習性なのである程度は仕方が無いが)教育だといって毎日毎日…

あーあ、可愛そう、僕がそう思って出してあげても脱走したと思われるようだし、(生活時間が違うので、妹のいる時間に僕がいないので説明もしてあげれない。

面白いのは、そういう妹に仕返しとばかりに寝ている時に顔に粗相をしたり、大を…

やっぱり、猫は可愛がらないとね。

「猫にそんな目にあってる人初めて聞いたわ。虐待なんかするからや」

一番下の弟が妹を馬鹿にしてた。僕も概ねそれに同意します。

ジュリーですがこいつは本当にきれい好きです。事あるごとに毛づくろいしているし、足を汚してきた事も無いし、

若いって事もあるけど、臭いにおいがしないんですよね。猫っぽい臭いはしてるけど(猫ですが)たまにダニにさされて血を吸われてますが、何もしてないのにノミはいなくなってるし。

フカフカなんです。5匹のなかで一番フカフカ。毛が長い長い!

それでムニムニしてるし5匹の中で一番ブッチョくんです。重たい…顔はシュっとしてるのに体がやけに大きい。

おなかをさわると怒ります。それでも触ってると「はー!!!」って言います。

便意を催したら自分で戸をあけて出て行くんです。

寒いのがめっちゃ嫌いで寝てたら冬はくっついてきます。

とは言え、猫だから気まぐれですけどね。

社員になってから一年目の冬に前飼ってた猫が死にました。

もうめっちゃ悲しくて悲しくて泣きました、泣きまくりました。

仕事してても涙が出てきました。一週間は大変でした。

こんなに悲しいからもう猫は飼うまいと思いました。

でも家族は簡単にその次の月には飼いはじめていました。

でもこの話はまた今度話します。

猫って気まぐれだけどほんとカワイイですねっていう話でした。

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2010年1月14日 (木)

似合っている

気のせいかもしれないけど、僕がこれまで出会った人って名前とかけ離れた人って本当に少ないと思うんですよね。

性格が名前に寄っていくのか、名前が性格に寄っていくのか。

日本語学を勉強していた人間としては性格が名前に寄っていくといいたいけども、言葉は人間ありきだから

名前が性格に寄っていったと考える方が妥当でしょう。

自分が生まれた時から何度となく刷り込まれていくから名前のような人間になるのでは?という考えは捨てきれないですが。

と、名前と性格が一致する人が多いという主観でここまで書いていますが、主観だから本当にそうだともいいきれないんですけど…。

「え?君○○っていう名前なん?マジで?」

って事そこら中にあるはずですからね。

本当に名前と性格がマッチしているかどうかなんて主観以外の何ものでもないですからね。

今のところ、僕の周りにはマッチしない人はいないですが。

総一という名前の人は人数をよくまとめるし、栄一郎という名前の人は秀才だし、富子という人は男勝りで仕事バリバリ、財的能力の高い人だし、真人という人は打ち込めるものには実直だし…

もともと、有名人と同じ名前でも、有名人が有名になる前に名前と合っていると思うんですが、有名人の名前が例えば…知久であるとか、雅春とかいう知り合いがいるのですが、ああ「知久」っぽいと思ったり、「雅春」っぽいってなったりしたのに、

有名人のイメージが先行してからこの話をしても「絶対あってない!」…とかってなります。

僕が言ってるのは漢字とその人の性格の事を言っているんですが、

雅春はおっとりした雰囲気でほんわかした優しい感じの奴です。知久は活発で割と古風ですが前向きな後輩です。

雅春の方はちょっとぽっちゃりしてますが…

でもイメージってそうなりますよね。(漢字についてもイメージですけどね。)

芸能人が本名か芸名かは知らないですが、テレビの前で見せている姿と、本当のその人と一致するとは限らないですけど、

映像で見せられたらそうかなって思いますもんね。

話がちょっと違う方に行っていますが、

僕の漢字は実は名前に使われているのが本当に少なくて、

難しい字では全くないんですが、同じ名前の人間に出会ったことはありません。

だから合ってる、合ってないとかいう話には全くならないんですよね。

みんな大体一発で憶えてるし…

有名人にも全くいない。

難しい漢字ではないけど、憶えやすい名前ではあるけど、ありそうだけど、自分と同じ名前の人がなかなかいない…ていうか聞いたこと無い自分以外。

探したらいてはるとは思いますが…

兄弟や妹はその辺にある名前やのにな…

父が僕につけてくれた名前だそうな。

あしたのジョーが好きだった父は僕にジョーと名づけるつもりだったそうです。

あえなく祖父の反対にあったそうですが。(ナイスじいちゃん!)

それから名前の本とかを買って考えてくれたそうですが、

結局その名前の本に載っていない名前になりました。

おじいちゃんはこの名前をすごく喜んだらしいです。

「ええ名前や!ほんまにええ名前や」

おじいちゃんは本当にその名前を気に入った様子でした。

でもその日の新聞を見たら、たまたまその名前が載っていたそうです。

「…やっぱりな、あいつがこんなええ名前思いつくわけが無い…」

おじいちゃんは父を問い詰めましたが父は自分が思いついたと言い張ったそうです。

僕も思います、多分思いついてないわ…

数十年前からおじいちゃんは父に馬鹿にされていました、祖父は特に言い返すことも全く無く黙ってお酒を飲んでいました。子供の頃は父の言う事をそうかと信じ、深く考えないでいましたが、絶対そんな事はありません。

父が考えているよりももっと柔軟で、深い考え方の人でした。田舎の百姓鍛冶屋ではありましたが…

まあ、祖父は若いときからめっちゃゴンタだったらしいので、父が息子としてそう思うのもうなずけるんですが…

とにかく、祖父は父がそんなに賢くない事を良く知っていたわけです。だから祖父は新聞の名前を見て、まず間違いなく新聞から転用したと思ったんでしょう。

大輔、和也、達也、耕輔の流行っている時にあえてこんな名前を自分で考えついたとは思いにくい。

だって僕のこの漢字、画数こそ少ないですが、名前として思いつくものでは全くないですからね。

とはいえ、転用したかどうかなんて関係ないですよ。

事実としていい名前だし、おじいちゃんはとても気に入ってくれてた名前だし。

でもこの漢字をみてええ名前って分かるって

おじいちゃんってかなり造詣の深い人やったんやな。昔の人はすごいな…

今の子この名前見てもそんな意味があるなんて全く分からないですよね。僕も自分で調べるまで全然知りませんでした。

おそらく両親も本当のところまで理解していないと思う。

今まで、名前の由来に関して説明してもらった事が無いからです。何度も尋ねてるのに。上のエピソードは聞きましたが。意味までは教えてくれませんでしたからね。何度聞いても。

でも字の通りに生きてました。

そういう自分の経験から、やっぱり名前ってその人の性格を左右する大切なものなんじゃないかな。と思うようになりました。

だって、普通に(?)生きていたら名前のとおりになっていたんですから僕は。

けちはついたけど

僕の名前をつけてくれた両親に感謝しています。

この名前、あまり同じ人がいなくて寂しいですが、それでも気に入っています。

よく

「名前はその人の人生を大きく左右するので本当に大切ですよ」

という言葉を耳にするんですが、本当にそうですね。

もし自分に子供ができたら何て名前にしようかな…

楽しみではあるけど、責任重大ですね、一つの人生の形ですからね…

まだまだ、お嫁さんとか子供とかがいる自分をイメージできないですが…

まあ、一歩一歩僕らしく前進していくと言う事で…

貧しかったとしても、楽しく幸せな家庭を築けたらいいな…なんて思います。

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2010年1月13日 (水)

少しずつ役柄が違います。

今日何かの話から、ブタゴ○ラ(熊田くん)はいじめっこかそうじゃないか。という話になりました。とはいっても、ものの1分程度の話ですが。

つまり、ジャイア○は確実にいじめっ子です。映画の時には結構頼りになるやつですが、普段は体が大きいのを利用して腕力にモノを言わせてのさばっています。

ドラえも○がいなかったら○び太はいじめられ倒しの人生ですよね。

しかも未来はジャイア○は商売が大成功して大金持ち、○び太は貧乏くらし。

そりゃせわ○くんもドラえも○を過去に送りたくもなるよね。

話が逸れましたが、ブタゴ○ラについては、他の作品で位置するいじめっ子ポジションにいるにもかかわらず、いちびったり、調子に乗ったりはするけどそれほどいじめっ子色が強くないと思います。

よくいじられてるト○ガリが鼻につく時があるっていうのもその理由かもしれないけど。

なんやかんやで熊田くんはやりすぎたりしないし、まず暴力先行じゃないところが他のいじめっ子ポジションと違うところですね。

話せば分かる人物なんですよ。

とはいえ、キ○レツを見ていた頃はそんな事は全く考えてなかった(普通に楽しく見ていた)ので、熊田くんがいつ手を挙げるのかハラハラ見てました。

僕が見た限りではケンカで熊田くんが拳を振り回しているシーンは一度も無かった。たまたま見てなかっただけかもしれないですが、

「ど根性…」のゴ○ライモ、「Qタロウ」のゴジラ、他にもいろいろいてはるけど、

明らかに彼らとは違った存在です。

キ○レツ自身が頭が良くって落ち着いている小学生ならざる小学生だからかもしれない。いつも何かと失敗していますが、

彼はまだ小学生なので、圧倒的に経験が足りないんですよね。だから予想外の出来事がいっぱいあるし、冒険に対するワクワクを抑えることができずに警戒心に好奇心が勝ってしまってるんでしょう。

思うんですが、キ○レツってちょっとドラえも○とかと同じように見れると思ったら大違いですよね?

小学生ながらに辞書を片手にキ○レツを見ていました。

それだけ僕がアホだったんですね。

辞書がないと、キ○レツの言ってる事が理解できなかったんですよね、その頃は。

それでも、ちょっと小学生には難しいものだったのではないかな?と思うんですよ。

主題歌とかはとても分かりやすい歌だったから印象的でしたが。

とは言え、「チュウ」とかいうキーワードを口にすると、たちまちクラスメイトに馬鹿にされるので口が裂けても言いませんでしたが。言われてる奴を見て

『うお!僕が先に言わなくてよかった…』と、そういうキーワードの時はよく思いました。

しょうもない事でいちいち反応してたな…あの頃は。気にするほうも気にするほうやし、言う方も言う方やけどな。

それはさておき、栄一君の頭がよかった事、熊田は話せば分かる人物だった事から熊田君はほとんど暴力をふるう事がなかったんでしょうね。

ト○ガリに対して割と厳しく当っていましたが、ト○ガリも別にやられてばかりではなくて、やり返そうとしたりもしている。(概ね途中で熊田君に見つかる)

熊田くんは家の仕事もよく手伝っているし、何よりも自分の家の仕事を誇りにさえ思っている。お父さんの仕事を継ぐ気満々やしね。野菜を愛してるし。

小学5年生なのに野菜の知識は大人顔負け、(逆に勉強はサッパリで、カタカナにも弱いし、単語の吸収もすこぶる悪いが。)

運動も横に大きいくせによくできる。少し自信家

野菜の知識に関しては誰にも負けない自信がある。

でも勉強があまりできなくて、頭の回転も遅い事を自身でよく知っている。

↑熊田君の最もいいところですよね↓

自分は知らない事を知っているんです、彼は。

無知を知っているから、栄一君の言い分も必ず耳をかそうとするし、スリーパーホールドをト○ガリにかけながらも言い訳をきいてあげたりしている。

「場合によっちゃあただじゃおかねーぞ!」って熊田君良く言ってましたよね。

だから僕はブタゴ○ラは他のアニメでのいじめっ子ポジションにいながらにして、他らとは大分違った存在になっているんだなと思います。

さっきも言いましたが、キ○レツは本当に対象年齢はドラえも○と比べると少し高いと思います。

あれ、中学生でも見たら結構ためになると思うんだけどな。

いじめっ子ポジションのキャラを見ろというのも何だけど。

熊田君から学ぶ事は中学生になっても、実はとてもたくさんあると思います。

あれは本当に良作アニメーションですね。作者が多くの人に「いい」と誉められているのもうなずけます。

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2010年1月12日 (火)

再び

月曜9時のドラマ枠の時間帯に「コード・ブ○ー」が始まった。

以前も書いたことがあるかもしれないけど、続きが再開するかもしれないな…と終わった時に言っていたら本当にそうだった。

予想は簡単だからそういう人はいっぱいいるだろうけど。

主題歌がミス○ルの「HAN○BI」ですよ。またも。

めっちゃうれしい!

特別編の時もそうだったけど、このドラマはこの曲以外に絶対にマッチしないと思ってたので、本当にうれしい。

桜井さんが言うにはこのドラマの主題歌のオファーが来てからこのドラマのために作った曲らしく、

何か後一つ足りないなーと思いながらレコーディングしていて、あとはCDにするだけまで行っていたらしいのですが、

前自分が作った曲を聴いて

「これだ!」

と、自分の曲をパクってピッタリとはまった曲ができたらしいです。

久しぶりにそんな感覚になったらしいですね。

そして、レコーディングを終わっていた曲をその曲に差し替えて放送となったらしいです。

めっちゃキャッチーですよ本当に。

今までの中で一番好きな曲になりました。

それまでは僕の中では「終わ○なき旅」がダントツだったのですが、それを抜いてしまった。

ミス○ルは本当に昔から聞いていて、アルバムも全て集めています。

ガッツリ聞いてるし、今でもハードローテ中ですね。

ドラマの内容にも何となくマッチしている気がします。ドラマ用に作ったから当然だとは思いますが。

医療モノですが、フェローシップ(専門研修制度)のフライトドクター候補たちの話です。だから性格にも技術にもまだまだ未熟な点がいっぱいあって、それに向かい合っていくフェロードクターたちの話。

ドクターヘリの話は、このドラマを見てから知りました。こういうの実際に運用されてるんやな…

このドラマが放送されて数日後にドキュメンタリーがやっていた。横浜のドクターヘリの本当の話だった。

それから、海堂尊さんの「ジェネラルルージュ○凱旋」を読んだら具体的な運用の金額が出ていた。

映画はサスペンスチックになってしまって別物でしたが…

将軍速見は救急救命医だったので、自然とそういう話になるんでしょうね。

「ドクターヘリの運用が現実になれば、もっともっと救える命があるはずだ」

この言葉は現実にリンクしているでしょうね。

医者という職業は本当に切ない一面を持っているんだなと思わせる一言です。

ヘリが運用できれば、現状病院に着いた時点で生きていても既に助からない命をもっと救える。目の前で生き絶えていく命をつなぎとめる事ができる。

救急救命医は自分の生活も犠牲にしている人が多いという。

自分にしか救えない命があるから。

自分が救えなかった命があるから。

もっと道徳的に、救ってあげたいから。

いつくるかも分からない、永遠に来続けるかも分からないそんな一つ一つの命と丁寧に向かいあいながら…その重さを意識しながら、押しつぶされそうになりながら。

もっともっと救える命を探しながら。

仕事だからと割り切ってできる事ではない。マンネリは赦されない。

一つ一つの命を紡ぐその職業は、本当に誇り高いものだと思う。

それぞれの職業にそれはあると思う。

思えば救急救命の現場医師にだけ、これほど高いクオリティを求めている現代、他の職業にどれだけ医師に匹敵するほどのクオリティを求められる職業があるだろうか。

心底敬意を表します。

月曜夜9時のドラマはやはり、ドラマでしかないのかもしれないですがそれでも心打たれます。実際はもっと過酷で、運用費、院内政治等問題だらけとは思いますが。

山下君、「ブザ○ビート」からすぐまた主演?キテルなー

再開っていうのもあまり聞いたことがないな。それだけクオリティーが高いってことか?

僕はめっちゃ嬉しいですが。

再放送もされてるみたいですね。ばっちり録画してますが。

黒田センセはとってもいい味でしたね。若干室井さん入っていますがそれが余計にいいです。

今後の展開楽しみです。

どうか捻くれものの僕でも楽しめる内容でありますように…

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2010年1月11日 (月)

高校の時のドラマ

最近過去の事が多いんだけど、最近出してきて、しまうのが面倒くさくなって出しっぱになってる昔の日記を何となく手にとってパラパラめくることがあるからなんですよね。

それで、高校一年生?の時にやってたドラマで

「輝く時○中で」というのがあった。

何となく(石田さんが出てるからか)「あす○ろ白書」みたいなイメージに近い作品なんだけど、当時医療ものってあまり無かったんですよね。僕の中では。

おそらく僕が見た医療ものはこれが始めてだったんじゃないでしょうか。

で、当時中居くんがドラマに出るよってことで結構話題になったんですよね。

今ほど彼を嫌ってなかった、いや、あの頃はむしろ好意的でさえあったと思う。

「味いち○んめ」に出てたときは演技の印象がないんですよね、最後までちゃんとみるのめんどっちくなってしまって見なくなってもたし。おもしろくなかったし。

主題歌はよく憶えてますよ。大黒さんの「ラ○ラ」ですよね。今になって歌詞が身にしみるほどによく分かります。当時はどうだったんだろ。

それはさておき「輝く時○中で」

ですが、クリクラシップ(臨床実習課程ポリクラともいうみたい)で同じ病院を回っている5人の医学生の話だった…と思う。6年生だった彼らはこの実習が最後の課題となっていた。

5人のうち、主人公は石田さんがやってて、情熱家でやさしく、医者の仕事に理想を抱いている女性。厳しい先生に現実を突きつけられる。先生とは何か昔知り合いだった?おじさんか何か縁がある感じだったと思うけど…確か名前は藤谷だったと思う。

中居くんの役は努力家で、でも自分自身の頭に限界を感じて勉強により集中できない状態にあった。樋口さんだったと思います。

保坂さんがやっていた役は実習中の病院の委員長の息子でエリート君。最初はめっちゃ鼻につく感じの奴ですが後々とてもいいやつになります。澤田さん

篠原さんがやってたのは美人で成績優秀の女性の役、割とたんたんとこなす人、でも努力して頑張っている樋口を見て、彼こそは本当に医者になるべき存在だと思っている。

井森さんがやってたのは?どんな人やったかな?割と道徳の行き届いた人で流れのままに生きている感じの人だったと思うんだけど、印象に残ってない。井森さんやったって事は憶えてるんだけど…たしか、産婦人科医を目指す出来事が途中であったような…

そして、その5人がクリクラシップで、めっちゃ厳しいと有名な先生のところに(あえて)、みんな違う動機で集まったのでした。

主題歌は「君○いたから」です今は懐かしいFILD ○F VIEWのデビューシングルですね。迷い無く買いにいった事を今でも憶えています。

爽快感のある浅岡さんの声と透明感のあるサウンド。まっさらな、希望に満ちた未来を感じさせる歌詞に、僕は心ときめかせました。瞬間的にはまってしまいました。ドラマよりも主題歌の方が好きになったパターンです。

で、ドラマですが、話が進行していく途中で、「何で先生はあんなにすごい手術の経験があるのに第一線から退いてしまったのか」というのが一つの問題で出てきます。

あるとき、病院に先生を頼って転院してきた患者さんがいました。

その患者は先生が主治医をしていたが、手術は別の人にしてもらうことになっていた。

患者さんは先生の腕を頼ってきていたが、先生は頑なに拒否していた、最終的に手術室に入って自分が指導することを条件に、患者を説得していた。

結果、手術は失敗してしまっていた。5人は居たたまれなくなって先生を問い詰めるというシーンがあったが、先生は頑として口を割らなかった。

そして、もう一つの問題が発生した。

樋口さんはみんなとは違い、アルバイトをして大学と生計を立てていた。でも、落第寸前で、短い時間で脳みそに詰め込むことに限界を感じてきていた樋口さんは、病院の薬剤室から覚醒剤を盗み出して夜も寝ないで勉強する事にしたのでした。

しばらくしてその事が他の4人に発覚。見ていて

「もっとうまくやれよ…」

とその時は思ったけど、それよりも。

努力して努力して努力して…それでも成績が下がっていく樋口に半ば同情している自分がいてめっちゃ驚きました。

当時右と言えば右、左と言えば左の堅物人間だった僕が…

(今では違ってしまってるけど、この事は結構影響になった。)

他の4人は事実を知る前は樋口さんの頑張りを知っていたので、成績が上がった事に対して本当に樋口さんを誇りに思っている様子だった。

そして覚醒剤の事は先生も知ることになった。

でも、あの厳しい先生の出した結論は

「お前達5人で判断しろ」だった。

黙認?自分の教え子からそんな存在を出したくなかった?

と言うわけではない。覚醒剤を使おうが使わまいが結果は勉強しなければついてこない。それに樋口の頑張りを知っていたからだった。

甘いと言えば甘いですが。

そして、先生が第一線を退いた理由ですが。

医師団として海外協力でオペをしに行った先生は、ある時、重症になったそうです、その時輸血に使われた血液は、充分に検査されておらず、HIVウィルスの感染者となってしまったからだった。

HIVは感染したからといって、すぐにエイズ(後天性免疫不全)になる訳ではない、発病自体は何ヶ月も後である。

多く、薬によって抑えることができる、場合によっては発病せずに一生を終える事さえできる。

しかし、手術となると違う。

誤って自分の手を傷つけてしまう事もある、傷つけられてしまう事もある。血液感染は99%以上の確率で感染するのです。

先生は第二、第三の自分を自らの手で作り出したくなかったのだった。特に医者としてそれは絶対にできないプライドだった。

そして、5人は医師国家試験に合格して、卒業試験も合格した。

卒業考査の間、樋口が覚醒剤を使用しているという噂が大学内で広まってしまっていた。

既に使用はしていなかったが、樋口さんに心無い中傷をする学生に澤田さんは不快感を覚えていた。

「証拠なんてないんだ、気にするな、俺達はお前の事を認めてるんだ」と励ます。

しかし、樋口さんは医者になる事を止め、退学する事に決めていた。

ってところで僕の撮ったビデオが調子悪くなってしまっていて、最後どうなったのかよく分かりません。しかもDVDも無いし。ビデオもレンタルショップには置いてない。

当時、友人に聞いたら、先生は手術を受けたと言っていたし、樋口さんは大学を辞めて学校の先生になるためにまた勉強をしなおしているとか。

そう言う事を聞いたんですが、どうしたもんか…

日記を見ていて、この続きがわからないことにとても悔しがっている自分がいました。

5人は先生から何か一言ずつ言葉をもらっていたような気がしますが(確か記憶ではその場に樋口は既にいなかったがいるものとして話していたはず)

主人公の藤谷は胸を張って卒業するんだと思われた。

まあ、ここまで分かったらそれでいいけど、樋口はどうなってしまうんだろうね。

僕だったらどうするかな?恐らくは

自分が、本当に困っていたとは言え覚醒剤に手を出してしまったという葛藤に耐えられなかったと思う。

樋口さんと同じように大学を辞めてしまったと思う。

医科大学は6年だから卒業は24歳、そこから2年間は研修だから医師として活躍する事には最短で26歳。

当時樋口が何歳だったか忘れてしまったが、あと一年、休学なり何なりできなかったのか?それとも他の4人と一緒が良かったのか。

プライドだったのか。

他の選択肢が無かったのか。おそらくはこれだろうが。

物語の後半ではかなり樋口さんは追い込まれてしまっていました。部屋も追い出される寸前ぐらいの勢いだったと思います。

恐らくは落第=退学だったんでしょうね。

経験者としてよく分かります、その心境はね。(僕はちゃんと卒業したけど…)学生時代苦労した経験から、落第=退学は本当に自分の背中にあります。

立ち止まれば退学という文字に飲み込まれてしまいそうになります。

だからその一年は振り返らずにただひたすら前を向いて走りつづけるだけなんです。息つく暇も無く。

春に咲く桜の色を見てもピンク色に見えないんですその年は、灰色にしか見えないんですよ。

マジで。

多分自分の脳が、そういったものを楽しんだり、情緒的なものを感じたりするのを切り離した状態にあったんだと思います。

感覚不全や色弱ではないはず。

次の年には普通の何倍も綺麗に見えましたから。

それはさておき、結論の分からないドラマでしたが、当時のそのドラマにすごく感情移入していたなと思いました。

結構その当時はおもしろいドラマが多かった…?ような気がします。

「若者○すべて」とか「ロ○バケ」とか「ラブ○ェネ」とか「私○運命」とか「フォ○ユー」とか「一つ屋根○下」とか、「星○金貨」とか。

最近はどうかな?

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2010年1月10日 (日)

ねむすぎて

考えがまとまらない…
今日帰って来たのが朝の4時。そして昼の三時には出勤…眠い!
今日はこれだけ!
また明日頑張ります

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2010年1月 9日 (土)

もののけ

あまり、メッセージ性の強い作品は好きではないんです。正直なところ、何か怒られている気分になります。

若いときほどそんな気分になりました。

今はもっとひくつになっています。そうですね言うなれば

「こんなメッセージを流したところで、どれほどの人間に伝わるんだ…」

と少なからず思ってしまいます。

もの○け姫が公開になったのはよく憶えてないのですが、高校生の時だったと思います。

まだ見ていなかった僕は、世間で盛り上がっているのが気に入らなかった。

構想に13年かけている。

「生きろ。」というキャッチコピー

総セル画枚数ダントツ歴代トップ

というCMを見ると

何か大仰で、流行っているのが何かの戦略で、それに便乗させられているように感じました。

この頃からかなり捻くれていたんですね。

単純なくせに、素直に楽しみ始める事ができなかったんでしょうね。

とはいえ、当時の彼女に無理矢理ですが一緒に見に行かされたのです。

当時はあまり考えない性格だったので、ただ単純に主人公のヒロイズムに「カッコイイな」と思っただけでした。

それから一年後くらいにテレビでたまたま見るときがありました。

そこからですね。

何かが違う。映画館で受けた印象と全く違ったモノになって感じられました。

この作品の見どころはたくさんあって、回数を見るごとに気づかされました。

主人公のアシタカの活躍はもちろんです。この人物がキーマンとなって物語を常に左右していきます。

実はヒロインのサンについてはそれほど大きなウェイトをしめていない。この作品のテーマに恋愛のエッセンスが入っていないからです。

アシタカと接することによって彼女は少しずつ人間らしさを手に入れていきます。それも見どころの一つです。

エボシについては理系的な考え方を持った現代人にとてもよく似た存在ととっていいでしょう。彼女こそは「もの○け姫」の世界と現代を結ぶ存在なのです。

恐らく、彼女の考え方が全く理解できない人は現代にはいないはずです。

「古い神がいなくなれば、もののけ達もただの獣になろう。森に光が入り、山犬どもが静まればここは豊かな国になる。もののけ姫も人間に戻ろう…」

という言葉は現代人の考え方そのものですよね。

「シシ神の血は、あらゆる病を癒すと聞いている。大病に苦しむあの者達を癒し、そなたの痣を消す力があるやもしれぬぞ」

と言ってアシタカをたたら場に誘うシーンがある。

これも人を描いた大事なシーンです。木を切り山を崩す長であるエボシだが、悪人という訳ではない。

この物語で最も重要な人物はもう一人の現代人であるジコ坊なんですよ。ひょっとしたら登場人物のなかで一番彼を描きたかったのではないかと僕は思ってしまいます。

彼は登場してからほぼ最後まで人を利用し倒します。

まず登場では、「お、きたきた…」と言って主人公に近寄っていきます。先回りして彼を待っていたようです。このときは、先の戦で助かった礼が言いたかっただけかもしれないですが…

その村落で砂金の大粒を大衆の目にさらして主人公に米を手に入れさせ、村人の欲を誘い、彼らから逃げると称して二人になり、アシタカの話を聞くことによって、

「何ともさゆ(暖かい水)みたいな飯だな…」

と言っていたのにその晩はガッツリ米にありついていた。

次の登場シーンではシシ神の森にて天朝様の書付を見せる事によってサイゴクジの狩人に言う事を聞かせていた。

天朝様はシシ神退治を命令していたようです。

そして再び現れたのはたたら場で、エボシに接触した時でした。

天朝様の書付を持って協力要請にきたのでした。

「やんごとなき方々や師匠連の考えはわしには分からん、分からん方がええ」

分からない振りですね。完全に知っているからこそ、分からん方がいいのです。

権力欲に取り付かれて永遠の命を欲する。と言ったところでしょうか。

エボシはシシ神を倒せば、森の攻略は易くなると考えてその協力に乗る。

そしてジコ坊は師匠連を率いて、エボシに一緒に森に入る。

狡猾なジコ坊はシシ神殺しは初めからエボシにやらせるつもりだった。祟られたら嫌なので念の為だった。

そしてシシ神をエボシが撃ち取り、首桶に首を入れて運ばせる。

途中で運び手が魂を持っていかれてしまい、自分で運ぶ事になったが。

その時でも

「天土(あまつち)の間にある全てのものを欲するとするのは人の傲だと思わんかね」と人とはそういうものだと言ってアシタカから逃げようとする。

いよいよ追い詰められて最後、首をディダラボッチに返す時も主人公とヒロインに返してもらった。最後の最後まで

「朝日よ、い出よ!」

とか言って逃げ切ろうとしていた。

そして、首を返してから

「いやーまいったまいった、馬鹿には勝てん…」

この言葉の真意はわかりませんが、

彼は首を返す時に「もう手遅れだ!」と言っていた。

僕なりに考えてみたんですが、あそこで首を返すという選択肢は賭け以上に終息の見られない事だったと思われるのです。

つまりは、首を返すと言ってもディダラボッチの体に触れてしまうので魂を吸い取られると考えるのが普通。

首を切り離して生きているものはほとんど存在しない。鬼も首を切り離したら死ぬと言われていますからね。

だからもう首は元には戻らないと考えるのが正しいはずなんです。

(山犬は少し生きていましたが…)

それを、死を覚悟してでも首を返すというのは、

自分は常に安全な場所にいるジコ坊からは馬鹿にしか見えなかったのではないだろうかと思うのです。

結果として命を取り留め、事態も終息しましたが。

もちろん、彼も師匠連や、天朝様に逆らう事はできないでしょうが、最悪でもあちこちピンハネするつもりではいたはずです。良ければ自分の物にしたかもしれません。

じゃないとやってられないですよね。こんな仕事。

という風に登場人物で見ていくと

「生きろ。」なんてとても薄い気がしますよね。作品の雰囲気は何となくそれがマッチしそうな感じではあるけども、やっぱり違うような気がします。

どうも僕には主人公とヒロインのロマンスは薄いように感じるのです。

アシタカがサンに「死ぬな…」と言うシーンがいくつかあるんですが。ロマンスがあって絆ができて、はじめて「生きろ。」というコピーがマッチするんだと思います。

作品中で描かれている愛は愛は愛でも人物愛ですからね。

とはいえ、

確かに「生きろ。」はキャッチコピーとしてはかなりのもので、誰もがはっとするコピーではあります。

別に糸井さんが嫌いな訳でもないですし、すばらしいコピーだと思います。

僕は「生きろ。」と書いてある以上テーマが生命だと思っていたので、ある意味拍子抜けしてしまった事実がありました。

そう思いながら一回目映画館で見たから気がつかなかったのですね。

まあ、命について、全くテーマに含まれていない事はないですが、この強力すぎるコピーのせいで、イメージが先行してしまっていたのですよ。なまじ映像の雰囲気がマッチしてしまっただけに。

宮崎先生がそのコピーを見てどういう風に思ったかは分からないですが…

僕はミスリードに近い感じを受けました。

皆さんはどうだったでしょうか?

テーマは

「人間の欲と傲慢さがもたらす調和の崩壊」

というのが恐らくしっくりくるのではないかと考えますが。

そこから生み出すコピーは…そうですね。

「そなたも人間だ…」

でどうでしょうか。

もうずっとこう考えていました。

恐らく「もの○け姫」は何百回と見ています。

この作品は好きですが、それについてあれこれ調べたわけではありませんので、実際がどうかなんて全く知りません。

僕が勝手に思った事、感じた事を書いただけです。人によっては全く違う意見を持っているかと思います。

僕が「もの○け姫」を見て、とても好きになったのは少なくとも上のように感じたからです。

この作品は単に自然を、動物を大切にしろと言っているのではなくて、地球上のものとの調和の心を忘れてはいけないのではないか、という問いかけになっているように思います。

だから、メッセージ性が強くても、叱られている感じを受けないんだと思います。

モロとアシタカのからみもかなり面白いものがありますがここでは遠慮します。

以上、捻くれ者の僕が勝手に自分自身で導き出したこの作品の答えでした。

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2010年1月 8日 (金)

違うんです。

このブログを書いていると、普段からこんな小難しい事を考えているように思われるようです。

いや、事実こんな小難しい事を考えているわけですけども。

それを普段からみんなに話しまくっているわけでは全くないです。プライベートでも話すときはまず無いです。

もともと、このブログは毎日書いていた日記をWebで、読んだ人が分かるように描写してるだけの話で、

日記だから、普段考えてる事が中心で書きますし、僕自身が感じている事や感じた事が中心になっているのも当然の事だと思います。

でも、確かに、ウェブログはもっと気楽にやるものかもしれないですね。

有名人のブログ、このココログも有名人の方々が複数名使用されているようですが、何度か見た事があります。

その方は写真を載せたり、ポッドキャストをつけたりといろいろ工夫して面白いブログになっていました。

それぐらい気楽な方が続くのかも。

でもそれらは、体が既に僕とは違うんですよね。

何か、多くの人に見てもらうために、いかに面白い、楽しいブログにするかというのが前提にあるような気がします。

あるいはその逆、楽しい面白いブログだからこそ多くの人に見てもらえる…か。

(同じようなものか。)

分からないですよ、実際は違うのかもしれないですが、僕はそう感じます。

僕のブログはそんな事を前提にしていません。

あくまで、日記の延長線上です。

じゃあ何で公開しているの?

どうでしょう、大きな理由はないですけど、

楽しい事や、話しづらい事とかはどうしても会話だと長くなってしまうんですよね。そういう時間がない時に

「あ、詳しくはブログみてください、そこに大よその事は書いてますんで。」

と言えたら便利だし、

過去の経験や、体験を紙媒体ではなくてデータとして残しておくのも一つだと思うし、

(ノートだと多くなって保管場所に困るし、捨てるに捨てられないしね。)

あと、何でかな、日記よりもやってて楽しい。

そりゃ、日記を書くよりも時間はかかるし、バックナンバーは見づらいし、著作権や、ネタバレに気をつけないと、監視に引っかかることもあるかもしれないけど、

ひょっとしたら、「自分のブログ見て同意してくれる人がいるかもしれない」とか、「反対意見だけど、この状況はある程度仕方が無いかも」とか考えてもらえたり、

「なるほど、こういう考え方の人もいてるんや」とか思ってもらえたらいいな。と単純にそれだけですね。

あまり、自分の声を発信しているというよりは、概ね、「こんなことがあったんですよみなさんはどう思います?」的な感じでやっているつもりです。

違う時ももちろんありますけどね。

少し前に気がついたのですが、僕ってストレスをあまり溜めない人間なんですよ。

それに気がつくまでストレスを感じにくい人なんかな、と勝手に思っていましたが、そんな人間いませんよね。

恐らくは何らかの方法で発散させているんでしょう。

学生時代は部活に打ち込むことであったり、筋トレであったりしたんでしょうけど。

最近は多分に会話の中で発散させているようです。

だからといって、周りに当り散らしている訳では全く無いです。そうした事は一回もありません。

聞いてくれる人に同意を求めるのです。

それも、嫌な事も嫌なように聞こえないようにギャグっぽくして相手に聞いてもらいます。(半ば本気ですが、どこまでがそうなのかわからないレベルまで会話のレベルを下げます。)

だって嫌な話って誰も聞きたくないもんですからね。

「さっきね、○○で△△なことがあったんですよ(笑)普通そーゆー時って□□ですよね(終始笑)でも★★は△△を選択したんですよねー。お前は●●かっちゅーねん!(笑)」

みたいな感じです。(笑)の部分は別に作ってる訳じゃなくて、既に僕も話しててちょっと面白いと思ってるんです。

こんな会話はよくしているので、誠先輩とかは「ああ、そういやこんなん言ってるな」と思われると思います。

他の僕を知っている人もそう思うと思います。

でも、僕自身も最近気がついたんですよね。

これで同意してもらえるか笑ってもらえるかするとかなり発散になってるんですよね。

立ち直りも早いし、打たれ強い。

そういう僕の強みはこういうところから来ているのかなと考えたりもします。

何が言いたいのかというと、

ブログを書くことによって、その笑いとか、同意を得たいなと考えているのかもしれないということです。

もちろんコメントを書いて欲しいとか、そういう事ではなくて、読んでくれた人がそう思ってくれたらいいなーと思いながら書いているって事です。

もともと文型人間なので、文章を人に見てもらうのが好きなのですよ。

特に文章に自信があるわけではないですが。

とりあえずは毎日、文章として成立させて書いているつもりです。

読んでくれる人がどれだけこの小難しさについてこれるかですよね。

小難しくしているつもりは全くないんですよ。

僕自身は楽しんで書いていますので。

いつも読んでくれている方、何名かいらっしゃいますけど、本当にありがとうございます。

定期的に読んでくださる方がいる事で、少なからずうれしいし、UPする力にもなっています。

もっと文章力を上げて分かりやすいブログを目指しますので、これからもどうぞよろしくお願いします。

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2010年1月 7日 (木)

おおきく

振りかぶってというマンガがある。

それは高校野球が舞台になっていて、新設野球部が地域の強豪相手に、自分達の武器を最大限発揮しながら勝ち上がっていくという…

いわゆる「青春モノ」と呼ばれるマンガなんですが。

アニメ化もしているようですが見ていません。

マンガは、こういう風に描いているんだと思いますが、割と荒っぽい線です。それが、チームや試合の泥臭さにとてもマッチしていて、マンガの雰囲気をより一層高めています。

引っ込み思案で思ったことを言えないピッチャー。一応主人公。三橋

強気でクールで思慮深いけど、いざという時感情を抑えきれないキャッチャー阿部

素質に恵まれて、実力はダントツNo.1だが体格に恵まれなかった4番田島

体格、素質共に恵まれているがまだ未開花の5番キャプテン花井

高校野球が大好きでそれに人生を捧げてもいいと本気で考えている女性監督

このマンガの特徴は、主人公たちがまだ1年生だから、いつでも負ける要素がある。

そして相手はもちろん3年生もまざっていて、ここまで来るまでのドラマが描かれる。勝ってしまう要素もある。

この作品は「いつでもコロっとチームは負けるよ」というのがあって、そのギリギリでせめぎあっている。

作者も本当に野球が好きなんだなと思う。

勝ってるほうも負けてる方も野球の醍醐味というか、本当に面白いところはどかなのかがポイントをついて描かれている。

まだ13巻までしか出てないけど、これは名作になる。

そんな気がする。

何でこのマンガを紹介しようと思ったかというと、最近、実はマンガからかなり離れていたので、このマンガは「アフター○ーン」で連載しているので、刊行されるのがかなり遅いのですが、たまたま今日書店に行った時に5冊ぐらい出ていたので

「しまった、こんなに溜まっていたのか…」

と5冊買いました。今の本って550円もするねんな…

欲しい本と含めて6千円近く、これは痛い、が

「まあいいか、本とであうのは運命やしな、今日買わなかったら次いつになるか分からんし…」

いつも本を買うときはそうだ。

その話は置いといて。

そして、今日はマンガを読む日にした。というわけ。

そこで何気なく読んでいて。12巻の中頃で

攻撃の回に田島君(No.1)が花井君(未開花)に

「お前の実力みせてやれ」

と何気なく言うシーンがあるんですが。

花井君から見たら田島君は素質に恵まれていて、正直ライバルにもなっていないというのを意識している。

実際そうで、花井君は田島君に追いつくために日々努力しているんだけど、

花井君が思っているよりも田島君は花井君の事を評価している。それを象徴している一言だったんです。

田島君はあまり花井君に対して誉める類の事は言わないので、多分今回もそんなつもりで言ったことではないんでしょうけど。

いいですね、こういうの、ぞくぞくします。

そこで恒例ですが、自分の現役の時を思い出すんですよね。

僕は中学の時はレギュラー当落線上にいたことは以前も言っていたと思います。

高校の時は弱小高校だったのでポイントゲッターをしていましたが。

中学校の時は体格も小さかったし、決め技も無かったので投げられない事だけでした。

だからエースと呼ばれる子に顧問の先生が

「お前の実力みせつけてやれ!」

といって背中を叩いて送り出すのをすごくうらやましく思っていました。

僕の実力を見せる=最後までポイントを取られずに引き分ける。

エースの実力を見せる=相手を倒す。

僕はだから言われた事が無かったのです。せいぜい

「お前は普段通りやればええ」

だった。

一度でいいから言われてみたかったな。

とはいえ、言われたら視野狭窄になったりして…分からんけど。

実際、柔道をしてなかったら野球してたと思います。

でも野球してたら今の僕は無かったと思うので、何が良いのか人生わかりませんが。

野球は本当に好きです。体が二つあったら絶対野球部に入ったと思いますが。

どんなだったろうか。レギュラー取れたかな?

体小さかったからそれは難しかったかな?

高校入って大きくなったけど野球部でやっていくにはちょっと体は小さいか。

ガタイはいいけど。でも野球をやってたらきっと野球の体系になってはいたとは思うけど。

あ、いいなこれ、今度SFもののネタの参考に考えてみよう…

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2010年1月 6日 (水)

どこかで聞いた事のある話

数年前、僕がまだアルバイトの時、同じアルバイトの後輩の男の子がいました。

複数人いたんですが、一番仲の良かった後輩でした。

その子がある日

「○○さん!オレ、今度女の子紹介してもらえる事になったんです!」

と声を弾ませて僕の方に駆けてきました。

その子は高校3年生の冬にうちのアルバイトに来てて、もう3年が過ぎようとしている頃でした。

高校から付き合っていた彼女と去年別れて、というか一方的に振られたらしいのですが、気持ちの整理がついてきて、そろそろ彼女が欲しいと考えていた頃の話でした。

「おお!すごいやん、よかったな。あの頃はほんま死人みたいになってたもんな」

「いや、ほんまそうっすよ。バリテンションあがりますわーハハ」

「誰に紹介してもらうん?」

「大学のツレっす。そいつモテモテのやつなんですけど彼女いてね、なんかしつこい女がおるらしくて、そいつに男紹介するって言ったら割とすんなり受け入れたらしいんすよ。」

何か危うそうな話やな…

「それが君ってこと?」

「そうっす!」

「それ、ジャイ子やったらどうするん?」

余計な事とは思いながらも言ってしまった。

「え?いや…考えた事なかったすね。そういわれてみればそうですけど…でもツレはマジでイケメンなんですよ。レベル高い子来ませんかね?」

「いや、そのツレがどんだけイケメンでも寄ってくる子がレベル高いとは限らんやろ?たとえば「小池くん」が好きな男(ゲイ)がおるんと同じことやと思うで。」

「あ-マジそうっすね…」

「今度シャメ送ってもらったら?文明の利器を活用せんと、こんな時こそ!」

「そうっすね、まだ喜ぶのは早いっすね。ありがとうございます、早速ツレに送ってもらうようにメールしときます。」

次の日

「○○さん!ツレからメール来たんですけど、ちょっと見てもらっていいですかね?」

「いいけど君、結構オープンな子やねんな。僕やったら絶対他人には見せへんけど。」

「いや、でもね、マジ微妙なんですよ。ちょっと判断つかないっていうか…」

「ふーん。いいけど」

おもしろそうやし。

「これなんスけどね…」と言って携帯を開く。

「…これは…微妙やな…頑張ったらかわいいと見れなくもないけど、奇跡の一枚の可能性もあるで…」

以前の記憶が蘇る

「そうっすよね…うわーどうしよ…」

??

「どうしたん?」

「いや、ちょっとオレ、先走りましたよ…今度の土曜日会う事にしたんです。」

「ひえー!君すごい行動的やな。」

「いや、メールとか実はしてて、何かめっちゃいい感じなんですよ」

「え?メールもうしてるの?じゃあいい子ねやったら会ってみるんが正解やろ」

「えーでもこの写真っすからね。」

「でも約束してんやろ」

「はい…」

「じゃあ行かんとあかんやんか。」蘇るつらい記憶…

「そうなんですよねー…」

「それに僕から言っといて何やけど、奇跡の一枚じゃない可能性だって大いにあるやんか、『写真?こんなん適当でいいわ』みたいな子かもしらんやん。

ちなみに僕はそうなんや。だって頑張って写真撮っても僕の場合あんまり変化無いねんもん。頑張るだけしんどいわ」

「なるほど、そういう考え方もできますね。」

「でもメールで盛り上がったんやろ?そしたら性格とか合いそうなんちゃうん?」

「いや、性格とかそういうんじゃないんですよ。」

「え?じゃあどういうの?」

と聞くとメールの内容を見せてくれた。この子本当にオープンやな。

「見てええの?」

「○○さん判断してください。」

「判断は君やろ、じゃあ僕は参考意見ってことで…」

内容は週末のイベントについて楽しみだというのと、後輩の写真をずいぶん早い段階でもらっていたらしく、それについてカッコイーと書かれているものが大半だった。

シャメについてもかなり頑張ってから送ってもらったようだった。何回か話題をスルーされててようやく、といった感じだった。

他の話題は無かった。

おいおい、これのどこが盛り上がってんねん…

「これ、件数は多いけど話題は二つだけよな…」

「…そうっすね」

「盛りあがっとるとは言いにくいなこれ。」

「そうっすか?」

「だってこれ君、写真褒められて、うれしくてテンションあがってもてるから、気が付かないというか、考えない事にしてるんかも知らんけど、話題は週末のデートと君がカッコイーしか書いてないやん。

盛りあがるっていうのはな、たまたまでも共通の話題があって、それについてとかで、『あーそれ僕も!』とかってなってメールが止まらないって状態やんか」

「!!ほんまそうっすね!」

「やろ?どんな子かこれだけでは判断できひんて。」

「そうっすね、お互いの事全く話してないですわ。」

「君の方からは結構振ってるのにな…」

後輩の方からは話題を広げようとはしていたが、ことごとくスルーされている。

「やっぱり実際あってみないと分からないですかね?」

「結論はそこやな。」

と結局会う事を薦めた訳だけど、以前の僕の記憶からはNO信号が出ていた。何か引っ掛かるというか、あくまで勘みたいなものだったのでその場ではそれ以上は言わなかった。

日曜日

後輩普通に登場。

「どうやった?」

「…今は仕事に集中したいんですけど…このあとラーメンでも行きませんか?その時に話しますんで。」

「分かった…」うーん分からん、落ち込んでいるようにも見えるし、普通に見えなくも無い。

テンションが高いわけではないし低いわけでもない。

紹介の子とうまくいった訳ではないんかな?

というのが僕のアルバイト中の観察結果だった。

ラーメン屋

「で?どうやったん?」

「○○さん、本当プライベートやったらキャラ変わりすぎですよ…」

そんなんはどうでもいい

「うまくいったん?」

「それがね…あの写真詐欺ですね。」

「やっぱり…すごいの来た?」

「すごいのっていうか…写真はホンマ○○さんの言った通り奇跡の一枚っすよ。どうやってこういう風にとってん、って思いますよ。」

「そんなに?」そんな気はしてたけども…それ程とは…

「オレね、あれだけ言われても結構期待して行ったんですよ。そしたら電車で向こうが気が付いたらしくて、肩叩いてきたんですよ。」

万事休すやな…「それで?」

「最初何かな?って思ったんですよ。」

写真と全然違うからか

「そしたら『□さんですよね?』って言ってくるんですよ。それがもう終わっててね、実際写真よりもっとぽっちゃりっていうか、ぼっちゃりっていうか。もう見た瞬間テンションめっちゃ下がりましたよ。」

「確かに、シャメとそんなに違ったらテンションも下がるよな。んで?どうしたん?」

「いや、それだけです。」

「え?どっか行ったんとちゃうん?」

「いや、オレが無口だったんで、目的地に到着してずっと下向いてたら、向こうが乗り物酔いしたん?って聞いてきたからそれに便乗してちょっとベンチで休んで帰ってきました。」

「え?どういう事?」

「え?そういうことですけど?気分悪くなったから今日は解散でって事で…」

「お前マジか!?」

「それからメールとか結構入ってきたけど返さんとずっと無視ってます。」

「心配のメールとかやろ?」

「そうっすね。」

「えーお前あかんやろーそれは返さんとー!」

「ええ!でも、じゃあまたメールせなあかんかもしれないですけど…?」

「アホか、向こうは楽しみにしててんやろ?」

「…はい」

「体調悪そうやから気遣ってくれたんやろ?」

「はい、まあ…そうっすね」

「その後からもメールで大丈夫か来てるんやろ?」

「来てますね。」

「見た目はどうか知らんけど実は結構いい子やんか。シャメをごまかしてたんはあるやろけど。それよりも無視の方が酷いぞ!」

「やっぱマズいすかね?」

「そこは正直に、実際会ってみて好みじゃなかったのでってメール送らないと…」

「いやでもそんなん送れないっすよ」

「あかんって、だってきみドタキャンして帰ってきてるんやで?向こうは楽しみにしてたのに」

「でも無理ですよ」

「何が無理なん?」

「送れないですよ、そんなメール。」

「何で?」

「いや…」

「プライド?」

「プライドっつーか…」

「分かった。出会ってすぐ帰ってきたから、その後でそんなメール送って傷つけるのが嫌ねやろ?」

「…そうっすね。できたらこのまま自然消滅ねらいたいっすね。」

「あかんで、そんなん。無視する方が余計傷つくっちゅーねん。君、自分はいい人間でいたいと思うんかも知らんけど、それやったら間逆やで。君逆の立場やったらどうよ?」

「無視されたらっすか?普通にムカつきますね。」

「それに切なくなるやろ?」

「そうっすね。」

「向こうはちょっと君にいいなって思ってたんやろ?メール見る限りでは。」

「そうっすね。」

「それやったら、やっぱりちゃんとけじめつけたらないと逆に酷い奴になってしまうで。」

「…ああーでもな…何て書いたらいいか分からないっすわ」

「『心配ありがとう、メール返さなくでごめん、実際あったけど僕の好みとは会わなかったからそういう関係にはなれないと思う。メールはこれで最後にします。ゴメンありがとう。』っていうのをオブラートに包んで書いたら?」

「もう一回言ってもらっていいっすか?」

とメモをトートバッグから取り出す。そして僕はもう一回どころか何回も言った。

「でもな、これだけ言ってきてなんやけど、結局送るかどうか決めるのは自分やからな。文章も僕が考えたんじゃなくて、君が考えたのを送るべきやと思うし。

家帰ってやっぱり止ーめたってなってもそれはそれで君の判断やと思うから、それでいいとは思うで。

実際もう会わへんねやったら少しぐらい悪者になってもそれぐらいは男の勲章ぐらいに思ったらいいとは僕は思うけどな。参考やで、強制はせーへんわ。」

「分かりました、家帰ってから結論出しますわ。」

「それがいいわ。ちょっと僕、自分の意見推しすぎたわ。ごめん。」

そして僕らはラーメン屋を出た。

彼は三日ぐらい本気で悩んでいたようですが、四日目ぐらいにB専とD専両様の友人ができたらしく、その子にお詫びのメールと男を紹介する事を伝えて丸く収まったらしい。

相っ変わらず僕のアドバイスは空回っていたようです。

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2010年1月 5日 (火)

駅伝っていいなと思う。

毎年、この時期には箱根で大学駅伝があります。先日も行われました。

ニューイヤー駅伝は残念ながら録画するのを忘れてしまっていた。箱根駅伝で活躍した今井君が出場するので是非見たかったのですが、気が付いたときには日清食品が優勝していた。

ああ…やってしまった…。

年末の疲れが溜まっていたので朝起きるのはもちろん、録画するのさえ忘れていた。

ネットで探してみるしかないな…。

そんな失敗があったので、その場で箱根駅伝は往路復路ともに録画予約しました。

で、昨日は往路を見たので、今日は復路を見ました。

東洋大学は柏原君の「新・山の神」的な活躍が今年も見られて、今井君の時ほどではなかったけど、めっちゃドキドキしました。(タイムは柏原君の方が早い)

東京箱根間往復大学駅伝という名目なので、僕たちの地域の大学は全く出ていない。だから特にひいきの大学が無い。フェアな視線で見守る事ができるのが僕にとってはいい要素なのだと思います。

去年の彼の活躍を見て、今年もあの箱根の山をぐんぐんと登っていくのかと思うと、もう何日も前からワクワクしていまいた。

少し逸れますが、「山の神」と言われた今井君と「新・山の神」と呼ばれる柏原君、なぜ今井君の方が鳥肌が立ったのか考えてみたんですが

走っている時の顔、でしょうね。今井君の方が顔つきが楽しそうに見えたんですよね。あんなに傾斜のきつい山道を顔色変えずに上っていく、サクサクと前の選手を追い抜いていく。平気な顔をして。

そういうのを見るとゾクゾクっとくるんですよね。

僕にとって今井君はそのパイオニアだったからかもしれないですね。

で、今回の箱根駅伝に戻りますが。

毎回始まる前に全員ブレーキなく完走して欲しいな…と思いながら見始めます。

予選会から頑張って出場してきたチーム、シードとして今年も出場できるチーム。いろいろありますけど、

特に予選会から上がってきたチームには本当にドラマを感じます。

今回でいうと城西とか法政とか駒沢大学も今回はそうです。城西の石田君は去年ブレーキをかけてしまったので今年も走っている事に感動しました。しかも堂々と走っていました。

去年から今年にかけて走る度に葛藤があったはず。でも、それを乗り越えて今回はタスキを渡す事ができました。

ジーンときちゃいます。

最終的に城西大学は6位だったかな?大健闘ですよね。ここまでくるのに大変な努力をしたんだろうな…と思います。

今回の駅伝では残念ながら9区で亜細亜大学の船村君はタスキをつなぐ事ができなかった。

トップの東洋大学とのタイム差が20分以上になってしまったからだった。

彼はヒザの怪我で手術をして地道にリハビリをしての出場だっただけに見ている僕もとても悔しく思いました。

一生懸命走って中継所に行っても誰も待っていない…

タスキを繋げられないというのは、見ていてとても切なくなります。走っている当人たちはもっとでしょう。

船村君はとても心に大きな傷を持ってこれから走る事になると思います。本当は彼だけではないんですが、繋げれなかった当人は気にしてしまうもんです。

何とか彼を含め全員乗り切って、来年、いや今年の予選会や他の大学駅伝大会でも活躍してもらいたいです。

中央大学についても三大大会制覇の夢があったんですが、それはまた来年に持ち越しですね。

でも中央大学の底力は見せてもらいました。あの喰らいつきは王者ならではのものだったと思います。

地味ですが早稲田も強かった。

明治は、4区までが順調だっただけにちょっとドキドキしましたが、最終的に10位で何とかシードには入れました。これも底力でしょうね。

東洋大学に関しては書く事が他にない。全員自分の力を出し切れてた。ああいうチームは本当に強い。それもこれも5区の柏原君がいてこそ、計算がたつというものでしょう。

7区の田中君も区間新でゴールしていましたし、トップということもあって、のびのび走っている印象が強かった。やっぱり楽しく走るのがいいよね。

最後に復路優勝した駒沢大学ですが、自力が違いますね。本当にすごいです。

昨年まさかの16位に終わって僕も絶句したのを覚えています。

今年見事に復活、総合2位です。山梨学院も頑張りましたが駒沢大学の宇賀地君、高林君、藤山君はさすがの貫禄の走りだったと思います。

彼らは4年生だから次は出場しないですが、駒沢大学はやはり、今後も目の離せないチームになりそうです。

ちなみに、予選会13位で出場できなかった、「山の神」今井君の出身大学、順天堂大学についても頑張って来年は出場して欲しいですね。

今年もとても感動しました。みなさんお疲れ様でした。ありがとうございました。

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2010年1月 4日 (月)

昨日の続きですが

まあ、そういうわけで、「性格どうなん?」っていうのを総称して「ジャイ子」と呼ぶようになったんです。

それから3人ぐらいかな?紹介してもらったけど、その前には「ジャイ子」が来ないかどうかとても気にするようになってしまいました。

何でしょう、何か怯えるようになりましたね。

それは、時間が無駄になることであったり、振られる事の恐怖であったり、正体不明の存在と接触する恐怖であったりするのだとは思います。

でも、それって紹介なら普通の事ですよね。

見た目も悪いし中身も悪いなんて言ってる時点でサイテーですよ本当。

人にはそれぞれ、それまで生きてきた経験があって、教訓があって、理由あってその状態にあるのに、それを最大限に汲み取る努力を放棄しているんですよ。僕は。

世間とは少し違った常識を持っている存在は世間からハブにされます。

僕はそれが嫌で常識をできる限り集めました。そして自分の中に取り込んでいきました。

でもそうやって得た常識の殻を取り払ったとしたら、自分はやっぱり、社会常識とは違う存在、非常識な存在でしかない。

そういう殻をわざと外して相手と接する時もある。冗談の時もある。

殻をうまく見つけて装備することができた人はそれでもいいほうだと思う。

殻を見つけれる環境に無くて、社会常識を得ないまま生きてきている人はどうなんだろう。知っているかそうでないかの違いで相手に嫌われたり、先入観をもたれたりする。

その分相手を傷つけたりもする、最も、本人はそんな事全く知らないし、多くの場合、他人の事なんてかまっている余裕の無い人が多い。

これについては知っててもやってしまう事がしばしばあるのに、知らないと尚更です。

周りの人間が大人な対応をしてきて、始めてその人は気づいて学んでいくのです。

僕もその口です。まっだまだ未熟だからいっぱい傷つけてるかもしれないし、落ち着いて行動する事だってできない時も多い。

でも、分かっていても人の批判はしてしまう。自分が気をつけようとしている部分ほど、他人ができていないと目に付いてしまうからだと思う。

と、自分なりに「ジャイ子」についても理解しようと考えてみた。

思えば、僕の妹も可哀想な奴なんです。生まれながらに「ジャイ子」として育てられてきたのだから。

三人目として我が家に生まれ、三人目にして長女、それはそれは、祖父母を含め、両親から可愛がってもらいました。

僕たち兄弟が学校や、日常生活やテレビなんかで学んできた常識を吹っ飛ばして、かわいがられました。

つまりは、悪い事をしても怒られない。変わりに僕たちが怒ると、僕たちが怒られます。どんなに妹が悪かろうと関係ないのです。

だから僕たち兄弟はどんなに理不尽に妹が振舞っても親に殴られるのに比べたら易いものだった、横取りや略奪、破壊なんて当たり前。どれだけ腹が立っても耐えるしかありません。殴られ、非難されるのはいつもこっちだからです。

「お前の方が何ぼも大きいくせに、何で我慢できひんのや!」

と、この一言で殴られて終わりです。兄の宿命とはいえ、その辺は見極めてもらわないとやってられませんよね。

兄弟で話し合って妹を諌めようとした時、言葉でしか対応しなかったが親から拳が飛んできた。

これはもう無理だ。

妹の前では正義も悪も無かった。

その妹がよくできた人間になるとは到底思えなかったが、やっぱりそうだった。

小学校に入学してからは破天荒な存在として名を派した。勉強もしなかった。誰も強制しなかった。したところで聴かなかった。

決定的な事は他人を思いやる事ができなかった。

他人よりも自分。ケチとかそういうのをぶっ飛ばしたところにそれがある。

他人のものは自分のもの。平気で人のものを持って帰ってくる。もらったと言い張る。

問い詰めると怒られる(こっちが)。悲劇のヒロインさながらです。

自分は優れていると思い込んでいる。根拠は全く無い。

事実もない。高校はおまけで卒業させてもらっていた。(次の年から運良く(?)その学校は廃校だった。一学年のみで後輩もいなかった。)

体重も70kgに達している、足もお世辞にも細いとはいえない。顔も、昔の田舎の人に近い(主観)整ってない事だけは確か。(男の僕に似ているとよく言われる)

そんな状態で、帰ってくればバイト先の人間の誹謗中傷、上司の悪口、自分がいかに優れているかの自慢。

こんな存在に育ってしまって…残念な奴め。

本当に残念なのは、その上司が言っている事が最もだという事。

そして恐らくはバイト先の人間もそうだろう。

世の中大人な存在の人ばかりではない。だから、しっかりと教えてくれる人なんてそうそういない。

よしんば、教えてくれても聴く耳を持たないと意味が無い。

妹は、既に僕たちの言う事には耳を貸さない。両親も、祖母の言う事も。逆切れしてしまって会話にならない。

自分で気づくしかないんです。

でも、多分無理だと思います。妹の方で受け入れる準備ができていないからです。

もう誰もあいつを止めることはできません。

思えば両親はどちらもACだった。

このままいくと妹もそうなるのは確実。

あいつは一度の結婚や離婚を通しても全くなにも学んでいなかった。相手が悪いと本気で言い張っていた。

「お前もあかんところあるんと違うんか」

と言ったが逆切れ。自分は完璧な存在だったみたいだ。ご飯も作らない、洗濯もしない、仕事もしない存在だったのに。

家事もできないし、仕事もすぐ首になってくる。(自分から辞めたと言い張っていますが)

若いうちは何とでもなるのかもしれないですが、

子供が生まれたら…

どうなんの。また繰り返すのか…

第三の「ジャイ子」が実は身内にいたんです。

子育てって難しいな。僕には今想像もできない。子供は好きだけど…それだけではまだまだ足りない。

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2010年1月 3日 (日)

満を持しての

ジャイ子Part2です。

前回は大学の友人からでしたが、次は昔のバイトの友人からでした。

「○○久しぶりやな」

「おお、久しぶりやな。元気しとん?」

「おう、お前も元気そうやな。」

「まあ、ぼちぼちっつーか相変わらずや。」

久しぶりの再会だったが、前日そいつからメールがあってファミレスに呼び出された。

「いきなりであれなんやけど…」

「さっそくかい!」

「今度オレ今度結婚するねん。」

「まじで!おめでとう!頑張ったなあ」

「おお、ありがとう。それで、お前に友人代表の言葉言って欲しいねん。ほら、オレ友達すくないからな、お前結構いろいろ結婚式出てるやろ?」

「そういうことか、別にええけど、そんなん電話でよかったんちゃうん?」

「いや、こういうことは会って話した方がええかと思ってな。手紙だけやと小さい紙入れるだけやからな。」

「そういえばそういう紙よく入ってるな。」

「お前はそうやろけど他のひとは違うぞ。」

「そうか~お前も結婚かー…どんどん同い年が結婚していくなー…」

「お前はどうなん?」

「僕?そんなんあれへんよ、状況的に作ってる暇がないわ。おったらええけどな。」

「今はおれへんの?」

「おらんな、まず出会いがないもんな。」

「実はな、もう一つ頼みごとがあってな…」

「!?」

「うちの嫁のツレとちょっと会ったってもらえへんかな?」

「え?それって紹介してくれるってこと?えらい降って沸いた話やな」

「…まあ、そういうことになるかな。」

「何か反応悪いな、どないなん?」

「いやな、ちょっとオレは乗り気せーへんねん。紹介したないんやけどな。」

「??どういうこと?」

「性格とかはよう分からんけど、とにかく見た目が悪いねん。」

「お前それは失礼なんちゃうか?何ぼなんでも」

「でもな、オレが思うに二十数年生きてたらある程度性格って顔に出る思うねん。」

「ややや、それはどうやろ。」

「ちゃうちゃう、別に形がどうこう出るとかじゃなくて、顔をよく見たら、こいつタカビーやとか、やさしそうとかなんとなく出てくるやんか。綺麗な人でもきつそうな人もおるし…」

「ああ、まあ何となく言わんとしてる事はわからんでもないな。」

「そやろ?断る?」

「でもそれだけ言われたら何か覚悟できてきたし、会ってみるだけでも会ってもええで?とりあえずでも会ったらええねやろ?」

「ほんまにええん?まじで助かるわ」

「別に、いい子やったらそのまま付き合う事もあるやろし。」

「…まあそうやな。」

というわけで、そこの払いはそいつがもってくれた。

後日、今度は大阪のエキスポランドで待ち合わせだった。

友人の嫁さんの実家がその辺らしい、地名を言われたと思うけど頭に入ってない。

テーマパークだった理由は僕が到達できるようにだった。

で、エキスポランドに4人で集合。

「おっす!ようきたな。」

「おお、起きるの大変やったわ。」

「これが嫁やねん。」と友人の嫁が会釈僕も会釈する。

友人の嫁と…こ、この子か…

そして紹介の女の子を紹介してもらった。

背はかなり低い140センチぐらいか…僕が176だから近くにいると視界には入らない、背は低いけど体系はぽっちゃりは通り過ぎていた。

確かに、友人の言うとおり、卑屈そうな顔をしていて、ちょっとゴルゴ13に似ていた。

むぅ…並んで見ると僕も(友人の)嫁がいい…

でも性格はいい子かもしれないし

「はじめまして、○○と言います。」

…返答無し、代わりに友人の嫁が

「初めまして、□□と今度結婚する事になった△△です。この子が…」

「はじめまして。」とここで会釈。

「はじめまして…」

「じゃあしゃべってても何やし入ろか。」

で、始めこそ4人で行動していたけど、そのうち(当たり前だけど)二人で行動することになった。

オロチとか風神○神Ⅱとか一緒に乗ったりした。というか一緒に乗ってはいたけど、後ろの席だった、「普通横やろ」と思ったけど僕の主観かもしれんと思って黙ってた。

もう全拒否モードか…?

そして昼はレストランっぽいところで食べる事になった。と思う。

(実際どこで食べたかまでは憶えていない。)

そこでテーブルだったんだけども、から揚げセットみたいなものを頼んで、その子はサンドイッチ的なものを頼んでいた。

テーブルは4人掛けだったが、斜め向かいで座っていた。

「どこに住んでるん?大学生やんな?」

「…大産大やけど」

「そうか、僕のツレも大産行ってるわ、○○って聞いたことある?」

「ないけど…」(即答)

何とか話をしないとこの子の人となりが見えてこない、と思ったので僕はとりあえず向かいに移動したのだが、トイレ?に行くと言って戻ってきた時には今度はずれて、また斜め向かいに座ったので「もうええわ」と思った。

「□□とは△△つながりで知りあったん?」

「△△は小学校から、彼氏はあんまり見た事無い。」

あまり会話も弾まず、食事が終わり、店を出る事になった。

もしかしたら自分を表現するのがめっちゃ下手な子なんかな?

僕は、知り合ったその日なんで「割り勘」だと思い込んでいたけど、レジに向かった時、僕が財布を取り出したらそのままストップせずに出口へ行ってしまった。

ええーオゴリですか!!まぁ別にいいですが…

そしてテクノスター(観覧車)に乗りに行くことになった。

いろいろ回っていたのでそろそろ日が傾いてきていたが、まだ夕方には早かった。

でも、もうほとんど乗ったし、これしかなかった。

プールはいくらなんでも無かったし。

もう向こうは完全にシャッター閉めてる。と思った。僕はイライラしていた。

無駄や、こんな時間…

けど、僕が何か最初にしたのかも?と思ったのでここ(ゴンドラの中)でもう聞くことにした。

「なあ、僕なんか悪いことした?あんまり口も聞いてくれてないけど。せっかく万博公園まできたのに楽しんだ方がいいと思うんやけど?」

「…私、ここには子供の頃から何回も来てるから楽しむものなんか無いねん。」

「あ…そう…家はこの近くなんや。」

「…」

YESってことか?

「…あんまり会話してくれへんけど僕のこと気に入れへんかったんかな?電話番号とかメアドとか教えてくれる?」

完全に社交辞令だったけど、言わないのはあかんと思ったので普通に聞いた。

「そういうの私嫌やねん、私あんたの事なんとも思ってないから。」

「…そう…」と言って言葉にならなかった。

始めからそうねんやったらそう言えよ!

こっちだって何とも思ってないわ!その手前でシャッター閉めやがって!!

と思ったが、言っても無駄だと思ったので黙っている事にした。

そして4人で再び集合した。

二人で文字通り公園で待っていると友人たちが帰ってきた。友人は

ものすごく「苦い笑い顔」をしていた。

そこで目についたのは、友人の嫁にあの子が何か小声でひそひそやっている…

しかも僕が見ているのに気が付くとふと視線を逸らしてまだひそひそしている。

なんやねん!何か腹たつわ!

「どう?」と友人

僕は答える代わりに首を振った。

また友人は苦い顔をした。

後日

「どんな感じやったん?」と友人

「どうもこうもないな、あのジャイ子、完全に僕の事相手に見てなかったわ。」

と経緯を話す。

「確かに、始めからなんか(ジャイ子)テンション低かったもんな。」

「僕、見た目はあまり気にせーへんねんけど、ジャイ子は二人目やわ。まじで今回は傷ついたわ。」

「やっぱりか。見た目にもう性格悪いの出てるもんな。しかし、あんな見た目でがっつり選ぶとは…」

「自分の事モデル並に綺麗と思い込んでると考えたら辻褄があったりするねんけど。」

「言われてみればそんな気いするな。あんなに胴も足も太いマメタンクやのにミニスカートはいてるしな、ぱっつんぱっつんやのに。」

「うそやん!それはあかんやろ」

当日はジーパンだった。

「まあ、あれに携帯番号とかメーアド断られるのは正直きついよな。」

「いや、まあそれもそうやけど、先に言って欲しかったな、無理やったら無理で。めっちゃ時間の無駄やんか、話すの下手な子かなって思ったっちゅーねん」

「ある意味下手かも知らんけどな。」

「…確かに」

また友人にご馳走になった。僕はいいと言ったけどどうしても払わせろというから…

そしてジャイ子Part2は終了した。

長!Part3は僕のい妹という事を一緒に書こうとしたけど

それはまた今度ということで。

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2010年1月 2日 (土)

正月だから

弟が帰ってきた。

家に帰ったら弟がすでにビール飲んでできあがっていた。

親父とかと話をしていたが、親父と話するのは嫌いなので、差しさわりの無い程度話をして、自分の部屋に戻ってきた。

その間約30分だったが、おばあちゃんは楽しそうだった。

親父は相変わらずな人でとてもイラっとしたが我慢する事にした。

何であの人はあんなのなんだろうか。恥ずかしいな、他でもこんな感じなんやろな。

しばらくして、弟は僕の部屋にやってきた。

前まで弟が使ってた部屋は、今は一番下の弟が使っているので、寝るところが無いので僕の部屋で寝る事になった。

で、夜通し弟と話をしたり、テレビを見たり。

楽しかったけどブログを更新している時間は無かった。

しかし昨日は寒かった。

おちおち寝てしまうと凍ってしまいそうな勢いだった。

それでも疲れが溜まっていたのか、いつもよりも早く寝たのに起きたのはいつもと同じだった。何ならもっと寝たかったが…

今日は箱根駅伝往路の日、ばっちり録画してる。起きたら始まってる可能性があったから。

案の定始まってて、一位の東洋大学は既にゴール手前だった。

あ、この子は去年区間新記録でゴールした子や。

今年も区間新らしい。

あの山の神と言われた今井君を思い出した。

どんなドラマがあったのか、帰ってから見るとしよう。

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2010年1月 1日 (金)

あけましておめでとうございます。

皆さん今年もよろしくお願いします。

今日は寒いですね。

家帰ってきたら部屋の温度が2度ですよ。

どんだけ!?

コタツに入って暖房入れて…

それでも寒い!猫も寒いから寄ってくるし。

とても寒い年明けになりました。

やっと年末も終わって残すは年始の人いない状態のみ。

なんとか今年も乗り切れた。

しかし、寝不足か、疲れはたまってるな。体が重い…

特に品だしする飲料が増えてたので足が筋肉痛だ。あと腕も。なまってるな。

今までこんな事なかったしな。

一人で飲料とか出す事も無かったけども。年末に

とにかく年末はおわった。

早起き?(いつもより)しないといけないので今日はこの辺で。

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