今日は親友から電話がかかってきた、「今から晩飯でも食わんか?」
先日の結婚披露宴でも一緒やったから、そんなに物珍しい話はもう無いんだけど、まあ、そんなに遊ぶ機会も無いだろうし、いいかな?と思って遊ぶことにしました。
やっぱり話題は例の結婚披露宴の話が出ました。ていうかあれからちょっとレミオにはまってて、最近使い始めたばかりのオーディオにベストを入れてたので、例の曲が流れたので、そのままその話になったのですが。
彼が言うには、10年ぐらい前にも近しい友人の結婚式に出たのですが、「あの頃と比べたら全然盛り上がった結婚式だったよな」とのことだった。
ということでこの前書いた「結婚式を盛り上げるのは・・・」の下りの話になって…
話は新郎の会社の上司の話になった。
新郎の会社の社長が…まあ要するに新郎のことをほめるのですが…
僕なら師匠を呼ぶでしょうけど。師匠にそんな、嘘でも褒められたら僕なら嬉しくて泣いてしまうでしょうね。
新郎は「いやいや、そんなことは…」といった謙遜の表情をしていましたが。
友人は「オレも、あんなん上司からいわれたらもうちょっとこの会社で頑張ろうって思うわ」と言ってました。
着眼点が変わってきたのかもしれないですね。
生活の真ん中にどうしても仕事があるから、仕事のことが目に入って仕方が無いのかもしれません。
つまり友人は、先日の結婚披露宴の話がしたくて僕を誘ったようです。
僕としては日常モードにすでに戻っていたのでその温度差を埋めにいくのに結構時間がかかりましたが…
レミオの曲はそのいいきっかけになったみたいでした。
友人は僕のようにスレてないので、ちゃんと結婚式で幸せな二人を見て「結婚っていいな」と思ったみたいです。
「ああいうのいいなあ、ああいうの見ると、自分も頑張ろうって思うよな?オレも彼女作ってはよ結婚しようって思ってしまうわ…」
「あ、ああ、そうやな…」といい加減な返事だけしておきました。
僕はそのことに関しては先述したとおりだったので、でも話を合わせることぐらいはできるので、一応そのつもりで返事をしたのですが…
もう20年来の付き合いなのでそんなことはお見通しとばかりに、
「まあでも、今のところ、拘束される感じがするし、ほんまに結婚なんて考えてないけどな。」
と言われてしまった。
この親友は、去年結婚直前までいって、相手の両親に反対され、どうしても認めてもらえずに、これ以上の発展が無いからと、30手前になる彼女と好きなまま分かれてしまったので、結婚に対しては慎重にならざるを得ないのかもしれない。
もしかしたら、好きなまま分かれてしまったので、今もまだその元彼女のことを思っているのかもしれない。
時々「オレ、結構ストライクゾーン広いけど、○○ほど相性のよかった相手はこれからも出てこんやろな…」
とかぼやいている。
僕は隣で苦笑いをするしかできないのですが…
駆け落ちとかいう手も考えたらしいのですが、割とお嬢さん育ちの女の子にあんまり苦労をかけたくないから、と踏みとどまったようでした。
20代だったら勢いでそうできたかもしれないですが、当時は30歳、考えてしまうのも仕方が無い年齢だったんでしょうね。
そうなってから、二人の話し合いの途中から自分のことなのに白けてきたらしいですしね。
相手が両親抜きの生活を考えられず、駆け落ちまでなんて全く考えてないこと。
父親に自分が何とか説得ようとしたが、取り合ってももらえないこと。
自分の意見抜きで物事がどんどん進んでいって、要するに別れようってことやろが。としかとれなかったこと。
そう考えた時のこれまでの7年ぐらいの月日の無駄さ加減。
要点をまとめるとそういう事だったみたいですね。
当時は反対して、とりつく島も無い相手の父親にいらだちを隠せなかったと言っていましたが…
「娘も30になるのに何反対してんねん!オレがおらんかったら…いや○○ならほかの相手を探せるか…」
「何言うてんねん!君があの子しかおらんねやったら相手もなんでそうやと思えんのや?そこで強引に行ったらんかいな!」
「いや、もういいわ、もうこれ以上あいつと話しててもこっちがムカつくだけやし」
僕には話せない二人の事情というものがあるのでしょうが…
「何でやねん!子供が30歳になるのに、まだ子離れできんのか!って言ったらんかいな、7年も一緒におったんやろ?若い恋愛をやってきたんやろ?二人で、そしたらあの子も君以上に濃密な時間を過ごした人間なんか他におらんやろ!」
「オレもそう思うけど、相手がもう消沈してもてるからな、悪いけど、そこから引き上げるようなパワーはオレには無いわ。オレがお前やったらそう思うけどな。あいつが親抜きでこの先の人生考えられないっていうんやから、もうオレの出る幕はない。」
「そんなこと言いおったんか?」
「いや、言ってないけど、そういう事やった。」
「…」
僕は彼を無二の親友だと思っています。だから、二人の結婚が近いと、彼から聞いたとき、僕は彼のために一肌脱ぐつもりでいたし、その役目は自分にしかできないはずだと、内心でかなり張り切っていたのです…
それが無くなったと言うことが嫌じゃないんです。
彼が全部話してくれているわけでは無いんでしょう、もしかしたら相手の父親に頭を下げに行ったのかもしれませんし、彼女に泣いて頼んだのかもしれません。
でも、まだあきらめるには段階的に早かったのでは?という思いを隠せませんでした。
途中で白けてきたと言っていましたが、気持ちはわかる。
でもそういうのを乗り越えて結婚ってあんじゃないの?君にはあの子しかおらんのじゃないのか?だったら…
と、なにがしかの、不完全燃焼な感じが嫌だったのです。
まあ、彼はずっと念頭に結婚は嫌だというのがあって、いざ気持ちが向いたと思ったら出鼻をくじかれたのだから、今まで嫌がっていたものに、必死にしがみつけるかどうかというと、少し微妙なところもありますが…
整理してから話していたのかもしれませんが、淡々と「結婚できんから別れた」という彼に対して彼女ってお前にとってそんなものかと、思わざるを得なかった。親友の僕にさえ、ほとんど会わせてもらえなかったぐらい大事にしてたのに。
そして、『お前が彼女が好きって言うのはそんな程度か!』と言ってやれない僕自身にもムカつきを憶えました。
彼が、ひた隠しにしていたおかげで、僕が彼の彼女の前にしゃしゃり出ていって説得することも無く、そういった事に一肌も脱がせてもらえず、そのまま時の経過とともに忘れて行くしか無い状態になってしまいました。
そのままそれから今です。やっぱり本人は引きずっているんででしょう。口には出さないですが。
もう二度と結婚なんて考えない。そう言っているのをそばで聞いていると、何とか、彼しかいないと気がついたあの子とやり直せないものか、と思ってしまう。
そんな彼の「結婚ていいな」という言葉は、少しだけ彼の考えを氷解させたのかと思い、嬉しく思ったのも事実でした。
前に進むきっかけになってくれたら、新郎も本望だろうな…