いつのまにか
この前の台風からなんだろうか。カエルの鳴き声もセミの鳴き声も聞こえてこなくなりましたね。
それよりも聞こえてくるのは、鈴虫や日暮の羽音でしょうか。
鈴虫の羽音も心地いいですが、日暮の羽音は、何か格別なように思います。
何なんでしょうね、少しノスタルジックな感じにもなりますし。
変な言い方ですが、夕方の香りのする音です。
日暮の羽音を聞くと、いろいろ思い出します。どこにでもいる虫なんですね…
小学生の時、バス通学だった僕は一人バス停でバスを待ちながら…バス停には隣接する天神様(菅原道真信仰)があって、バス停側にも鳥居があったり、その鳥居の横には、かの道真公が九州までの道中に座って休憩したと思しき岩が囲ってありました。
石段を登れば鳥居があって、次の鳥居との間に右手に岩がありました。次の鳥居をくぐって、さらに石段を登れば広場があって、ていうか広場しかなくて、その広場を抜けると天神の社があります。社の横には倉庫らしきものがあって、その倉庫の中には神輿とかが入っています。天神祭の時に使用するモノだろうと思います。
僕は天神町の人間ではないので、担いだことはありませんが。一度担いでみたいと思ったものでした。
それはさておき、さっき出て来た鳥居の上には石がいっぱい乗っていて、それは…
なんでも、願い事が叶うらしいのですが…
何とも安っぽく願いがかなうものですね…
イタズラな僕はその鳥居を岩を囲ってある石塔の上に乗って枝でボトボト落としたりしていました。
何となく罰当たりですよね…石を落とす方じゃなく、石塔の上に乗る事がです。
あんな石なんて誰かが乗せただけだから何て事無いんでしょうけど。むしろ他の乗せたい人のために場所を作ってやっただけ感謝してもらわないと。なんて…
まあそんなイタズラ話はいいですが。
その鳥居とか石段とかは割と風情があって、夕方見るとそこそこ好きな情景に変わります。
樫の木が二本ならんでいるのと、椿の木も石段の横と樫の近くにあるのと。あと二・三本は樫があったと思いますが。桜も二本ありましたね。
秋には木の葉でいっぱいになります。
そんな風情の中で、鈴虫と日暮の羽音がすると。子供ながらにこの場所が好きになってしまいます。
木の葉があるっていうことは、相当に秋深くないとだめなのです。寒くならないとダメってことですけども。
何となく、力をもらえる場所のような気がして…
今までで一番落ち込んだ時にもそこに行きました。何も起こらなかったし、力をもらった感じでも無かったけど。
ただ落ち着いて帰ってきただけでした。
何となく、その時の事なんかも思い出したりして。日暮なんてどこにでもいるけど。羽音を聞く度に情景が思い浮かんだり…
秋ですね…
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